Archive

Jun 2015

Google vs トヨタ

On
by 卓 坂牛

image.jpg
軽井沢までの車中、泉田良輔『Google vs トヨター「自動運転車」は始まりにすぎない』角川epub選書2014を読む。昨今自動車業界開発ポイントは省エネに加え自動化に重きが置かれている。その理由の一つは、高齢化する社会で車を売るためには若い人の市場より、高齢化して運転を諦める層を再度連れ戻す方が合理的だからである。その時重要なのが安全性である。更に言えば自動化。行き先をインプットすれば運転しなくても到着するビークルが生まれたらかなりのマーケットが現れる。そこで重要なのは情報インフラであり、グーグルはそこに焦点をしぼり、世界一の売り上げを誇るトヨタももちろんそこを模索している。そして都市デザインもそれに合わせて変わると著者は言う。
この考え方は車に乗らないでも住む社会を作ろうとする発想と対立する。恐らくコンパクトシティとオートビークルシティはケースバイケースで選択されるようになるのだろう。。

analogy と homology

On
by 卓 坂牛

51d6teFXYUL%5B1%5D.jpg
植物系統分類学に二つの概念があることを知った(伊藤元己『植物分類学』東京大学出版界2013)一つはhomology(相同性)もう一つはanalogy(相似性)である。この概念の差は、それぞれ二つの別々の植物に似た特徴がありそれがその親に見いだせるものをhomologyと呼び、その親には見出せないものをanalogyと呼ぶのだそうだ。たとえば篠原スクールでその弟子たちの作品を見るならば、伊東豊雄も長谷川逸子も白い抽象的な空間を作る。これは篠原抽象空間に遡れるものでhomologicalな特徴である。一方伊東も長谷川もそれらをわりと柔らかい曲線の中で使っていた(中野本町の家、柿生の住宅)。これはanalogicalな特徴といえるわけである

大きくて驚く

On
by 卓 坂牛

150618%E5%86%99%E7%9C%9F.JPG
家、事務所、大学と移動するので信州大学時代から、デスクトップコンピューターは持たず、ノートを持ち歩いてきた。それも原因しているのだろうがコンピューターがよく動かなくなった。ハードディスクに振動は禁物なのだろうが、モバイルなのだからそう簡単に止まるなよと言いたくなる。
しかし去年からデーターは90%ドロップボックス化してきたのでもはやノートを持ち歩く必要はない、、、はず、、、ということで研究室に新しいデスクトップ登場。僕がいる時は僕専用。いない時は学生専用。
それにしても10年ぶりでデスクトップの大きな画面見て大きくて驚く。

勝浦

On
by 卓 坂牛

image.jpg
1ヶ月ぶりに勝浦の現場へ。クライアントの車に便乗させていただく。朝方は雨も降りそうだったがほぼ一日快晴。梅雨の切れ目の暑い1日。現場に着く手前の魚料理屋で昼食。カマスの焼き物定食を頼んだら2尾出てきて驚いた。1時に到着。断熱材も入りそれが吸音となり建物内はしーんと静か。外装のタイベックスが貼り終わりレッドシダーを貼り始めていた。この建物は入口を入った所に、天高3.5メートルの壁、天井ピンク色のギャラリーが特徴的。もちろんまだ塗装はされてないが空間は見えて来た。

中野グラフィクスの真骨頂

On
by 卓 坂牛

%E5%87%B8%E7%89%88%EF%BC%91%EF%BC%95%EF%BC%90%EF%BC%96%EF%BC%91%EF%BC%96%E5%86%99%E7%9C%9F.JPG
午前中建築グラフィックスの打ち合わせ。徐々に全貌が見えてきた感がある。卒業設計が始まる前には出したいですね!!午後この本を一緒に作っているグラフィックデザイナーの中野豪雄さんが出展されているグラフィックトライアル2015を見に凸版印刷博物館P&Pギャラリーへ向かう。永井一正さん、高橋正実さん、栁沢和さん、そし中野豪雄さんの4名が凸版のプリンティングディレクターと共同で新たな表現に挑む文字通りのトライアルである。まさに実験的な表現が並び息を飲む作品群である。中野さんの作品は3.11後の世に出回る情報の種類、属性、話題性を色、大きさ、距離を用いて表すもので数学的グラフがアートになったという画期的なものである。中野さんらしい。

