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May 2014

世界は進んでいる

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by 卓 坂牛

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森口将之『パリ流環境社会への挑戦―モビリティ、ライフスタイル、まちづくり』鹿島出版会2009を斜め読み。世界は進んでいるなあと改めて感心。自動車派だったシラク市長の後を1995年に継いだチベリ市長は自転車道が58.7㎞しかなかったものを次の年に110㎞に伸ばし2001年までに約5倍の256㎞にした。その後のドラノエは2010年までに439キロとその倍近くまで伸ばしただからこそ2007年に始まったヴェリブ(貸自転車システム)は成功したのである。さらに言えばヴェリブが始まった時にすでに750か所に自転車ステーションがあり2008年には1000か所近くあるそうだ。インフラを整えないと自転車都市はできないということである。しかも料金体系が素晴らしい。年間の会費が29ユーロで使用量は30分まで無料なのだそうだ。家から駅まで、駅から職場までほぼ無料で行けるように考えられた料金体系とのこと。

学生案から一歩出る

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by 卓 坂牛

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○御茶ノ水駅改修案こちらから向こう側が透けているところが魅力
午前中事務所で図説。遠路はるばるありがたい。午後一でレモンの卒計展を見に明大へ。昨日は坂本先生等の審査が合ったようで各賞が決まっていた。じっくり見てコンセプトを知って評価するのと、僕のようにたかだか1時間見て「いいな」と思うものはだいぶ違うようである。僕は御茶ノ水駅の改修案と言うのが気に入った。
2時に神楽で院生とプロジェクトゼミ。今回は前回の完成された案を一度壊すことを指示し敷地と一体となる案を創るように言ったのだがなかなかそれができているものは少ない。とは言え3回のゼミで案は亀のようだが少しずつ進歩している。無駄がそがれやっと学生案からは一歩抜け出た感じである。来週は多田さんを迎えて構造のエスキスを行う。
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○ちょっと篠原先生のような
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○チョコバーみたいな

着彩白黒写真

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by 卓 坂牛

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昼は東工大の3年生の製図を見て夜は理科大二部の4年生の製図を見る。今日は元気だったので夜までなんとかエネルギーが持った。
夜の製図で丸の内を敷地に選んでいる学生が歴史のリサーチで倫敦一丁の写真を見せてくれた、おっとこんな時代(20世紀初頭)にカラー写真があったのか!と呟いたら横にいた栢木先生がこれは白黒写真の上に着彩ですと教えてくれた。さすが歴史の先生は違う!!

アルゼンチン建国記念日のお祝い

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by 卓 坂牛

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台湾はハードな旅程で普通なら4日くらいかかるところを2日で見て回ったような旅だった。そのせいで今日は疲れが抜け切れないのだが午前中は教室会議、午後はゼミ、続いて新宿アートの打ち合わせ。夜はスーツに着替えてアルゼンチン大使館での建国記念パーティーへ。200人くらいの人がごったがえしていた。アルゼンチン大使の長―いスピーチを受けて日本側のスピーチは外務副大臣くらいがするのかと思いきや三菱商事相談役の佐々木幹夫氏が行った。アルゼンチンと三菱商事の関係の深さがうかがえる。そう言えばサッカー部の先輩だった故諸橋晋六三菱商事会長がその昔は日本アルゼンチン友好協会の会長を務めていたのを思い出した。お二人のスピーチを聞いていると何と言っても外交の主役は政治、経済であって文化はちっとも出てこないのはちょっとさびしかった。大使とお話しして自分はブエノスアイレス・ビエンナーレ国際建築展の招待建築家ですと自己紹介したけれどブエノスアイレスビエンナーレの存在もあありご存じないようだった。というわけで出席者は財界、政界の方が多いと思われた。と言っても外観で分かる方は海江田さんくらいだったが。
アルゼンチン大使館文化参事官ファビエール、セルバンテスの館長アントニオ、ベネゼエラ大使館文化参事官モリースらとお話しをした。モリースに紹介されたべネゼエラ大使は日系で外見は完全な日本人だったのには少々驚いた。

