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Sep 2015

タイトスケジュール

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by 卓 坂牛

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今回のアルゼンチンWSはスケジュールがタイト。というの今回は連日午前中に建築見学が挿入されていて午後はレクチャーしたり人に会う予定がはめ込まれるのでエスキスは毎日夜。というわけで夕食は連日10時頃となり寝るのが遅くでも朝は早いというわけである。体がもつかな。今日がファイナルプレゼン。

ベッカーの文化センターが驚きの空間

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by 卓 坂牛

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午前中ロベルトの親友であるダニエル・ベッカーがコンペで勝ち7年の歳月をかけて完成し数ヶ月前にオープンしたクリシュナー文化センターを学生とともに視察に行く。昔の郵便局を改装してさらに新しい部分を加えた総面積15万平米でポンピドーセンターと同じ規模。とにかくでかい。周囲の古いファサードを残してこの規模をつくるので古いファサードの内側に重機をクレーンでつり込んで内側にRCのフレームを作りファサードを支えその内側に新しいシアターを置き、その上部に美術館がつり込まれるという前代未聞の構造である。
午後ビスマンと昼食をとり大学に行く。6時半からレクチャー。タイトルはコネクションズ。今日の通訳はプロの方。45分で終わらせるためにかなり駆け足。

アルゼンチンでesmaはマスト

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by 卓 坂牛

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昨日の30度近い暑さから、今日は一転して一桁の寒さ。その上雨が強い。連日の寒暖差で皆参っている。僕はただ寒いのが辛い。その午前中にESMA 行く。ロベルトがコンペで勝ってやっと実現にこぎつけたプロジェクトである。軍事政権化にレジスタンスを拷問にかけて牢屋に閉じ込めていた建物をその姿で保存してその中に建物に触らず展示することを余儀なくされた建物である。ラテンアメリカの国々ではすべての場所で起こったアメリカが裏で工作した軍事政権のむごたらしさを展示している。
歴史に向き合う正しい姿勢が胸を打つ。コンペで勝ったロベルトに聞くとこれに関係する25の機関のうち、5つの機関はこの建物を作ることに反対したそうだ。軍と近い関係にある機関である。一緒に見ていたグアテマラのルイスはグアテマラにもこの施設が欲しいと言っていた。ラテンアメリカの国は例外なく対キューバ包囲網を形成するために軍事政権となり、国が荒れ果てたのである。だから彼らにとってアメリカは辛い存在である。
午後日本大使館にロベルト一緒に大使を訪ねる。アルゼンチンにとって日本の津波はスラムという説明に大使はとても感動していた。夜にエスキスチェックに大学に戻りつい興奮気味に話してしまった。明日が楽しみである。夕食はフェデリコとともにパレルモのステーキ屋に行く。3月にエクアドルでパビリオンを実際に作るワークショップをやろうということになる。できるかな?

ついにVILLA20に入った

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by 卓 坂牛

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アルゼンチンのスラムはVILLAという名で呼ばれる。ブエノスアイレスには30近くのVILLAがあり、それぞれ数千人から数万人の人が住む。今日の朝われわれのワークショプの対象であるVILLA20に日本チーム12人、ある全チーム30人がバスをチャーターして向かった。市の中心から約30分で到着。市の職員の方の説明を聞き実際にこのVILLAの中を大体一周した。VILLAの中は想像以上に劣悪な生活環境だった。大体のことは東京でやったWSで知っていたが、排水が悪くて水たまりが多く不衛生。そこにでかい犬が山ほどいて糞があちらこちらにほっとかれている。糞を踏まずに歩くのは不可能なくらいである。もともと平屋だった建物が流入す人の増加で2階、3階、4階、5階と積み上がりさらに小さな路地にオーバーハングしてしまいには全く光の入らない路地ができたりする。建物はすべてセルフビルドでほぼ統一的なデザイン。コンクリートの柱梁にレンガのインフィルである。これが最も安い施工法ということで自然と統一感のあるものになっているのが不思議である。残念ながら撮影は危険なのでできなかったが、見ると聞くとでは大違いとはこのことだった。予想外といえば、住んでいる住人は実に人懐こく合う人合う人「オラ」と声をかかけてくるのには驚いた。一緒に行ったロベルトはこんなことは市内では起こらない。VILLAの人間は作法を知らず危険だという先入観は破られた。彼らはもはや普通の人より礼儀正しい。と言っていた。
このスラムのエッジを改良して、周辺の一般街区と接続してスラムを社会化するのがこのWSの課題。大学に戻り最初のコンセプト作りを7つのチームにごとに行う。議論は夜まで続く。

