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Jan 2013

電車もLED

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by 卓 坂牛


都営新宿線の車内照明がLEDになっているのに今日気づいた。最近はいたるところでLEDが使われているが、慣れないせいか高輝度ランプに眼がくらむ。実際写真をとると輝度が高いのでランプ周囲が真っ黒になる。午後一部の卒計のゼミやって後期最後の演習発表を行い夜は明日の卒計発表会の練習を聞く。

『αスぺース』春休み前になんとか完成

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by 卓 坂牛

九段で会議して神楽で卒計発表会の練習に意見して、再び九段に戻り卒論発表の練習に文句言って、夜博論審査会終わってやっと自室に戻って先日届いたできたてほやほやの新刊『αスペース塚本由晴・坂牛卓のエスキスチェック』鹿島出版会を眺める。昔八束はじめさんが何かの本のあとがきに書き終えた傍から、また別の書き方があったのではないかと思うと言うようなことを書いていらっしゃった。何かを表現するということは常に不完全である。それがベストなやり方だったという確信はそう簡単には持てない。もし持てたらもう次を作る気にはなれないようにも思う。出来立ての本を見ながらそんな気持ちになる。しかしそう思いつつも結構面白いなあと自画自賛。今までのワークショップ本とは二つの点が違う。
一つ目はワークショップのテーマである「αスペース」という概念が新しいこと。僕と塚本さんがこの点を最初に結構長々と説明しているが、一言でいえばある目的の建物にほんのわずか(+α)の別の目的の場所を挿入すると建築や町がよくなるといいう考え方である。
二つ目は紙面の構成が単なるワークショップの成果品の羅列ではなく学生のエスキスとそれに対する僕と塚本さんの批評を対話のように並べている点である。
多くの学生さんたちに読んでほしいと思っている。できれば読んだ感想をも送ってもらえればとてもうれしい。

●ワークショップを行ったブエノスアイレス パレルモ大学の紹介ページ

●チーム8のエスキス1日目とそれへの僕らのコメント「ファサードを作れ」

●エスキス2日目とそれへのコメント「もっとアルゼンチンらしく」

●ファイナルレビュー「アサードじゃないの?」 見事塚本賞をゲット

心安らぐ四谷の鳩

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by 卓 坂牛


理科大工学部二部の卒計は昨日が提出で今日から審査。12日が発表会。今日初めて全作品を見たが、去年より出来はいい。3つは主張がはっきりした作品があった。5つはクオリティの高い作品が見られた。とてもうれしい。去年の一部よりは見ごたえがある。教えている側としてはうれしい限りである。12日が発表会で一部二部の全教員に加え全非常勤講師15名は来られるとのこと。ありがたいことである。
山名さん呉さんと作品を見た後食事。四谷に戻るとプラットホームに鳩が一羽。とても平和そうである。心安らぐ。

透明なる社会

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by 卓 坂牛


今日は長い日だった。朝からあっちこっちで人に会い、途中、青山ブックセンターで多量のアート、グラフィック、写真、ファッションのを購入して研究室に送った。2時間本屋をうろうろしてちょっと厚めの本を物色していたら完全に腰がおかしくなった。その後とある方と裏のギャラリーでゲルンハルト・リヒターの新作を見た。なぜこれを見ることになったかというと、ちょっとした理由がある。その方とある本をお互い読んでその内容ととこの作品の趣旨が共通するなあと感じたからである。その本はジャンニ・ヴァッティモ多賀健太郎訳『透明なる社会』平凡社2012(1989)である。そもそも20年以上前に書かれた本である。ポストモダンの総括のような本であり、決定的に新しいことが書かれているわけではない。内容はメディアの発達が生み出す様々な多様性(価値、場所、生活等)の中でメディアは世界を透明にするように見せて実は不透明なカオスを作っている。しかしではそんなカオスがいけないかというとこのカオスだからこそ我々はある一つのオブセッションにとり憑かれることもなく自由に放たれて生きていけるのだとこの時代の状況を肯定的にとらえた書である。だからこそタイトルも不透明な社会ではなく、逆説的に「透明な社会」としてポジティブな響きを持たせている。
今更もろ手を挙げて著者に賛意を表するまでもないが、ポストモダン的な多様でカオティックな社会を否定するつもりも全くない。明日は今日から始めるのが僕の主義でもある。ただ彼流の弱い思考(複数性と不完全性の肯定)には少々飽き飽きしているところもある。ちっとは頑固な親父みたいにふるまうところも必要だろうと10年くらい前からは思っている。
さて話は長くなった、こんなメディアのつくる透明な世界が実は不透明なカオティックというのがこの写真のリヒターの作品にはよく表れているというのが我々の一致した意見だったのである。

