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Oct 2013

リナ・ボ・バルディの建物でブラジル建築のレクチャ

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by 卓 坂牛

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朝サンパウロ大学のウゴ・セガワさんがホテルに迎えに来てくれた。いくつかの建物を見て回りその後リナ・ボ・バルディのsesc pompeiaなる建物に連れて行ってくれた。これはレンガ造りの30年代の工場をコンバートして展示施設、ホール、ワークショップ、レストランにし、更に隣接してコンクリート打ち放しのスポーツ施設を併設したものである。彼女を有名にしたのはもちろんサンパウロ美術館だが、この建物は市民に愛されている感じである。ここで昼をとりウゴさんにブラジル建築の講義をしていただいた。

ニーマイヤーのコンクリートは紙のように軽やか

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by 卓 坂牛

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今日は車を一台チャーターして朝からニーマイヤー漬け。その結果ニーマイヤーはカルトラーバのように必ずしも構造的な合理性でデザインをしているのではないと感じた。一見構造的に見えてもよくよく考えるとこれは装飾だなと感ずるところが多々ある。でもそれでいいのだろうと思う。それにしてもコンクリートでよくこれだけスパンとばすよなあと感心する。
昼はショッピングセンターのフードコートでサラダを食べた。数十種類ある野菜やキノコやヤシの芽などから好きなものを選んでミックスサラダにしてくれる。これが僕にとってはめちゃくちゃ美味しいのだが、見ていると地元の人はあまり食べていない、ブラジリアに来ている他国の健康志向の外交官たちが注文しているようである。
午後は3時に予約していた外務省の見学。あの有名なコンクリートのらせん階段を見る。本物は写真よりいい。ガイドが言うにはこの階段に手すりが無いことについてニーマイヤーは3つの理由を挙げたそうだ。一つはこの階段はアート作品であること。二つ目はこの階段は幅が広いので真ん中を歩けば危なくない。三つ目はこの建物にはエレベーターも別の階段もあるので心配な人はこの階段を使う必要はない。幸い今まで落ちてけがをした人はいないそうである。おおらかな国である。

ファベーラはもはや無法地帯ではない

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by 卓 坂牛

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ファベーラ(南米のスラム)の観光ツアーがある。日本で言えば山谷ツアーである。3時間で1万円強。3時間と言ってもツアー参加者のホテルを回ってピックアップするのに1時間。終わってホテルに送り届けるのに1時間なのでファベーラの中を散策するのは正味1時間。それで1万円とは少々ぼってる。とにかくブラジルは物価が高い。感覚的には日本と同じかモノによっては日本より高い。アルゼンチンから来るとぐっと高くなった感じがする。
ファベーラの中はもっと汚く、もっと危険な香りがするのかと予想してきたがさにあらず。いっしょにきたスイス人のおばさんも南アフリカのこういうところは比べ物にならないほどだと言っていた。
ファベーラはどこの国でも違法無法地帯で電気も水道も違法に他の場所から引き込まれている。そしてそのお金は政府が払っている。彼らを見殺しにはできないと言うわけだ。そしてあまりに巨大で(ちなみに僕らが見に行ったところは人口20万人)クリーンアップして作り直すお金などとてもない。そこで政府はファベーラは残し、少しずつ改善する道をとることにした。このファベーラも下の方にファベーラ住民のためのスイミングプールや学校がある。また中心部には政府の作ったハウジングもある。建築家としてそれに取り組んでいるのが、コロンビアのメサやチリのアラベナである。パレルモ大学の課題もファベーラの改善スキームであったのを思い出す。