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Mar 2016

10年ぶりのオンディ

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by 卓 坂牛

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10年前にインターンシップ学生としてOFDAを訪ねてウィーンからやってきたのがウィーン工科大学4年生だったオンディーナである。勘がいいデザインの上手な学生だった。当時山名さんに呼ばれて理科大でやった講演会を聞きに来てその後のクリティークにも出てもらったのを思い出す。ウィーンに帰り大学を卒業しRIPL RIPLの事務所に入り程なくして結婚しウィーンに住み子供が二人できて仕事をやめた。というところまでは知っていた。2年前に中川君がお世話になった。今回どこかで会う予定が旦那さんが盲腸で入院したり子供の幼稚園への送り迎えなどで定まらなかったが今晩建築写真展のオープニングセレモニーで会うことにした。10年ぶりに会ったが全く変わっていない。(ぼくは変わっただろうが)すぐにわかった。子供が病気とのことだがポジティブに生きて行くといっていた。

楽しみはランチ

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by 卓 坂牛

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たかだかワークショップの指導とレクチャーとたかをくくっていたら書類が山のようにありやたらとサインをしてその上パスポートを見たいとセクレタリーに言われたので何を見るのかと聞くとヴィザ。日本人がオーストリアに来るのにヴィザは要らないと言うとそれはツーリスト。一応働いて旅費を出す以上はヴィザがいるらしい。一体僕は何?契約書を見るとぼくは客員教授である。しかし、、、、別に給料もらうわけではないのだからヴィザがいるとは思えないが。結局結論は出ないでセクレタリーが最も簡単な策を調べることになる。
客員教授だからかどうかわからないが朝10時から1時間のランチタイムを除いて夕方6時までハードなエスキスチェック。1日の楽しみはランチ。大学そばのカフェで日替わりランチのズッキーニ。

昔ながらの居酒屋

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by 卓 坂牛

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レクチャー後に食事。チーズやほうれん草のクレープか牛の煮込みが美味しい昔ながらのビール居酒屋にまた来る。こういう場所のインテイリアを見るとロースのダークなインテリアが普通に理解できる。でもなんで彼はインテリアはコンヴェンショナルだったのだろうか?
エルンストのガールフレンドのバーバーラはドイツ語教師。朗らかで楽しい。一つのクラスに難民や東ヨーロッパ人がごちゃっといるそうだ。オーストリはは難民受け入れ数が少ないと非難されていると言っていた。確かに町であまり見かけないが。

ウィーンで不連続面は理解されるか?

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by 卓 坂牛

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昨日はは午前中、今日は夜7時からのレクチャー。「東京の不連続性」という問題について話をした。30分で話す予定が1時間になってしまった。申し訳ない。そもそもこの日本の状況を理解してもらえるのか?東京は不連続面が地形的にも歴史的にも階級的にもスケールにおいても発生しており、これを感じるのが大切であると説明した。加えて資本主義の発明である消費と情報の方向を転回するには関係のデザインが大事でありその時不連続面を感じる建築を作る可能性があると説明した。
終わってから河野先生と交流のある木構造専門のヴィンター教授が来て、少しお話をしたが僕の言っていることは難してく理解困難とおしゃり、いろいとろ話が展開。こんなえらい先生が聞きに来てくれただけでも光栄。そのひとがコメントまでしてくたのだから喜ばし。理解できないのは仕方あるまり。学生と話しても一回ではなかなか理解してもらえない。やはり、ウィーンには不連続面など殆んどないのだと思う。

本流はこっちか

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by 卓 坂牛

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昼休みに別の講評会をちょっと覗きました。うーん驚き。全てのプロジェクトは完全に水平垂直ラインのみで出来ておりそれらの1/100モデルが整然と並んでいます。唯一トップライトがエイヒレのようにデザインされたものが異様に目立つくらい。かれらの教育はとにかく四角。疑念がないのでしょうか?エルンストは先生がラッショナルな人とちょっと笑っていましたが、、、でもこれが本流な気もします。