作品を文章化できるまで作らない

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by 卓 坂牛


朝、家でやっとメールで送られてきた梗概に赤入れてスキャンして送り返す。事務所経由で大学へ。年末に出した人事書類が、、、、年末に上層部の人事が変わり、、、、、5通の人事書類作り直し、、、、とほほ、、、の仕事始め。卒計のエスキスをして自室で雑用メール。
年末買った『fashionista』no.001に目を通す。昨年座談会をしたアンリアレイジの森永邦彦さんのインタビューが巻頭に載っていた。座談会の時はテーマがコムデギャルソンだったのであまりご自分のことは語られなかったのだが、本書ではご自分の製作方法論の一部が開陳されており興味深い。制作の一番最初に彼がやることはアンリアレイジ全スタッフにメールでその服の説明文を送るということだそうだ。決して会って説明するのではなくメールで説明文を送る。そしてその説明文は最終的なプレスリリースになるのだと言う。これはすごいことである。建築の場合最初のコンセプトの文章が最後までそのまま残るということはおそらくとても少ないのではないだろうか?もちろんその核となる一言二言は残るにしても、、、、、、、
そして森永氏は翌日スタッフの理解度を確認する。それはスタッフを試しているというよりかは自分の言葉を鍛えるためのようである。そしてその文章を送った時には既に作り方から、素材から、全体の造形イメージまでだいたいできているのだと言う。そんな簡単にできちゃうの?と思う向きもあるかもしれないが、逆にそこまで言葉ができていないと作らないのだとも考えられる。ファッション界では稀有な言葉を大事にする彼ならではという気がする。

人を呼ぶ方法

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by 卓 坂牛


午前中は冬休み怠けていた翻訳再開。午後は大学で頼まれていた原稿を思い出して一気に終わらせる。夕方今年最初のジムで少しハードなエクササイズをしたらちょっと疲れた。夕食後堺屋太一の『人を呼ぶ法則』幻冬舎2012を読む。しまったこんな本買うんじゃなかった。大阪万博から上海万博までの自慢話の羅列だった。一つだけ面白いことが書いてあったそれはアトランタの開発をしたアラン・フォーバスの主張する人を呼ぶための6つのアトラクティブス。このうち3つ以上は必要というのが彼の主張。
① 歴史―歴史上の有名事件の現場や建造物
② フィクション―小説などで有名になった場所
③ リズム&ティスト―音楽が楽しく食事がうまい
④ ガール&ギャンブル―女性がきれいでスリルに富む
⑤ ショッピング―名物がある
⑥ サイトシーイング―風光明媚
あれこんなの当たり前?と思いそうだが、人を呼ぶとは観光地とは限らない。例えば大学に人を呼びたくてもこれが使える。歴史的建造物を残し、だれか有名な卒業生の逸話を宣伝する(この建物で卒業試験を受けたとか)。学食の食事をうまくする。生協で売るものをハイティストにする。キャンパスの並木を整備し、楽しい音楽イベントなどを多く行う。これで全然違う。世界の大学はこういうこと必死にやっている。なかなか日本はこういうことは本末転倒だと言ってやらないけれどね。もうやっているところはやっている。

首相の年収高いか安いか?

