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Aug 2007

コンペ

On
by 卓 坂牛

8月10日
朝から院生二人とコンペ打ち合わせ。なるほどという案が少しずつ出てくる。やっと学生たちにも建物の成り立ちが頭に入ってきたのだろう。案は2案程度に絞られる。僕は途中他の打ち合わせに出かけたりしながら打ち合わせは夜の7時まで続く。

山田守

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by 卓 坂牛

霞ヶ関で東海大の岩岡さんにお会いし、彼の車に乗って東海大の湘南校舎に向かう。10時過ぎに上松先生の研究室に着く。ここで岩岡さんの司会で3人の美学トークを行なう。美的なものにおけ客観的質についてその普遍性と社会性に話は及んだ。僕としてはとても面白いテーマであった。内容は今年の東海大の卒計雑誌に掲載されるそうである。上松先生は今年で退官とのこと。美学の講義を現在本にすべく講義のテープおこしをしているそうである。
鼎談の後岩岡さんの車でキャンパスを案内してもらう。車がないと見て回れないほど広い。大学のキャンパスと言うよりは巨大なスポーツ公園である。山田守のいくつかの建物を見せてもらう。最近行なわれた山田守展と同時に出版された山田守作品集で青木淳が言っていたことが良く分かる。一般人が重要と思うようなデザインのクオリティを追及しない人なのである。なんだかよく分からないところに力が入っているのである。この価値観のずれのようなものが未開な土地にやってきたような楽しさを覚える。

On
by 卓 坂牛

午前中コンペのスケッチ。アリーナを浮かす案を昨日議論していた。寝ながら考えた案を絵にして学生たちにおいてきた。当たり前かもしれないが学生たちのスケッチは遅い。その原因はデヴェロップの方法が分かっていないことにある。しかしそれは勉強の仕方が分からないから成績が上がらないというようなもので、試行錯誤するしか無いはずである。そうは言ってもそんな呑気なペースにつきあっているわけにもいない。放っておくと何も進まないのかもしれないという恐怖に襲われる。去年のm2はもう少し開拓力があったような気がする。今年のm1は気分だけで建築をやっている。
午後一のアサマで東京に。丸善で目に付く本を購入宅配する。事務所で中国の打ち合わせの報告を聞きそして次の進め方を検討する。東京も暑い。空が夏である。しかしニュースでは既に秋の気配等と言っている。

定番

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by 卓 坂牛

夏休みの定番。キャンパス計画、卒業ゼミ、そしてコンペゼミ。これで一日が終わる。そう言えば明後日は東海大で上松先生と岩岡先生との鼎談をする予定。一体何を話すのか。ストーリーを聞いたのだがなかなか大変そうである。予習をする時間があるのだろうか??
ヴィヴィアン・バーの『社会構築主義への招待ー言説分析とは何か』川島書店1997を読み始めた。とても丁寧な入門書である。

スコール

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by 卓 坂牛

午前、午後とも大学の重要な仕事に追われた一日だった。その責任者ということもあり結構神経が疲れた。その後ブラジルからの留学希望の大使館給費留学生のアクセプタンスレターを書くのに英語の研究計画書を丹念に読む。のだが、これが結構難解である。話が異様に抽象的で参った。何とか読み込みレターを書く。その他雑用をこなしていたら既に深夜。事務所からのの様々な書類は明朝目を通すことにする。
ひどく暑い日中だったが午後突如訪れたスコールで一挙に気温が7~8度下がったような気がする。この時間は快適である。

若松の新作

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by 卓 坂牛

図版整理を午前中行なう。今日も殺人的な暑さである。我が家は3方向に窓があり上はセットバックしたテラスとなったマンションの一部屋である。プランとしてはとても優秀だがその分外部環境の影響を受けやすい。暑さには特に弱い。壁が熱気を帯びるのである。12時30分に家を出て1時の新幹線に飛び乗り2時に軽井沢で降りる。学生の車に乗り若松のオープンハウスを見せてもらう。面白そうな断面図にそそられて皆で行く。100坪の別荘だから、別荘というよりは豪邸である。3世帯で使うとのことでベッドルームが3つある。建物はコンクリートスラブで浮かし、1階にはジャクージだけ。湿気の多い軽井沢ではこの断面がベストかもしれない。大きな屋根の下にいくつかの空間が集積しているというのがコンセプトとのこと。そのためそれら空間を示す垂れ壁が高さ1950のところに見えてくる。大屋根でありながら多様な空間を作る方法の模索である。
帰りがけアトリエワンの新作(オープンハウスが延期になった)ハウスアサマの脇を通る。ガラス張りの外観だけ見えたがまあまたゆっくり見せてもらおうと思い素通りし大学へ。