大使来られる

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by 卓 坂牛

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WS1日目。エルンストがホテルに迎えにきてくれてウィーン工科大学の建築学科の建物に行く。建築学科は、幾つかのインスティチュートに分かれていて彼のインスティチュートはサスティナブルスペースである。彼自身はそれほどサスティナブルオリエンティッドではないのだが、彼が引き継いだ教授がそうだったというわけである。彼のインスティチュートで約1000人近くの学生の面倒を二人の教授と10人のアシスタントで見るのだそうだ。ちょっと信じられない。加えてなんと建築学科に在籍する学生は7000人。入学試験を課していないから学生数は多いが卒業できるのは2割程度だそうだ。
ワークショップの初日は駐オーストリア竹歳日本大使が来られてお話しされた。竹歳大使はもともと国交相の事務次官をなさっており都市計画に精通された方である。というわけで日本とオーストリア(理科大とウィーン工科大学)都市、建築の問題を共有することに応援をしたいと述べてくださった。ありがとうございます。

ウィーンバロック

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by 卓 坂牛

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ウィーンではあのカールキルヘのバロック楕円に圧倒される。ベルベデーレもシェンブルンもバロック楕円が庭園に散見される。だから、、かどうかは分からないが、現代建築の楕円も手が込んでいる。腰壁部分の帯が変幻自在に傾きを変える。

クリムトの魅力

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by 卓 坂牛

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今回のWSは学生が100人以上いるようで、毎日が戦場らしい。というわけでそんなに自由になる時間がなく初日の今日(日曜日)だけがゆっくりできると知り。建築を見るのはほぼ諦めて、徹底してクリムトとシーレを見て回る。ベルベデーレ宮殿のクリムトの部屋は圧巻である。行ったり来たりして4回くらいみて、模写してそれでもなぜこの絵がここまで魅きつけるのかその答えがなかなか出ない。その一つの理由は(建築家が考えそうな)抽象的な部分と具象的な(写実的な)部分が微妙にコラージュされている。粗な部分と密な部分がこれも微妙に混合している。画面に様々な技法が散りばめられている。人間がとりそうでいてとれないポーズを描いている。そんなことだと思う。
抽象・具象、粗・密は十分建築に応用可能である。

ゴールデンウィーン

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by 卓 坂牛

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昼の飛行機でモスクワ経由ウイーン。モスクワまで10時間。モスクワから3時間。ウィーン空港ではクリムトに迎えられる。前に来たのは1983年。バーゼルから夜行寝台特急で来た。なので飛行場は初めて。無事エルンストに会え、無事荷物があった。ヨーロッパ中心にやってきたのはひさしぶりである。ホテルはエルンストがとってくれたゼセッションの脇。金色が似合う国である。

都市の狭間の建築化

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by 卓 坂牛

いいところまできたんだけれど英語の原稿にまでたどり着かない。これは飛行機の中でやりますか。一昨日、ウィーンでやるレクチャーのサマリーをネット上に載せるので送って欲しいと頼まれた。そんな、、、、そもそも日本語でやるとしたってまだ整理付いていない話なのに、英語のサマリーは無理無理。本日やっと二つのレクチャーをリンクさせる5000字の日本語の文章を書いてみた。まあまあ納得のいくような話にはなったのでさてこれを早急に英語化したいところである。
ところで話の筋書きは、フレーム建築の他者性に3.11と中心市街地空洞化の話が入り建築は人を受け入れるものと考えたときに、αースペースにたどり着く。αースペースが人々を受け入れ都市のパブリックネスを上げる。ところで社会学的見地から資本主義を完成させたものとして消費化と情報化が指摘されているが、この二つは人間の本能につながるものとして否定はできないが資本主義の矛盾を排除するためにも転回が要請される。そこで消費の脱物質化、情報の脱対象化が望まれる。それを建築に照会するとき、αスペース特に改築のαスペースには脱物質化と脱対象化が内在する可能性が高いことに気づく。
こうした建築の脱対象化すなわち建築と建築外の關係性に着目したとき、都市の狭間と建築の関係に建築を見る新たな視点がありそこに建築を操作する上での新たな方向性があるのだろうと考えている。そんな話をウィーンでするために今日も近所を撮影してみた。都市の狭間シリーズである。こういう場所をもう少し都市に開示する形で建築化できないかと考えているのだが。
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