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Dec 2012

見事な松

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by 卓 坂牛


朝、配偶者と配偶者の先輩の家を訪ねる。竣工後96年たったお家の庭には見事な松がたっている。まっすぐな松なら高いのはいくらでも見たことあるのだが、こんな曲がった松で背の高いのは初めて見た。この松を支えている柱は電柱である。その昔の東電から頂いたそうだが、東電の電柱をいただくにはそれなりの理由が必要で、緑地保存のためと言ってお願いしたそうである。そうしてここまで育てているのだからお見事である。

Keep locality in contemporary way!!

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by 卓 坂牛


大学から戻り自室に入り思わず笑う。部屋が紅葉している。先日中高の同窓生がFBで教えてくれた柴山桂太『静かなる大恐慌』集英社新書2012を読む。世界は現在1930年の大恐慌と同じ状態ある。あの当時のグローバリズムが生み出したバブル崩壊が恐慌を生みそこからの復興の保護政策が戦争を生み出した。現在同様に第二次グローバリズムが起こり、さて世界はこれに対してどのような手段を持ちうるか?ハーバードの経済学者ダニ・ロドリックは『グローバリゼーション・パラドックス』の中で国家は論理的に次の3つの選択肢から二つしか選択できないという。①グローバル化、②国家主権、③民主政治。現在の日本やアメリカのとっている態度は①+②である。この場合TPPに象徴されるように民意が反映されない場合もある。その意味で民主政治が排除される形になる。一方欧州諸国はEUを作り国家主権を抑えているので①と③を選択している。しかしそれがこの欧州経済危機を迎えた。ゆえに、著者の選択は②+③なのである。つまりグローバリズムの抑制である。しかしそれが戦前と同じく国家間のぶつかり合いを生むのは明らかで、それゆえそこで極右かするのではなく、緩やかに国家の立場を尊重しようとするのである。
この意見に僕は賛成である。今時大きな政府という向きもあろうが、小さな政府が生み出した現実を見ざるを得ない。加えて文化的に考えれば、グローバル化からローカルを守るのが今の趨勢。
研究室で国際交流基金の応募のための書類をまとめていたがここでもポイントはKeep locality in contemporary way.であった。、

アリさんはすごい塗装職人

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by 卓 坂牛


午前中現場で塗装のアリさんと2時間、ああでもない、こうでもないと言いながら打ち放しの上にのせる色を作る。EPを混ぜながら抹茶色とこげ茶とグレーを作る。シーラーを混ぜたものを塗ったり、シーラーを塗って乾かして塗ったりして欲しい透明感を確かめる。家具が作りつけられる壁で散々試してもう塗るところがなくなったので違う階に移ってまた塗る。アリさんのすごいのは色見本帳でこの色と指定するとものの5分でその色作っちゃうところ。絵描きも真っ青である。この透明感とむらはEPを塗ってからスポンジで叩くことで生まれる。その昔連窓の家#1を作った時にコンクリート打ち放しの外壁を白粉塗ったように仕上げたいと所長と相談していたら彼がコンクリート補修屋さんを連れてきた。すると補修屋さんはスポンジで白い塗料を叩き始めた。それ以来、外壁でも内壁でもこのスポンジたたきをよくスペックする。さすがのアリさんもこんなやり方はしたことがないと言っていたがあっという間に自分のものにしているところがお見事である。