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Feb 2007

レンガ

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by 卓 坂牛

arteriaという美術専門書店がネット上にありたまに買い物をする。先日頼んだ‘la brique a paris’という本が届いた。『パリのレンガ』である。仏語なのでよくわからないが、展覧会のカタログと思われる。15世紀から現代までパリにあるレンガ造りの建物(もちろんすべてではないだろうが)が時代順に並んでいて写真と説明が加えられている。大体建築材料というものは現代に近づくにしたがって余り目地が目立たなくなり、つるつるしてくるものだが、さすがにここに並ぶレンガ造りの建物は、現代のピアノのレンガパネルにしてもやはり目地は目立つ。こういう材料を目地なしでツルツルに使ってみたいものだと思って眺めいてたが、そういえばそんな風に使ったのが青木さんの青森なのだろうか?まだ見たことはないのだが、急に見たくなってきた。この春なんとか行ってみるか!!

ハミルトンのオレンジ

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by 卓 坂牛

先日ナディフでオレンジ色の布地装丁b5版くらいの作品集を買った。Ann Hamiltonの作品集である。ギャラリー全体高さ1メートルくらいの位置にオレンジ色の布を張り巡らし、布の下に雉が走り布の上にハミルトン自身が一本の木に載っているという作品である。なんともおおらか。なんとも滑稽である。オレンジ色はとても好きである。心が温まる。
午前中新幹線で東京に帰る。事務所で確認図のチェックをしてvaioの修理。やっとリカバリーができた。重かったハードが身軽になり動きがスムース。しかしアプリの入れ直しやら、抜き取ったデーターの再入力やらやたらと時間がかかる。

卒論発表会

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by 卓 坂牛

2月15日
やっと今日で今年度の一区切り。卒論発表会が行われた。僕の研究室も卒制5名、卒論1名。巨大な模型を並べて無事終了した。打ち上げは駅前のお店に研究室の学生+制作のお手伝いをした3年生2年生も呼んで総勢30人くらいかな?みな本当にご苦労さんだった。1年1年クオリティがあがっているようでれしいが、こうなると下がった時の落胆は大きいだろうからまあせめて横ばいになるようにがんばりたい。飲んで食べて最後は駅前の屋台でラーメンを食べて帰宅。

石本の2点透視

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by 卓 坂牛

一日がかりでマスタープランを皆で一緒に作っていた。夕刻今日はひとまず終了。夕食をとって研究室で本を読んでいたが疲れたので石本泰博の『桂離宮』新版を眺めていた。桂離宮の高床の水平垂直木軸ラインと漆喰壁のコントラストであまりに有名な写真集である(しかし有名なのは旧版の丹下さんが解説を書いている方だが)。この写真集は26ページから230ページまで数ページの図面を除いて全て写真である。カット数でも150くらいあるだろう。この写真をぺらぺらめくっていて一枚だけ妙に浮いて見える写真があることに気付いた。最初はその理由は妙に沢山見える桐の模様のふすまのせいだと思っていた。10枚くらい見えるこの金の桐模様のふすまが今にも動き出しそうに見えたのである。しかしどうもその理由は金の桐でもなければふすまの数でもない。それはこの写真だけが2点透視で撮影されているからだろうと思えてきた。
200ページに及ぶ写真の中に2点透視の写真は2~3枚しかないのである。1点透視で撮るのは建築写真の常道なのだろうが、石本もちょっとその道を逸れて連続する4室を2点透視で撮影した。その結果見事に動きのある写真が1枚だけ登場したようである。
明日卒論発表会だが僕の部屋の学生が新建築とカーサブルータスの写真比較を行った。それによるとカーサは新建築に比べ被写体を2点透視で撮る傾向が高いのである。そこでは1点透視は数ある視点の中の特異点であり、2点透視の方が「フツウ」の人の視線であると説明する。つまりカーサのほうがフツウの視線ということなのだが、この石本の写真を見ていると必ずしも2点透視だからフツウとも思えない。計算されつくした2点透視の位置と言うのもある。アイソメのような視点がそれかもしれない。シンメトリーな2点透視というのも何かこう不気味な特異点である。