台北のきれいな橋

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by 卓 坂牛

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6時に起きてホテルの周りを走る。8時半にロビー集合。篠原さん、萩原さん、柳澤さん、宮さんは別行動、武田さん、石黒さん、木島さん、吉松さん、山家さん、奥山さん、石田さん、酒向さんはタクシーに分乗して北へ、使われなくなった金精錬所の建物が丘の上遺跡の如く張り付いている。なかなか素晴らしい。金鉱跡地には遺稿を集約した博物館があり敷地内にはきれいな曲線を描く橋が架かっていた。午後は九分(20世紀初頭にできた山に張り付いたアメ横のような商店街)を見てから台北市内に戻りタバコ工場の再開発を見る。工場と倉庫が商業施設、展示場にコンヴァーションされている。リオで見たリナボバルディの工場コンヴァージョンのようである。その脇には伊東さんの設計した商業、ホテルのコンプレックスが建っていた。夕方の飛行機で羽田に戻る。

台湾建築視察

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by 卓 坂牛

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始発の中央線で羽田へ。7時の飛行機で台北へ。機中、林央子、高橋瑞木、児島やよい、高橋律子、藪前知子『わたしを変える‘’アートとファッション‘’』パルコ出版2012を読む。その中で林さんは「90年代以降のクリエィティブファッション」という文章を書き何度となく青木淳さんの文章を引用し、「既にそこにあるもの」という概念を多用する。最近僕の中で気になる言葉となりつつある。
台北に10時前に着き10時半頃竹中工務店の方など昨晩から台北に来ているグループと合流。全部で20人を超すグループがバンのタクシー4台に分乗して先ずは台湾大学の竣工したばかりの図書館、講義棟へ向かう。設計は伊東さん。その昔小布施の図書館で提案していたジョンソンワックスのようなキノコ柱による構造である。低コストでここまで作るのはさすが。次は南下して竹中がコンペで取った台湾客家文化センターを視察。30000㎡の大屋根で覆われた下にはめ込まれた二つのホール、図書館、会議室、展示室などのコンプレックスである。ランダムに飛ぶ構造体が圧巻である。そして更に南下して伊東さんの台中オペラハウスの工事現場を見学。あのリゾーム状の空間が現実に出来上がっているのに驚く。現場の藤江さんにそのリゾームの建設プロセスをムービーで見せていただく。鉄板の上に描かれた曲線に沿って組まれた鉄筋を立体的に溶接してその両側をメッシュでふたをしてコンクリートを流し込んで作られている。ホールなので部分的にリゾームは閉じられているものの部分的に現れる連続洞窟空間には今までにない空間を感じる。

始発

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by 卓 坂牛

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4年プレディプロマの提出と講評。ライノとフローデザインを使った最初の試みだったけれどまだまだうまくいっていない。そもそもデザインを志向する人たちが使って始めて生きるソフトなのである。デザインへの執着が見られない。
帰宅し台湾行きの準備をしてからさっさと就寝。3時半に起きて四谷へ。駅は未だホームに降りられない。始発に乗るのは初めて。

東工大で課題

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by 卓 坂牛

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東工大3年生を連れてリーテムへ。さてどういう案ができるか楽しみ。

ヴィジュアルリサーチ能力

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by 卓 坂牛

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4年のプレデイプロマでリサーチしたことをビジュアルに示せとリクエストしているのだがなかなかできない。できないのはやり方を教えていないからだと反省もする。低学年のうちにビジュアルストーリーテリングというようなプレゼンテーションの基礎を教えなければいけないのだと思う。でもそんな時間割が組めない。他のエンジニアリング系授業が多すぎる。うーん。
一方リサーチをして来いと言うと学生は古地図を調べ、歴史を調べ、概念的なお話を並べる。もちろん周辺状況の写真を撮ってくるのだがおまけみたいだ。でも僕はお話よりもそこにある目に見えるものの方が大事だと思っている。古さではないそこにあるものが重要だ。
ファッションの本にFashion Design Resourceと言う本がある(Robert Leach 桜井真砂美訳『ファッションデザイン・リソース インスピレーションを得るためのアイデアソースと実例集』ピーエスエヌ新社2013)。この本では最初にアレキサンダーマックイーンがこう書いている「ファッション・デザイン教育において、もっとも必要な教育は、徹底的なヴィジュアル・リサーチ能力だ。それが無ければデザインは存在しえない」。もちろんこのリサーチはデザインのリソースを見つけ出すリサーチであり、建築の敷地リサーチとは少々異なる。しかし建築のデザインもそのリソースが敷地にもあるとすれば(僕はそう思っているが)その観察は極めて大切なはずである。敷地のヴィジュアルリサーチ能力は建築の最も重要なことの一つである。と授業では散々言うのだが、伝わらない、、、、