オタバロでパビリオンを
エクアドルのキトから車で2時間くらい北上したところにオタバロという人口9万人の都市がある。ここにはオタバロ族という織物の技術が南米でも極めて高い部族が住んでいる。ここでこの織物を建築の一部に使って緊急時の仮設空間作りを親友のフェデリコ・レネールが研究してきた。この緊急施設を緊急状態が過ぎた後には商業施設などに容易に転用できる改良形の設計をWSやセミナーで展開してほしいということでフェデリコと一緒にやることにした。正式な依頼が市長と都市計画部長から届いた。
ビデオコレクション
サンチアゴのディエゴ・グラスはon architectureという名のオンライン建築ヴィデオを作っている。現在そこには建築作品200あまりと建築家、建築史家のインタビュー100あまりのデータベースがある。アラベナ、スミルハン、ソラーノ、ロチャ、などラテンアメリカからヨーロッパのメルクリ、オルジャッティ、ラカトン、などそしてアジアのワン・シュー、伊東、までこれは見たいと思う作品、建築家インタビューが満載である。このビデオコレクションを生み出している、建築家であるディエゴはまだ30歳台でありこのコレクションはさらに増えていく予定である。彼らがビデオコレクションの作成を専業にしないでここまでの量と質を作り上げているのはとても信じがたいものがあるし、建築家であるからこその視点とセレクションが感じられる。ハーバード、イェール、MIT,をはじめとして世界の有名建築スクールはこのコレクションを購読しており、我々もその購読を考えている。
ちょっとすっきり
先月メールをもらい入学に向けて手配をしていたヨルダンの国費留学生は結局お断りすることとなった。その理由は理科大の留学生修士入試の受験資格に日本語の授業を理解できる日本語能力を持つことという一文があり彼はそれを満たせないだろうからというのが理由だった。こんな文章がまだ入試要項に入っているのに愕然としたが、ルールはルールで仕方ないと思い僕も諦めた。しかし今後のことを考えこういう旧態依然としたルールは削除すべきと思い国際化推進会議で副学長にそのことを話したら副学長もそんなルールはあまりに時代錯誤、即削除と同意していただき安心した。その会議にいらっしゃった国際推進のセンター長戦後すぐみたいな状況ですねと呆れていた。すると他の先生が帰り際に私のところに来て、あんな文言無視して私は外国人留学生を入学させましたよとおっしゃっていた。まあ実態はそうなんですよ。しかし返す返すも呆れるのはそういうどうしようもない腐ってしまったルールを盾にとって入学を認めようとしないリテラシーの無い事務方の神経である。
新しい授業の方法
後期の授業が始まり講義が月曜日に二つある。今年はあることを決めた。18分以上連続して話さないことにした。なぜなら毎年深い眠りに陥る学生いるからである。これは学生も悪いが先生も悪い。90分も学生を飽きさせず話し続けるにはよほどの準備と話術がいるのだが、それほどの準備をするのはなかなか難しくそれを先生はしないからである。ならやればという気にもなるがそれよりか学生に話させたほうがいい。そこで考えたのは授業の終わり18分に次回の講義のテーマAの要約を話し、学生は復習でその部分の教科書を1時間読み、授業ブログの先生の質問に1時間で答える、それを読んだ先生はその次の授業最初の18分でそのことについて質問、問題提起をする。そしてその後50分その問題提起に対して学生はディスカッションをしてこのテーマAは終わる。先生は残り18分で次のテーマBの説明をする。ということを繰り返し行うわけである。さてうまくいくだろうか?
最初の一文
クリス・アンダーソン『TED TALKS—スーパープレゼンを学ぶTED 公式ガイド』日経BP社2016を読むとプレゼンで一番大事なのは話術でも声質でもボディーランゲージでもなく、それは話したいことを持っているということだという。若い頃初めての原稿を依頼された時に編集者に言われたのは「君に頼むのは君が書きたいことを持っているからだ」と言われたのを思い出す。
そしてTEDではそれをプレゼンの最初に15字で述べ、それを肉付けして最後まで主張し続けよという。それをスルーラインと呼ぶ。僕がアメリカの作文で教えられたことと同じである。それはパラグラフの最初のセンテンスにそのパラグラフの主張を一言でかくことである。そのセンテンスはトピックセンテンスと呼ばれる。書きことばでも話し言葉でも重要なのは最初の一文ということである。
quick steel
「クイックスティール」という名の粘土のような物質がある。大福が白い皮とあんこでできているようにこの物質もグレーの表面と黒い中身物質からできている。この二つの物質を練って一色にすると熱を放出しながら鉄のように硬くなる。穴のあいたバケツを補修したりできるという。25年ほどまえに買ったイタリア製の椅子のジョイントが割れたのでこの物質で直してみた。ジョイントはもとどおりになりさあ使えるかなと思ったがやはりかなりの力が集中する部分なのでまた割れてしまった。しかし宣伝通り、強い力がかからないところで金属の穴を塞いだりするには使えそうである。