ラ・プラタ大学にて

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by 卓 坂牛

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今日は例によってブエノスアイレス近郊のラ・プラタに学生と一緒に行きコルビュジエのクルチェット邸を見学。なんというかとんでもなく寒くなってびっくりだし凍えそう(昨日は暖かかったので油断した)。見学後昼食をとってからラ・プラタ大学に向かいレクチャーを行う。なんと、英語からスペイン語への通訳ついたし全体を40分で終わらして質問入れて1時間というのでこれは焦った。150枚くらいスライドを用意して1時間半話そうと思っていたので一気に話すことを縮めざるを得なくなった。オーディーは満員で230人入ったそうである。海外で講演会すると本当に大体の場合多くの方来てくれるのでよほどきちんと準備してくれているのだなあと感謝の気持ちでいっぱいである。
終わったとに一人の学生がやってきて僕の作品が篠原一男と同じクオリティを持っているというので驚いた。僕が篠原一男に習っていたと言ったら驚き感激していた。そういうところが感じられるのか?レクチャー後でかいスタジオで即席講評会を行い。3年生の作品を見せてもらった。若い教師陣と話記念撮影。
ちなみにラ・プラタ大学は建築学科としてはアルゼンチン1だそうで南米ランキングで7番目だそうだ。そんなレベル高いところにお呼びいただき身に余る光栄。ちなみに南米ランキング1位はサンパウロ大学だそうだ。

さあスペイン語しか通用しないよ

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by 卓 坂牛

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ジョギングして部屋に戻り、学生たちが集まってきた。地球の裏側のワークショップに10人来たのは嬉しいことである。英語もままならぬ学生に混じって一週間のワークショップをやろうと思う精神に拍手を送りたい。どうなるかわからないなんていう話をここですることも無意味だろう。どんなに優秀な大学でもそれは無理な話。とにかくほとんどスペイン語しか通用しないのだから。

街の触感

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by 卓 坂牛

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2年ぶりのブエノスアイレスに到着。ロベルトが空港に迎えに来てくれた。今回の宿は大学の近くに自分で予約したのだが着いてみたら、その昔大学が用意してくれて塚本・貝島夫妻と過ごしたアパートメントホテルの真ん前だった。なんとも土地勘が希薄である。すでに到着しいる学生、今日着いた学生たちとランチを食べる。チョリソーを食べようと思ったつもりが、スペイン語だけのメニューに翻弄されて、とんでもないステーキが現れた。午後はホテルで一休みして、昔懐かしいこの辺りをジョギングしていたら迷子になった。いや焦る。それでも少しは勉強しているスペイン語が役に立ってなんとか帰れた。それにしても道が悪いのは相変わらず。走ってわかる街の触感。

ヒューストンダウンタウンに行ってみる

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by 卓 坂牛

150905houston.jpg東海大で学会の司会を終えて成田へ。ヒューストンにたどり着く。いつかもヒューストン経由でブエノスアイレスに飛んだが、今回はトランジットの時間が少し長いので市内までバスで行ってみた。市営のバスは1.5ドルと格安。ヒューストンダウンタウンは実に殺風景で学生の頃に写真だけで知っていたポストモダンのスカイスクレーパーが数本建っていて懐かしい気分である。こうして写真だけで知っている建築の本物に偶然遭遇するということが最近よくある。実に僕らの建築の知識は場所と接続していない。
バスの終点は綺麗なボールト屋根。土日ということもあって人がまるでいないゴーストタウン状態。アメリカのダウンタウンはスカイスクレーパーが林立するだけでまったくもって人間の町ではない。

新自由主義を否定したい

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by 卓 坂牛

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新自由主義を否定的に見る本は巷にあふれているが、もちろん肯定する人もいる。そういう人を鼻から受け付けないつもりはないしそういう人がいてもいいではないかと思っていたが、ことこの問題について、現段階においてはそういう人の立場を容認する気がなくなってきた。そういう人の立場とは自らの努力と競争力で経済力もつけて地位も得ているという人であろうと思う。そういう人の立場を20年前なら認めていたと思うが、今認めると、現状の社会がかなりの程度で崩壊すると思うのである。
そもそも国家がこの政策を遂行している理由のおそらく半分以上はアメリカの強引な世界戦略に巻き込まれているからだと思う。アメリカのヘゲモニーをそう簡単に崩せない現在、アホの安部と言っているだけでは済まないわけだが、それにしてもホイホイ言いなりになっていると完全に我々の社会は崩れていくだろう。それは教育や倫理や規律で改善されることではないのである。

査読量が半端じゃない

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by 卓 坂牛

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連日の曇天にうんざり。先日軽井沢の現場所長が雨の現場でもう秋梅雨が来たというようなことを言っていたが、本当に何時夏が終わって梅雨になったんだと空を見ながら恨めしい気持ちになる。学会で著作賞の選考委員会の初日。去年より応募が多くてほっとした。しかし多ければ多いで査読する本の量が半端じゃない。5日で1冊ペースだが、そのうち15日は出張で使えないので(出張先で読む気にはなれないので)3日で1冊読まねばならない。これは時間に換算したら結構なことである。まあ仕方ないけれど。