未だに昼光色が多いのには驚く

On
by 卓 坂牛

150615iidabashi%E5%86%99%E7%9C%9F.JPG
月曜日の授業は夜9時10分に終わる。終わって外に出ると外濠の逆側に最近できた不愛想な高層ビルが二本眼前に聳える。一本はオフィスでもう一本はレジデンス。このレジデンスの方が夜見ると実に愉快。今時ついている高原はLEDだろうが部屋によって色温度が違う。真っ白な昼光色の部屋から電球色の部屋までさまざま。その比率はとても日本っぽいのだが白の方がやや多い感じである。しかも煌々と明るい。日本人は本当に明るいのがお好きである。先日の甲府の現場でも最後にダウンを天井付の照明器具に換えられたけれどタスクアンドアンビエントという概念がどうしても日本人にはなじまないのである。

大きいテーブルと小さいテーブル

On
by 卓 坂牛

150614syosai%E5%86%99%E7%9C%9F.JPG
午前中残りの原稿修正に集中。終わったーー嬉しい。午後は明後日のミーティングのための資料作り。書斎を抜け出し、誰もいない広間の大きなテーブルの上に資料をずらっと並べて考える。大きなテーブルと広い空間はやはり頭を刺激してくれる。大きな場所と小さな場所を行き交うといいのかもしれない(贅沢だが)。夜マンション理事会。もう5年もやっている理事だが死ぬまでやらなければいけないのだろうか???トホホ。

ふっくら見える

On
by 卓 坂牛

150613moribi%E5%86%99%E7%9C%9F.JPG
朝から必死で原稿の修正。先週空いた時間に赤入れをして週末までに終えたので今日一気に直そうと必死にやったが6章の前で4時半。あわてて森美術館に行って「シンプルなかたち」展をみる。空飛ぶ絨毯のような宙を舞う布など。シンプルって何?が面白かった。その後配偶者の書を見に国立新美術館へ。5時半までに入らないと、と思って焦って着たが門に着いたのは半を3分くらい回っていた。すると警備員の方に呼び止められたのだが何とかお願いして入れてもらい無事到着。市澤先生もいらしていろいろと説明してくれた。配偶者は桜花賞という賞をとったので「どこが良いのですか」と聞くと3列の書の真ん中の列が少し大きくなっていて全体がふっくら見えるところいいとおっしゃっていた。なるほど確かにそう見える。

都心のレアな風景

On
by 卓 坂牛

150612%E8%B5%A4%E5%9D%82%E5%86%99%E7%9C%9F.JPG
朝のジョギングルートの一つに上智グラウンドの周り回遊コースがある。自宅を出て四谷駅を過ぎて上智大学の手前を右折して眼下に上智のグラウンドを見下ろしながら土手の上をニューオータニまで走り(そこを喰違見附と呼ぶ)外濠の上を横切り赤坂離宮の横を四谷駅まで戻るというものである。外濠を横切るところで赤坂見附の方を見ると土手の緑の中にカジマのビルが見え下には弁慶濠(赤坂見附脇のボートに乗れる池)が見えてくる。
この景色は都民でもあまり知られていないのでは。なぜなら、このあたりを歩行者も車もほとんどいないから。JRは学習院初等科のあたりでトンネルに入り四谷駅まで地上に出ない。丸ノ内線は四ツ谷駅の両側ですぐに地下に潜る。高速道路も弁慶濠を過ぎると地下に入る。交通インフラはこのあたりの高低差に飲み込まれて多分このあたりでは一番高い喰違見附あたりではすべて地下を走っている。加えて周囲は赤坂離宮、上智大学の裏側。あえて言えばニュー大谷旧館の玄関近くだが、ちょっとずれているせいかホテル客がウロウロしているのを見ることもない。というわけで都心のレアな風景と思われる一枚である。

盗作

On
by 卓 坂牛

150611%E7%9B%97%E4%BD%9C%E5%86%99%E7%9C%9F.JPG
原稿を書きながら、ふと盗作とはどういうことなのだろうかと気になって先日買った今野真二『盗作の言語学――表現のオリジナリティを考える』集英社新書2015をペラペラめくる。人の言葉を使うときには出典を明らかにしなければいけないということは当たり前だが、自分の言葉を使うときにも出典を明らかにしなければいけないと言う。確かに本の一章まるごとどこかに発表した原稿の加筆修正ならそうだろう。しかし大した量ではなく、尚且つ内容はかなり近くてもかなりの部分を書き換えていたらどうなるのだろうか?