Taku Sakaushi

Diary

メディアの不調

On July 23, 2011
by 卓 坂牛

早稲田の演習終えて三朝庵で昼をとりあゆみbooksに寄ってから事務所に戻る。新たに始まった保育園のスタディの様子を見てから研究室へ。ミノルタから借りている色測計を使ってみるのだがうまく測れない。購入迷い中。結論先延ばし。夜3年製図の最終提出。各班を回りながらできを見る。3年生にしては面白いと思うものもある。再来週の合評会が楽しみである。TNAの武井君がゲストで来てくれる。彼は富岡のコンペをとったとのこと。その案も見せてくれるだろう。帰宅後内田樹の『街場のメディア論』光文社新書2010を読みながら寝る。彼の本は目を見張るような発見は無い。しかし喉のあたりまで出かかっている自分の言いたいことを小気味よく言語化してくれる。例えばこんな風に。
「テレビの中でニュースキャスターが「こんなことが許されていいんでしょうか」と眉間にしわを寄せて慨嘆すると言う絵柄は「決め」のシーンに多用されます。・・・「こんなことが許されていいんでしょうか」という言い方には「こんなこと」に自分はまったくコミットしていませんよ、という暗黙のメッセージが含まれています。「こんなこと、私はまったく知りませんでした。世の中ではこんなにひどいことが行われているなんて・・・」というその技巧されたイノセンスに僕はどうにも耐えられないんです。」
p.s.夏のオープンデスクを1名募集。簡単な自己紹介と住所、来られる曜日を書いてメールくださいsakaushi@ofda.jp

選択の科学

On July 21, 2011
by 卓 坂牛

新宿区役所行って、練馬区役所行って、自分と兄貴と親父の戸籍謄本やら印鑑証明やら併せて20枚くらいもらって(というか買って)きた。人が亡くなるとやることがいろいろある。あっちこっち行く道すがらシーナ・アイエンガー櫻井祐子訳『選択の科学』文藝春秋2010を読む。人間も動物も行動の選択の余地が無くなると元気が無くなる。一方で選択肢がありすぎてもそれは幸せにはつながらない。建築もそうである。選択肢の無い空間はなんとも単調である。一方でありすぎると迷路となり人は苛立ちを覚えるものである。

書評と建評

On July 20, 2011
by 卓 坂牛

豊崎由美『ニッポンの書評』光文社新書2011を読む。書評は批評とは違う。本をとりまく役割分担を著者は大八車にたとえる。大八車の両輪が著者と批評者そしてその大八車を引っ張るのが編集者であり、書評家はその車を後ろから押す人だという。そして批評は読後に読み、その本の文学的位置づけ、思想の意義などについて熟考するためのことが書かれたものである。一方書評とは本を読む前に読みその本を読みたくなるための文章だと言う。
先日磯さんを講評会のゲストで読んだ時に「僕はいい建築を見つけて人に見てもらうために文章を書いているのであって評論家ではないよ」と言っていた。つまり豊崎理論で言えば磯さんは書評家ならぬ建評家である。建築をとりまく大八車を後ろから押す縁の下の力持ちということである。

実家の設計

On July 19, 2011
by 卓 坂牛

実家の設計を始めた。母がいなくなったので、親父と兄貴家族が住むための家に実家を改築することとなった。やってみて気がつくことがある。よく知った人間の家の設計をするのは当たり前だが与条件がさっさと頭に浮かぶ。親父はこういうぐあいに動くであろうとか、兄貴はこんな場所を好むだろうとか、、、、全く知らない人の行動を想像するよりかは遥かに楽である。加えて家の環境を熟知しているのだから方位による日の光や、周辺との関係も写真と照らし合わせたりするまでも無い。しかしだからと言って案がさっさとできるかと言うとそうでもない。知りすぎているだけに考えてしまうことも多々ある。気がつかなくてもいいようなことまで気になったりする。普段の設計なら気にならないのだが、、、

帝京強し

On July 19, 2011
by 卓 坂牛

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母校が甲子園東東京大会4回戦に進んだので応援に行こうと誘われた。相手は帝京高校である。球場に少し遅れて到着。切符を買う10メートルくらいの列。それを待っている間に球場内で歓声があがる。おっとどっちだ?と思いながら入るとスコアボードの母校の方に1点がついている。あの帝京から初回に1点をとって尚もワンアウト3塁。そして見事なヒットで3塁ランナー生還。2点目である。奇跡的。ピッチャー交代。しかしその裏あっという間に帝京に2点を入れられ同点。その後0が続く。しかし4回5回に畳みかけるように攻撃されて残念ながら5回コールドになった。
久々に母校のしかも野球等を見ながら興奮した。なでしこジャパンの奇跡がここでも起こるかと期待したがそれは叶わぬ夢。しかし帝京の一回りも二回りも小さな選手たちが奮闘している姿に感動した。試合後彼らは号泣していたが、500人くらいの観客、チアガール(ついに母校にも)の応援、超高校級の対戦相手。高校生活最後を締めくくる最高の舞台である。

