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Aug 2016

帝国の戦い

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by 卓 坂牛

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ペルーに行くから読んでいたが、インカ帝国は帝国読書シリーズとしても読める。インカ帝国全盛期に地球の逆側ではオスマン帝国が勃興した。そして遅れてスペイン帝国が力をつけそのスペイン帝国が大西洋を渡りインカ帝国を駆逐する。帝国同士の戦いはすでに16世紀に始まっていたわけである。

○○を知るための○○章

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by 卓 坂牛

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○○を知るための○○章というタイトルのお手軽外国ガイド本がある。なんと100冊近く出ている。初めて行く国の手ごろなガイドブックがないときはいつもこれを読む。ラテンアメリカの国は手ごろガイドブックがないのでこれの世話になってきた。そして今回はペルー。細谷広美『ペルーを知るための66章』明石書店2012を読んでいる。インカ帝国の国ペルーだがインカが続くのはおよそ100年弱。あっけなく168人のスペイン人に征服された。一方この辺りの神殿建築は紀元前3000年頃から作られているというのは昨年サンチアゴの博物館でもその出土品を見て驚いたが、アンデス文明を再認識する。今度行くリマは16世紀にできた町だが、それもスペイン統治の中心都市として栄えた町である。その旧市街を見るのは楽しみである。

メガネ

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by 卓 坂牛

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自転車で新宿にメガネを作りに行く。既製品の老眼鏡が目に合わず、1時間本を読むともう読めないのである。検眼してもらうと左右がかなり度が違う。左が1.0右が0.4である。加えて少々乱視。遠近両用にしてもらうために少し大きなフレームを選ぶ。
帰ろうと思ったら大雨。少々待って雨が上がって四谷に向かって走り出すと突如雷が鳴り始めまた降るかとビクビクする。雷は止まらない、、、、しかしよく聞いているとどうも雷とは音の質が違う。太鼓の連続音のようである。すると薄暗くなった夜空に雷と共に光が輝く稲妻とは少々違う。四谷4丁目の交差点まで来てやっとわかった。謎の雷は花火である。四谷三丁目を通り越して次の交差点が花火鑑賞ベストスポットである。

日本に安住する人たち

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by 卓 坂牛

大学で国際推進の委員をしている私の役目は「日本語しかできないで卒業するのは裸でアマゾン川を渡るようなものだ」ということを学生に伝えることだと娘は言っていた。
先日とある外国の方が言っていた世界的な企業の人事部は日本人の語学力とコミュニケーション能力の低さから日本人だけは受け入れを拒絶すると。
日本人の技術力が高かったころ日本人は高く売れた。しかしもはや他国に先んじるものがなくなりつつある現状でコミュニケーションできない人々の価値は極めて低い。そういうことに僕らが気がつかないのはやはり島国だからだろうしそれでもなんとかなっているという安心感からだろうと思う。日本は未だに精神的に鎖国中である。まあ鎖国だからできる文化というものもあるわけでそういう島国安住型がいてもいい。でもそれと同じくらい島国突破型いないと国としてはうまくいかないのだろうと思う。

石の上にも3年

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by 卓 坂牛

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娘の留学はいつ具体化したのかどういう経緯だったもはやあまり覚えていないが、ファッションの勉強をしたく世界の三つの大学(ロンドンセントマーチン、アントワープロイヤルアカデミ、ニュヨークファッションインティチュートテクノロジー)を選び、一人でその大学を見て回り、ファッションマネジメントを学べてしかも一番学費の安いニュヨークに決めたのが1年くらい前でろう。そして準備を重ね、toeflをなんども受けて、レターを書き直し、学資の工面を祖父に相談し、合格通知を今年初めにやっと受け取り、大学を卒業し、学資のために働き、そして昨日日本を発った。今ころニュヨークFITの寮で荷解きでもしているころだろう。
今から31年前のちょうど今ころアメリカに旅立った自分の記憶が蘇る。あの日もひどく暑い日であまりの荷物の量に母親が手伝ってくれた。黒い巨大なずた袋に登山用のキスリングをしょって行った気がする。ロサンゼルスでは寮には入れず兄の知り合いの家に先ずは泊めていただき家探しをして、そして夏休みのUCLAの英語学校に通い始めた。
娘はそこに行くとスーツケースにバックパック。自分一人で行ったようで立派。ニュヨークの空港からはタクシーで行くと行っていたが行き先が決まっているのは心強い。
僕は大学院のポストプロフェッショナルコースで1年半(3semesters)かかるところを学費とか奨学金とかの関係で1年(2semesters)で終わらせる交渉をしてそうした。よって日々とんでもなく忙しくて、心が折れるだとか、英語がわからないとか、友達関係が上手くいかないだとか、そういうことでくじける暇はなかった。高性能マシンを24時間駆動させるようにやることをこなすので精一杯で気がつくと卒業式だった。おそらく娘も4年かかるところを3年で終わらせので僕と似たような状況にはなるだろう。その意味では僕同様に辛い思いに耐えるなんていう状況は想像できないけれど、むしろ、期待をもって行った大学がつまらない場合にガックリということもあるだろう。でもそれでも3年のリクワイメントの中から自分なりに何かを引き出して、身につけることが重要である。石の上にも3年である