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by 卓 坂牛


夕刊を風呂で読んでいてこの記事に目がいった。「へー、ドイツ首相の給与は安いもんだなあ」と思ったのだが、記事の内容は「安い」と言った前財務大臣が批判されているというものだった。しかし僕は一国の主くらいはちょっとした企業の社長よりかは給与をもらったっていいと思う(文句をつけたいのは議員である)。日本の首相の給与もネット情報で見る限り昨今ではドイツより低いようである。しかし給与と年収にはおそらく大きな差があるはずである。例えばオバマも給与は40万ドルだが2010年の確定申告した年収は172万8096ドルだそうだ。日本の首相も給与以外に文章通信費というのが年に1000万以上無税で支払われる。講演、著書などの収入もあるはずである。そういう数字をしっかり公表してほしいものである。どう稼ごうが個人の勝手ということもあるが、公人なのだから。

長く楽しく、いつも楽しく

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by 卓 坂牛


今日から仕事始めの方も多くいると思います。本年もよろしくお願いします。私もぼちぼち家で仕事を始めています。仕事があるということは素晴らしいことだとつくづく思います。そして仕事というのは大変だけれど楽しくやりたいと思います。その意味では仕事は結局自分で自分のために作っていくものなのだなと感じます。正月にいろいろな人と会ってますますそんな気持ちになりました。
そんな悠長なことを言っていられないという人も多々いると思います。でもそういう人やそういう場所でも少しでも働くということが楽しいことだと思えるように皆で変えていくべきだと思います。
大学も同じです。勉強することが楽しいことだと思えるようになったらしめたものです。年末に4年生の卒論を見ているときその学生が「論文書いているときが一番楽しい」と言っていました。素晴らしいことです。そしてそういう学生の論文はやはり目を見張るものがあります。楽しい学生は当然ですが自分の発見をしているのです。
今日はかみさんと松坂屋でやっている書の巨匠20人展を見に行きました。まあ建築で言えば、安藤、磯崎、伊東、山本、、、、なんていう展覧会です。これを見ると毎年心が洗われます。そして会場のそばで中国の篆刻家が素敵な遊印を彫っていました。思わず一つ買いました。長楽という印です。長く楽しみ、いつも楽しいという意味だそうです。今年の目標です。

スペースジャンクション展

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by 卓 坂牛


谷中にspace junction展を見に来た。なかなか谷中は面白い場所になってきた。この建物も寺が所有して芸大生が改装してギャラリーとして使い、カフェなどが併設されるとのこと。展示自体はいろいろなフェイズがあり一言では言えないしパッと見てわかるようなものはあまりないので何とも言えない。でもこういう企画が自発的に行われる環境はいいことだ。かみさんとひょっこり来たら鈴木明さんにばったり出会った。

筑波大ラグビー劇的勝利!!!

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by 卓 坂牛


数年ぶりに大学対抗ラグビーの準決勝を見に来た。12時から第一戦早稲田対帝京。早稲田は今年は対抗戦4位と不調。一位の帝京にものの見事に完敗である。全体のレベルも帝京が上だけれど、外人選手二人がすごいパワーである。留学生選手枠を設けないととんでもないチームができてしまうような気もする。しかしこれから大学の生き延びる道として海外からの学生を入れる傾向はますます高まるだろう。第二戦は筑波対東海。筑波大の前身である東京教育大の付属出身としては筑波の快挙はやはりうれしい。ラグビーが準決勝まで進んだなんて言うのは何十年ぶりだろう。前半風下に立たされた筑波はツートライツーゴールの差をつけられ後半、風上に立ちワントライ差まで詰め寄るも残り5分でトライをとられもうだめかと思ったが残り3分で相手キックをチャージしてそのままトライ。劇的な逆転劇である。あースカッとした。筑波おめでとう。いい試合だった。