官僚制という化け物

On July 18, 2011
by 卓 坂牛

最近よくテレビで見かける古賀茂明『日本中枢の崩壊』講談社2011を読む。経産省のキャリアであり公務員の制度改革のために本音で勝負している数少ない官僚である。であるからオール霞が関を敵に回し官房付と言う閑職に回されている。
これを読むとこれまで読んだ『原発官僚』や『原発社会からの離脱』に書かれていることの裏がとれる。日本の官僚制がいかに日本を間違った方向へ導いてきたかという点である。著者は日本の官僚は優秀なのに日本が良くならないのは彼らの乗った電車(制度)が悪いからだと言う。つまり、官僚制は構造的欠点が利点をはるかに上回ったシステムであり、それを改革しようとする人間(著者のような)を弾き飛ばす構造になっているというわけである。もはや政治がどうのこうのではない。この官僚制という化け物を一度たたき壊す必要性があるのだと思う。

母との別れ

On July 17, 2011
by 卓 坂牛

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新宿の斎場で母と別れの会をした。親族と一部の親しい方々を呼んでお花をたむける会。昔懐かしい写真をロビーに飾り生前の母を思い出した。80なので悲しみもなかったのだが、母と同年代のいとこたちが来るとやはり少々早いと言う気にもなる。落合で焼いた後皆で食事。その後骨を持って実家に行き線香をあげた。これであの世に旅立ったわけである。兄貴とシャンペンあけて、赤ワインあける。

「原発をどうするか」から「原発をやめられない社会をどうするか」へ

On July 15, 2011
by 卓 坂牛

午前中の早稲田の演習を終えていつもの三朝庵で親子丼を食べようと思ったらどういうわけか休みだった。あゆみbooksで数冊本を買って昼食。事務所に戻り夕方大学へ。打ち合わせの合間を縫って宮台真司×飯田哲也『原発社会からの離脱』講談社現代新書を読む。序文の宮台のタイトルがとても説得力がある。「原発をどうするか」から「原発をやめられない社会をどうするか」へというものだ。つまり日本の社会はシステムへの盲目的依存が高く「ブレーキの壊れたタンクローリー」のようであり、特にそれは行政官僚制に顕著に表れていると言う。昨日読んだ本の内容と同じである。

キャスクという悪夢

On July 14, 2011
by 卓 坂牛

七尾和晃『原発官僚』草思社2011を読み終える。原子力エネルギーの発展がいかに政治的に役所的に経産省を中心に行われ、特にその省権の拡大のために使われてきたかがよく分かる。そしてキャスクと呼ばれる放射性廃棄物の処理をどこでやるのかという見通しがないまま60年来てしまったこともよく分かる。つまりは問題の先送りを延々してきたということである。
そしてこの震災を機にますますこのキャスク処理場の候補地は激減するであろう。広大なアメリカでもキャスク処理場が住民の反対にあって見つからないのだから、日本では国有地で閉められるような無人島のようなところしかもはや現実性がない。そしてそんな場所があるだろうか?あったとしてもそこに隣接する住民の反対は避けられない。NINBY (not in my back yard 自分の裏にはあっては困る)という言葉は世界共通である。どこかの知事が通産官僚は福島に住めばいいと言ったが私も同感である。これ以上作るならキャスクはあなたの裏庭に埋めて欲しい。

お別れの音楽

On July 13, 2011
by 卓 坂牛

お別れ会で流す音楽を選ぶ。
式前のBGM
・バッハ・平均律クラヴィーア
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6400683
黙とう
・ブライアンイーノ・AMBIENT 1 MUSIC FOR AIRPORTS
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12272755
献花
・ヘンデル・ハープ協奏曲
花入れ
・ジョージウィンストン・秋
お別れの言葉
・バッハ・フルート協奏曲
喪主挨拶
・キースジャレット・ケルンコンサート
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12045520
出棺
・コレッリ・ヴァイオリンソナタ
聞きながらしみじみ涙が出てきたりする

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