SHINOHARA CHAIR国際建築理論会議

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by 卓 坂牛

塩崎君と来年のSHINOHARA CHAIR国際建築理論会議の打ち合わせを行った。話が結構大きくなってきたが1週間をめどに二日のワークショップ、小さな展覧会と3日連続のレクチャーシンポジウム。テーマは篠原が4つの様式で建築を作り変えていった軌跡を振り返り「様式」はどうかと検討中。ゲストは様式を結構の様式という視点で語る人、様式を個人の様式として語る人、そして様式を時代の様式として語る人この3人である。開催は来年度末

cute!!

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by 卓 坂牛

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来月講演をするサンチアゴカトリカ大学のディエゴから講演日以外の視察スケジュールがメールされてきた。リマのルイス、アスンシオンのセバスチャンからも丁寧なメールがきてホテルもお勧めをもらって予約完了。ひとまず安心である。
去年アルゼンチンワークショップが終わってさあサンチアゴという日にサンチアゴ空港がストライキ。次の日の夜にやっとサンチアゴ到着。その日予定されていたレクチャーはキャンセル。さらにディエゴとスミルハン設計のレストランで会い、さあ食事という時にあの地震がやってきた。彼は当時妊娠していた奥さんのことを気遣い食事をせずに速攻で自宅に帰ったのである。レクチャーもできず、ディエゴとも話もできずじまいであった。そして数ヶ月後無事男の子Juanが生まれ、今年はそのJuanに会い、そしてレクチャーとクリティークをする予定である。昨年のリベンジ、、、

久しぶりに霞ヶ関

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by 卓 坂牛

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急激な腰痛もなんのその、八潮市のマスターアーキテクトの仕事で大開発予定地を見てその計画にアドバイス。2時間ほどかけて二つの敷地を見たあと八潮駅から北千住経由で霞ヶ関へ。久しぶりに新建築に行ったらお盆休みなのか担当の藤田さん以外はあまり人がいなかった。帰りがけに新しく新建築編集長になる予定の内藤さんがどこからともなく現れたので挨拶をした。ヨルダンの学生に理科大の建築学科の授業が日本語で行われていることをメールしたら、先ずは日本語の勉強をするために研究生で来たいとメールをしてきた。まあそういうだろういなあと思うとともに、早く英語の授業しないと本当に日本の大学は立ち行かなくなるだろうなあと思う。オーフスやヴェネチアのようにあるいは東大の土木は10年前からそうらしいけれどさっさと全授業を英語でやるべきだろうね。

偽りの保守

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by 卓 坂牛

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岸井成格、佐高信『偽りの保守・安倍晋三の正体』講談社2016を読んだのは、岸井が数年前に渡部昇一などが中心となった安倍晋三親衛隊から名指し攻撃を受けたことを覚えていたからである。岸井は安保法制反対と脱原発を明確に言う、新聞界の中では珍しい人間だ。
しかしこの本を読んでその岸井が保守本流を信条としていること、佐高とは慶応の同級生でもともと意見が対立していたこと、同級生には他に小泉、小沢がいたことなどびっくりするような話がいろいろある。岸井が今や反体制に見えるのは岸井が変わったのではなく、タカ派傍流が保守本流を食い潰したことによるのだという。保守本流はもちろん私の信ずるところではないが、今や彼らのいうことも相対的にはリーゾナブルに聞こえるほど傍流に乗っ取られた自民党は異常事態に至っているのである。

ヴァン猫

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by 卓 坂牛

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先日西荻の古本屋で村上春樹の『雨天炎天』という本を買った。この古本屋は内の家に行くときはいつもちょっと覗く紀行本、旅行本だけを扱う本屋である。この本は1990年に出ているから25年あまり前の本である。二冊分冊になっていて一冊がturkey チャイと兵隊と羊—21日間トルコ一周、もう一冊がgreece アトス−神様のリアル・ワールドというタイトルが付いている。
オスマントルコ帝国の本を読んでいたので買ったのだが、やはり歴史本より紀行本の方がその場所の風土や人が鮮明になって楽しいものである。とりわけトルコの東アナトリアという東部のあまり日本人などはいかないあたりの話は面白い。トルコは5つの場所に分かれるというがその中でも著者が最も面白い場所だという地域である。そしてその東アナトリアにあるヴァン湖にはここ特有の猫がいてこの猫は左右の目の色が異なり加えて泳ぎが上手なのだそうだ。早速ネットで調べてみると日本ではターキッシュヴァンと呼ばれているのだそうだ。村上はこの猫に会いたくてホテルのレセプションニストに連れられて行った絨毯屋(そこの店で飼っていると言われて)で見事絨毯を買うはめになったそうだ。この地には絨毯屋がとりわけたくさんあり絨毯屋は必ずこのヴァン猫を招き猫のごとく飼っているのだそうだ。