昼ころ大学へ。久しぶりの雨である。午後いろいろと雑用をこなす。さっさと終わらしてワインでも飲みたいと思っていると、昨日のワインを思い出した。昨晩のディナーにはスペインのワイン会社輸出マネージャーが同席していた。スペイン大使館の文化参事官は私が南のワインを好きなことを知っていて彼女に是非スペイン南部のワインをお勧めしろと早口の英語で言っていた。すると彼女は銀座の「スペインクラブ」というスペイン料理屋で土曜日に試飲会をするので是非どうぞと言う。When?と聞くとにっこり笑ってIn the morningと言う。僕は朝から酒は飲まない主義なのでというと周りの人が笑う。In the morningの意味は朝じゃなくてランチの前までを指すと言う。そして彼らのランチは2時ころなので要は一時ごろということ。なるほど。ランチの食前酒なら分かる。文化参事官は横から口を出してきた。スペイン人はクレージーで昼からビールでもワインでも平気で飲むし下手するとウィスキーだって飲む。これじゃ午後は仕事にならない。彼はラテンらしからぬアメリカ的な気質の持ち主である。僕が毎朝ジョギングしていると言うと一緒に走ろうと言う(と言うわけで、来週ペニンシュラ前で会って皇居をジョギングすることになったのっだが)「いつも走っているの?」と聞くと。なんとこの5年間に4回フルマラソンに出場していると言う。いや参った。
組織の中では働いているのは2割で残り8割は遊んでいるとよく言われる。その8割を個別に働かせるときちんとした成果を出すのだが集団に入れると手抜きをする。大学にいると別にそんなことを意識しないが日建にいた時はよくそう思った。
釘原直樹『人はなぜ集団になると怠けるのか「社会的手抜き」の心理学』中公新書2013を読みながらそんな一般論を思い出す。そして自分も研究室や事務所と言う集団を統率する人としてどうしたらいいのだろうと思う時もある。とは言え人間社会に100%を期待するのは無理だし、ルーズな人間がいるから組織が硬直化しないというのも一方の真理だと思っている。なので研究室には80%事務所には90%程度しか期待しない(これでも結構目標値として高いはず)。
とは言えこの数字は放っておくとぐんぐん下がる可能性があるのである程度は集団の社会的手抜きに気を付けなければならないのだが、どうもそれを封じるもっとっも良い手はリーダーがしっかりすることのようである。
その場合のリーダーの資質は
① 部下の理想の人物として尊敬されること
② ビジョンを提示しその達成可能性を伝えること
③ 自発行為を促し失敗の責任をとること
④ 部下の良き相談相手となること
これを見てああリーダー失格と思ったあなたは大変謙虚。私も自信を失いました。