nippon

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by 卓 坂牛

昨日長野に来る電車の車中で『photo documentary nippon 2004-2006』gurdian garden 2006を眺めていた。これはnipponというタイトルで公募した公募展の記録である。若手カメラマンによる日本の肖像である。選ばれたカメラマンは15人。作品は大きくlandscape community street distanceの4つに分類されている。90年代後半の私的視線は遠のいた感がある。あの川内やhiromixのような視線である。そうした私性が薄れた理由かはわからないが、さてでは何が新たな視線なのか?この写真を見ていてもつかみきれない。さらにちょっと気になったことがある。それはlandscapeに分類された写真に郊外をテーマとしたカメラマンが二人もいて、その写真はその昔のホンマタカシの時代からあまり変わっていないのである。どうして郊外というとそろいもそろって団地の表層的な風景なのだろうかと思わなくも無い。この写真集の巻頭で対談している三浦展が「郊外に住んでいたらもう少し発見がないのかな?」と書いている。同感である。しかし考えてみたら郊外には表層しかないのかもしれない?その昔僕らは都市の裏を発見して楽しんでいた。僕しか知らないバーとかクラブのようなものを探検しては自分のレパートリーにするようなそうした楽しさがあった。それはバーとかクラブのような都会的なものだけではない。また快楽にふける裏だけではなくダーティーな部分も含まれている。そうしたことが僕らのちょっと上の世代のダーティーリアリズムに繋がっているのだろうと思う。しかし、現在はそうしたところにリアリティが薄れているのかもしれない。そんな裏が無い世界。裏を見つけるスリルなどに興味の無い時代なのかもしれない。裏がどんどんつぶされていく現状を見ていると今の20代の人たちは裏とは無縁なのかもしれないと感ずる。

2news

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by 卓 坂牛

朝起きたら二つのメール。一つはグッドニューズ。リーテムが学会選奨に選ばれたとのこと。良かったなあ。もう駄目だと思っていたので嬉しさはひとしおである。ナカジや金箱さんを連名にしておいてよかった。もう一つは今日持っていく資料がまだ不完全との内容。ナカジに直るかしら?と電話で聞く。なんとなかなるでしょうとのこと。まあ後は頑張ってできるところまでやってもらうしかないかな?しかしこの仕事少しやり方考えないと倒れてしまうな皆さん。プロジェクトマネージャーはクライアントとの関係からなるべく成果品のクオリティを上げようとする。一方プロジェクトアーキテクトはその要望を何でも受け入れることはしない。だから普通はここでコンフリクトが起きる。その昔スイスでバイトしていたときはよくこの二人が喧嘩していた。しかしどうもこの仕事ではpmとpaの役割が明瞭ではない。paはもっとスタッフを守ってやらないといけないのだが。
一日論文の校正。結構まだまだ直すことはあるものだ。一冊の本を作ると思えば、こんな作業を一人でやっていることの方が無理がある。夕食をとり今晩中に長野に行く。

書のデザイン展

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by 卓 坂牛

久しぶりに日曜日らしい日曜日である。論文の最後の手直しをした。汚い図版を入れ替えた。ネットから仮に借用していた図版を捨てて、しかるべき本から再度スキャンしなおして挿入。図版リストを書き直した。ここに来て今まで使っていたコンピューターが壊れたがためにちょっとファイルの整理に四苦八苦である。
2月号のUPに笠嶋忠幸の「書をもっと楽しく見るために」という文章が載っている。日本人は書を字として見るのですぐに意味を理解しようとするのだがもっと書の造形美を鑑賞せよと書いていた。先日かみさんが早稲田のレクチャーで同じようなことを言っていたのでびっくりした。思わずかみさんに見せたら、その人は今出光美術館でやっている「書のデザイン」のキュレーションをしている人だそうだ。この展覧会はかなり面白そうである。明日までである。行けるかな??

マック9食

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by 卓 坂牛

2月11日
1週間分たまった打合せを事務所で。もう少し間をつめないと少し心配であるが、この時期はいたしかたない。終ってタワープロジェクト室へ。マックで皆の夕食を買っていく。マックで9食分買ったなんて始めてである。マックの夕食とはちょっと悲しいがまあ仕方ない。連日午前様というこの状況がいつまで続くのやら??皆の健康が心配である。バイトの補助など打合せし、進捗状況を見て退散。

やっと帰宅

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by 卓 坂牛

2月10日
1時から次期4年生相手に就職ガイダンス、製図第五ガイダンス、研究室ガイダンスを行い4時からキャンパスマスタープランの打合せ。少しづつ形になってきたか?終って1週間ぶりに東京へ。車中谷川さんの新刊『美のバロキスム』武蔵野美術出版局2007を読む。これは谷川さんのレクチャを本にまとめたもの。最初の章は去年行った銀座のレクチャーそのもの。しかしこの話は実に分かりやすい。僕の質料形相論の屋台骨のような話である。東京駅から事務所に直行。壊れたcpuのアプリ修復を行おうと思ったがうまく行かない。しばらく違うコンピューターを使うことにする。深夜帰宅軽く食事して東京駅で買った新書をベッドでぺらぺらめくりながら眠る。

修士論文発表会

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by 卓 坂牛

朝から修士の発表会。うちの研究室は論文一人と論文設計3人。あんなに苦しんでいたがなんとか上手に発表できたようでよかった。もうひと頑張り設計をつめることができたらとも思うところだが。終了したのは5時。会議の後皆でスパゲッティを食べに行く。いやはや食べ過ぎた。甘いものもタップリとってしまい胃が驚いている。
研究室に戻ったがしばし休憩。ちょっとへとへとだが、成績をつけてそして帰ろう。