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Apr 2016

建築写真

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by 卓 坂牛

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勝浦の家のべたが送られてきた。竣工したての写真を見るといつも、思ったよりいけていると思う場所と、もっといい場所のはずだったのにこの程度かと思うところが出てくる。最近できた三つの建物のどれでもそういうことが起こる。今回の勝浦では思ったより寝室が良く撮れている一方で広間がそうでもない。、もちろんそれは2次元的な写真としてそうなってしまうのであり、体感は写真の良し悪しに合致するものではない。しかし僕らは他の人の建築を写真で見るとき体感を想像して見ることはとても難しい。写真抜きで図面だけで見るとかろうじてそういう想像ができるが写真が入ると写真にやられてしまうのである。困ったものである。

次の翻訳本を考える

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by 卓 坂牛

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次の翻訳本を考えている。今度もコンクリートと同じメンバーでやりたい。これはなかなか息のあったチームである。みなの意見を聞きながら最も面白そうな本を選びたいが、さしあたり僕には二つの本が思いついた。
一つはソーシャルデザインのバイブルのようは本である。これは2008年にMOMAで行われた展覧会Small scale big change (小さなもので大きな変化)のカタログである。ここにはソーシャルデザインの歴史と考察、事例と解説が載っている。簡単な本だがヴェネチアでもソーシャルがテーマなのだから時代的な資料と言える。まあ建築家がどんどん小粒になっていく時代にそれを拍車をかけるようなことをしたくないが、簡単な本だから1年で訳してしまうような勢いでこれに手をつけてもいい気がする。
もう一つはあのデコンの展覧会1987(これもMOMA)の実質的なチーフキュレーター(名目上はフィリップ・ジョンソン)だったマーク・ウィグリーの2015年の新刊で「バックミンスターフラー 電波時代の建築」である。電波が建築を変えるという話は僕は彼から直接この2月に南京で聞いていた。これにバックミンスターフラーがどう絡むのかはとても興味深い。
前者は建築を萎縮させるような話であり、でもリアリズム。後者は建築をより拡張するような話だが、ヴィジョナリー。さてどちらが有効か。そして今必要か?前者をサクッと訳して後者をゆっくりやるというのはどうか?

理科大宇宙教育

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by 卓 坂牛

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今朝の朝日新聞に理科大の宇宙教育の話が掲載されている。向井千秋さんを副学長に招き、彼女は国際化を1年担当し今年から宇宙教育へと理科大の視野の拡大の屋台骨を背負っている。
何事にも手厳しい配偶者は宇宙教育をする前に若い子に教えねばならぬことはもっとたくさんあるでしょうという顔をしているが、それはもっともとはいえ宇宙教育に僕は意味を感じている。それは日本を出てglobe(地球)を見て歩くことで日本が見え日本という「ネーション」にこだわることの意味と無意味が分かるという理屈の延長上にある。本来globalizationとは国際化ではなく地球化であり、我々はみな地球人であることに考えを寄せればグローバリゼーションも有意義なものになりうることである。
それを敷衍して考えれば宇宙に出て行って地球を見れば「グローブ」にこだわることの意味と無意味が見えてくると思える。南北が東西が意地をはりあってきた歴史の悲しさに気づくはずである。その意味で同じ理科大人として宇宙教育の哲学に大いに期待したい。

zahaの図書館

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by 卓 坂牛

CIMG3442.JPG4月から知り合いの建築家が新たな教職の場についたと聞きます。若松さんが前橋工科大、加茂さんが名工大、柳澤さんが関東学院大、藤村さんが芸大、皆さんがんばってください。私は理科大で継続的に教え、東工大の非常勤を終わりにしてウィーン工科大学でも客員で少し教えます。そのウィーンで3月見た建物の中でとてもいい出来だと思ったのは昨日他界したザハの設計によるウィーン経済大学の図書館でした。谷さんが図書カードを作ってくれたのでその隅々まで見ることができました。形態が無理なく読書空間となりそして広がりとゆとりが生まれています。ウィーンに行く前に松田達くんがFBで良いと評価してくれたので行ってみることにしたのですが、その通りでした。ザハの建物はあまり見たことがなかったのですがこれは素晴らしい出来だと思いました。

せいぜい100

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by 卓 坂牛

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午前中銀行に行ったり郵便をだしたり雑用をしてその後事務所でパワポデーターを作成。コンピューターとにらめっこしていたら一日が過ぎてしまった。疲れたのでつげ義春の『新版貧困旅行記』新潮文庫1995を読んで旅をした気になってリラックス。つげは漫画も面白いけれどはるかに文章の方が面白い気がする。これは僕に漫画を読み取る力がないからかもしれないが、漫画にも見られる想像力をかきたてる間が文章ではさらに際立つ。
この本には彼の旅した場所が日本地図の上にマッピングされているがおそらく(全部きちんと数えてはいないが)500はあるだろう。僕は果たして日本のいくつの場所を訪れたことがあるだろか???
47都道府県のうち未踏の地が4、素通りが5、行ったことがあると言えるのは38各都道府県3箇所訪れたとしても100ちょっとというあたりがせいぜいである。

仙川でダンスを見る

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by 卓 坂牛

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せんがわ劇場(安藤忠雄設計)というところに北村明子の最新ダンスを見に行った。ニュヨークジャパンソサエティのディレクターである塩谷陽子に誘われた。行ってみると今回、彼女は踊らず、構成、演出、振り付けだけであった。しかし舞台のクオリティは高い。例によって映像と朗読とのミックスだった。相変わらずダンスが上手だと感心した。彼女の踊りも見たかったのだが、この時期大学の先生が忙しいのはよく知っているので、公演をうつだけでも尊敬ものである。
公演が終わって塩谷と夕食をとりながら感想を聞くとベタ褒めに近かった。ダンサーの腕の良さに感心していた。150人を超える人を相手に踊れる人はもうこの年齢以上しか残っていない。若いのは50人くらい相手にマスターべーション的な踊りしかできないと言っていた。それは建築も同じでどんどん小粒になっていく。話がビエンナーレのシェアの話になるとシェアにどれほどの価値があるのやら???特にシェアハウスは抜け出るものであり、好んで住むものではないと笑っていた。仙川の駅前の桜は満開で二人で記念写真の撮り合い。
彼女明日は北京に4日遊びに行くとのこと年にどのくらい外国出張をしているのか知らないが移動は全てフルフラットだそうで本当に羨ましい。