同窓会講演会

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by 卓 坂牛

朝一現場。1階は2回目の防蟻剤散布。3階はテラスの手すり縦桟取り付けで地響きのようなボルト締め騒音。上と下にはさまれて2階で打ち合わせ。今日はまた一段と暑い。午後は付属盲学校で同級生の盲学校の先生に視覚障害者の指導や社会生活など、講義を受ける。そもそも中学同級生のクラス会を毎回講演会付にしようとの提案があり今日はその一回目。15名程度集まった。富山から来た人までいる。講師寺西先生はパラリンピックのメダリストを何人も出しならが、視覚障害者を愛情で育ていている愛すべき友人であり、私のクライアントでもある。3時から5時までの講演を聞き。その後食事会。久しぶりに池袋で降りたった。断酒中の私は水ばかり飲んでいたら汗ばかり出てきて店を出たらもう玉の汗である。気温の下がらない東京の夜。

篠原の遺言

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by 卓 坂牛

今日は朝から本作りのための図版の整理を行なうことに決めていた。この作業は前期が終わるまでは手が付けられない代物。まとまった時間が取れるようになったらやろうと思っていたものである。しかしそうして放っておくとやるときには少し気合を入れないとできない。図版を減らしながら可能なものは自分で撮影したものに入れ代えどうしても他に頼まなければならないもを厳選するという作業である。自分のスライドをひっくり返し、先ずは何が使えるかを見ていく。これが結構時間を食う。ライトテーブルでもあればいいのだが、、、チャンディガールは自分の写真で行こう、妹島さんのディオールは来週撮りに行こう、ボロミーニのクアトロフォンターネはイタリアで撮ってくる、白の家は先日撮ったものが使えるか?うーんダメだねこれは、多木さんの写真をお借りしよう、坂本先生の写真は別途お願いにあがろう、などなど、外国の出版社にお手紙を書くのはちょっと手間だし、時間がかかりそうだからなんとかそれを避けつつ、あれやこれや。半分くらい整理したところで時間。今日は奥山と鹿島出版会の川嶋さんとちゃんこ鍋を食べる約束。まあそれはミーティングの後の話。いつもはうちの事務所でやるミーティングだが今日は奥山研に出かける。篠原先生の最後の設計の模型や図面を見ながらいろいろ議論。この建物は外観模型しか見たことがなかったので内部は知らなかった。しかし内部が凄い。かなり凄い。いや最後に篠原先生は生涯の思想を結実させた。うーん今日はいいものを見た。

また台風

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by 卓 坂牛

娘が臨海学校に出かけるのを狙うように台風が来た。波の高さは3メートルと気象情報の伝えるところだが泳いでいるのだろうか?夕刻信大の学生がやってきて金箱さんをまじえてコンペの打ち合わせ。うーんなかなか方向が定まらない。難しいものだ。新建築が届く若松の集合住宅が表紙になっている。単純な形の連続だけれど間合いの取り方がうまい。

calm

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by 卓 坂牛

昨日松本に行く電車で読もうと朝日と読売の朝刊を買った。選挙結果に座談会が組まれていた。朝日は辻井喬他2名で安部続投を批判。読売は中曽根他2名で安部続投支持の論調だった。さもありなんである。朝日は社会面には鈴木謙介のコラムがあり若者の政治への関心の高さについて語っていた。小泉によって敷かれたグローバリゼーションへの参画路線で今のところ最も損しているという被害者意識が高いのが若者だと言うのが彼の説である。彼の名が記憶に新しいところで積読本の中から彼の『ウェッブ社会の思想』 NHK出版 2007を読み始める。ubiquious copmputing の説明がある。この語は偏在するという意味だが、どこにでもありながら静かに姿カタチを見せずその力を発揮するところから最近ではcalm computingとも呼ばれるそうである。この言い方気に入った。calm architectureなんていう言い方もできそうである。環境に埋め込まれ静かに力を発揮する建築である。