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Jun 2014

アメリカ美術の主流は本当はリアリズム

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by 卓 坂牛

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小林剛『アメリカンリアリズムの系譜―トマス・エイキンズからハイパーリアリズムまで』関西大学出版部2014を読み終えた。アメリカ美術と言えば戦後の抽象表現主義が前景化しがちだが、継続的に流れているのはリアリズムであると著者は言う。そこで思い出したのがUCLA留学時代のチャーズル・ジェンクスの講義‘Contemporary American Realism`である。時あたかもポストモダン最盛期であり、この授業の趣旨は抽象的モダニズムを否定して、具象的(リアリズム)ポストモダンを称揚することだった。
さて小林氏のリアリズムの切り取り方で最も面白かったのはロザリンソ・クラウスの「指標論」(アメリカ90年代アートはパースがいうところのインデックス的である)に掉さしながら、アメリカンリアリズム絵画がヨーロッパのそれとは異なりインデックス的な物として始まったという指摘である。
そもそもヨーロッパリアリズムを学んで生まれたアメリカンリアリズムであるがヨーロッパのそれが歴史や習慣を指し示すイコンとしての「類似性」を有しているのに対してアメリカンリアリズムのそれはそうした歴史を意図的に排除してインデックスとしての「事実生」のみに依拠しているのである。60年代以降(抽象表現主義が一段落した後)に復活してくるリアリズムがハイパーリアリズムと呼べるような写真以上に写真的な精緻でインデックス的なリアリズムとなってきたのはそもそもその発生においてインデックス性を胚胎していたからだと言うわけである。

自転車で六本木行ってwakoで写真を見る

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by 卓 坂牛

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ワールドカップは見たいけれど、それで生活のリズムは崩したくないと思っているのだが、4時ころ目が覚めてしまった。あきらめてテレビをつけたらオランダが1-0でスペインに負けていた。スペインの華麗なパス回しにボールがとれない。こりゃ4年前同様スペインに軍配が上がると思っていた矢先にすごいロングボールからとてつもないヘディングで追いついた。そして立て続けにロッベン、ファンデルシーが2点ずつ得点。5対1という信じられないような大差でオランダが勝利した。本当かい??
午前中大学の人事資料を2時間かけて作った。資料が大学にある(と思っていた)ので金町まで行かないと作れないと思っていたが、幸いほとんどの資料がCPUの中か大学のHPに置いてあることがわかり家で作れた。
12時のエアロビクスに滑り込み久しぶりに1時間走った。へとへと。シャワーを浴びて自転車で六本木へ。WAKO WORKS OF ARTでフィオナ・タンの写真を見る。世界の家族を撮ると言うシリーズの東京編。小さな額に様々な家族の情景が映し出され所狭しと貼り付けられている。隣のオオタファインアーツには久門剛史のインスタレーションがあり外国人のカップルが写真を撮っていた。
青山ブックセンターでファッションの本、珍しく建築の本など10冊ほど買って宅配を頼み。自転車で家路へ。今日は陽が強いけれど乾いていて風がさわやかである。家の傍でワイン4本と5年ものバルサミコ酢を買ってこれも宅配を頼む。

1時間設計、建築家が採点

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by 卓 坂牛

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毎週金曜日の夕方研究室で1時間速攻住宅設計を行う。今日の出席者は20人。出来上がった設計図は6時からの製図に来られる非常勤講師の方にお見せし、皆の一番いいと思うものにサインしていただき、その理由も書いてもらう。表は集中する時もあれば割れる時もある。学生にしてみれば僕一人に採点されるよりは多くの多様な価値観で評価される方が嬉しいだろうし、正しいことだと思う。クライアントなど星の数ほどいて皆異なる価値観を持っているのだから(特に住宅ならば)

新緑が美しい東工大

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by 卓 坂牛

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午後東工大のエスキスチェックに行った。雨があがり緑ヶ丘の門をくぐると奥山さんが設計した打ち放しの建物を背景に緑が美しい。この建物の周りは何度となく通っている。そうやって見ているうちにこの建物の魅力に気が付いた。この建物は外観のパターンが特徴的だけれどこのパターンは内外部を繋ぐスクリーンのようなもので建築に奥行きを生み出している。またマッシブなヴォリュームではあるが建物下をくぐり抜ける動線やキャンチで飛び出ている2階部分下のコリドー空間など周辺を引き込む空間性を持っている。つまり一見硬い外装で包まれているように見えて、柔らかい空間がまとわりついているのである。そんなコントラストがこの建物には見出せる。実は周りを幾度となく通っているがまだ中には入ったことは無い。今度は中に入ってみたい。

