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Aug 2014

人間の条件を読んで建築の条件を考える

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by 卓 坂牛

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アーレント「人間の条件」の概説書を読んだが厚くてなかなか手ごわい本だった(仲正昌樹『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』作品社2014)。正直読破は諦めた。途中からかなりの飛ばし読みである。この本最初に驚いたことがあった。それはこの本は講義録なのだが、その講義が行われたのは連合設計者市ヶ谷事務所なのである。この事務所のことは名前しか知らないが、面白いことをする事務所もあるものだ。
アーレントが言うように、この人間の条件で書かれていることは人間存在に不可欠な特質を構成するものではないのである。そうではなく人間が生きていくうえで行わざるを得ない営為としての労働、仕事、活動をはじめ人間の生きていくための必要条件が描かれている。そうした点で言えば僕がこれから描こうとしている建築の条件におけるジェンダー、消費、視覚、主体、倫理、階級、世界性というような問題系はまさに建築存在に不可欠な特質を構成するものではないのであり、現代において建築を考える上での必要条件なのである。
先日そんな話を坂本先生として、そうした建築の条件の殻を突き破るのが僕らの仕事だと思うと言ったら頭から否定された。そんな条件を突き破れるわけはないだろうと言われた。そうではなくそうした条件と無理なく付き合うことが建築なのだとおっしゃるのである。うーん。

壮行会

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by 卓 坂牛

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娘が明日から2か月旅行に行くというので壮行会。近所の行き着けのイタリアンへ。2か月で15か国回るという。行先は東欧。聞いた国名の中で僕が行ったことがあるのはチェコとオーストリアだけだった。後はニュースでたまに登場するような国ばかり。西欧とアメリカが文化の中心だという文化の枠組みの中で育てられてきた日本人はさっさとそういう幻想を捨てなければいけない。そういう意味ではこういう旅行の仕方はちょっと魅力的。大学辞めたらぜひやってみたいことの一つである。

伊東豊雄のダブルスタンダード

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by 卓 坂牛

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スタッフの佐河君に借りたユリイカ7月号が机の上にあるのを思い出させてくれたのは昨日お会いした坂本先生。飯島洋一の「「らいし」建築批判5」が特別寄稿されている。5とついているのだからこれは飯島の連続寄稿の5回目であろう。この連載が最近の著名建築家の徹底批判であることは聞いていたが実際読んでみるとそれなりに筋の通ったわかりやすい批判だし、皆がすでに口にしていることでもある。この5号で批判されているのは伊東豊雄の被災地とその外での作風のダブルスタンダードについてである。被災地では作品は作らないと言ってクライアントを大事にして風土を貴ぶのに被災地の外では作品を作り個性を前面に出す。隈はこんな伊東の振れ幅の大きさをイクストリーム主義と呼び結局被災地でも作品創っているのだと喝破していた。つまり被災地の中であろうと外であろうとアイコン創っていることに変わりないということである。同じアイコン創るならザッハのように世界中に同じアイコン創るより場所と歴史を見抜いたアイコン創る方がましである。しかしそうなればもはやそれはアイコンではないのだろうか。

7月例の会、坂本先生ご健在

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by 卓 坂牛

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●江古田の集合住宅のケーキ?
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●ご挨拶する先生
坂本研のOB会であり先生の誕生日会でもある7月の例の会が先生の設計した東工大蔵前会館で行われた。久しぶりの人もいれば、よく会う人まで100人くらいにお会いした。恒例の先生近作のお話があった。中国の3都市、日本の2都市でプロジェクトが進行中。その量と質に驚いた。大学やめてますます素晴らしい。2次会では私が勧めている「建築の条件」の話をさせていただき共感された。ユリイカの飯島さんの文章の話になりあれはまさに建築の条件問題だとおっしゃっていた。早く読まねば。この会も幹事が上のOBから初めて
一番若いOBまで行き着いた。というわけで初代修了生である私は来年の幹事である。

ワインを入れたカートが転倒

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by 卓 坂牛

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家の近くにイオンがやっている酒屋さんがある。時折帰路そこによりワインをまとめ買いして宅配してもらう。数か月前からお手頃のアルゼンチンのマルベックがなくなってしまった。いつも行くたびに今日は入っているかと期待するのだがない。今日もそんな気持ちで行ったがやっぱりなくてチリのマルベックがあった。仕方なくそれを5本ほど3輪カートに乗せてさあレジへ行こうかなと動いた瞬間バランスを崩し、カートが転倒。さらに悪いことに転倒したカートはワインの棚の側に倒れ掛かった。倒れてからボトルが割れてワインが床を真っ赤に染めるまでまるでスローモーションのようにゆっくりと画像が網膜のスクリーンに映しだされていた。すぐさま店員さんが来てくれてモップでふき取ってくれたのがおそらく3本くらいは割れていただろう。
こんなことはもちろん生まれて初めてなのだが、なんで転倒したのだろうか?3輪というのがバランス悪いのだがそれにしても、、、、弁償しますといったのだが、、、、お気になさらずということだった。安いワインだからよかったけれど、、、ああ恐ろしい。