2年生の合評会

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by 卓 坂牛

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夜2年生の住宅設計の合評会。ゲストクリティークは数年前に非常勤で来ていただいていた宮晶子さん。30分ほどのショートレクチャーをしていただいた。木造壁柱の最近作は知っていたが、デビュー作から同じようなコンセプトで考えていたというのを知って驚いた。一貫性のある設計姿勢は好感が持てる。
2年生は学生が多くスタジオも多く時間もかかる。課題は「行為から創る空間」ということで非常勤の先生はそれぞれ行為が与えられる。上条先生は話す、今村先生は学ぶ、新堀先生は寝る、水戸先生は食事する、蜂谷先生は洗う、長谷川先生はくつろぐ。それぞれの命題に則って身体の大きさを考え、行為の流れを考え、スケールを考えて空間を作るといいう課題である。全体的にいい作品が多かったのだがまだ主眼であるスケールがもう一つだった気がする。

昔は危険な旅をしたものだ、、

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by 卓 坂牛

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流石に昨日のフットサルがこたえて朝起きるのに一苦労。やめようかなと思ったが散歩のようなジョギングをして固くなった体をほぐす。一社遅れて見積もりが届く。少々高いが射程圏内。とりあえず全般的な精査を行う。午後事務所で雑用したり、メールしたり、大学の書類作ったりして夜大学で4年生のプレディプロマのエスキスチェック。カサブランカにホテルを作るというリサーチを見ながら昔マグレブ諸国を旅行したのを懐かしく思い出した。あのころは結構危ない旅をしたものだと今思い出してもはらはらする。

年に一度のフットサル大会

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by 卓 坂牛

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昼から年に一度の研究室対抗フットサル大会。僕が赴任した頃から始まった。固かった四年生もこの大会で少しリラックスする。その意味ではけっこう大事なイベントである。ところが昼まで晴れていた空が12時近くになったら大雨。それでも大会は始まりその後降ったり止んだり。降っている時は本当にバケツをひっくり返したような雨だった。全員シャワーを浴びたようにびしょびしょになりながらの戦い。僕の研究室は参加者が多く。女子も殆どが参加。僕も末席を汚せていただきました。大会が終わり研究室でゼミを行いその足で神楽に行って講義。うー疲れた。

絵描いて死ねるなんて羨ましい

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by 卓 坂牛

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朝ジムで走る。その後大学に行って午前中から翻訳読み合わせ。コンクリート建築のテクスチャーに注目した写真家の話が多く登場。Werner Lindner, Bernd and Hilla Becher, Dell & Wain wright, Barsotti, Lucien Herve 彼らの写真集をじっくり見てみたい。
4時に大学を出て都美館へ。バルテュスを見る。立膝で座る少女、顔の大きな人、椅子、、、、バルテュス特有の構図と色が散見される。バルテュスの終の棲家はスイスロシニエールの山荘。典型的なスイスのバナキュラー木造建築である。死ぬ間際までアトリエで孤独に絵を描いているその姿がビデオで紹介されていた。こういう生き方はできないなあと思う。絵描きに比べれば建築家ってひどく俗人。

非常勤講師をやめたら餞別金をくれると言う仕組み

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by 卓 坂牛

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昼にセットエンブの入江君に会う。彼は朝日アートスクエアの運営委員をしており、毎年一人のアーティストを選定して朝日のシュタルクビルの最上階のイベントホールでその展示を行っている(宣伝不足であまり知られていないが)。今年は音のインスタレーションで聞きに行ったがなかなか面白いものだった。来年度のアーティスト選考が終わりその空間構成について協力を依頼された。面白そうだが研究室で動けそうな学生がいないので佐河君の先輩に協力を依頼快諾していただいた。
昼食後施主が来られ打ち合わせ。空調機の位置について議論。だいぶ細かなことが決まってきた。その後コンペ要項(英文)を読みあわせた。一度言ったことがある場所。12000㎡の美術館。さてどのメンバーでやろうか?少数精鋭?
夜帰宅すると早稲田からお手紙が届いていた。非常勤は春でやめたし、娘の成績が送られてくる季節でもないし何かと思ってあけたら驚いた。「餞別金の贈呈について」というお手紙である。5年間非常勤を行ったので餞別金を贈呈するというものだった。それはありがたいことである。しかし退職金と言わず餞別金というのは退職金と言うのは定年退職が前提となっているからだろうか??

大学院製図の中間発表

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by 卓 坂牛

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1時から大学院製図の中間発表。全9チームがA13枚くらいに案をまとめ模型をプレゼンした。藤原さん小西さんの課題は前半アーキファニチャーで身体的な空間プロトタイプを作り、それを金町の二つの街区にあてはめると言うもの。街区の一つは唐揚げ屋さんなど4つくらいのお店が集合したごちゃごちゃした場所。もう一つはメイドイン東京でも取り上げられた屋上が教習所のイトーヨーカドーである。前半課題からのスケールの差が大きいイトーヨーカドーの方が難しいのは分かっているのだが、その差を埋める中でアーキファニチャーが劇的に変化することを期待したい。
全9案ともに構造的な新たな主張があり、後半へ向けての展開がとても楽しみである。