On
by 卓 坂牛
僕たち建築家は役所の建築指導課と常に戦っている。もっというと国交相と戦っている。設計という行為は設計を規定する法律と、施工をしきる施工者と戦うことを余儀なくされているのである。そもそも法律というものは法の精神がありその上に具体的な施工令というようなものがあるが、施工令ですべての状況を律することはできない。そこには判断の幅が出てくる。その幅を法の精神をもとに協議するのが法律なのである。その昔日建設計にいたとき役所のいいなりに設計を進めているとよく怒られたなぜそこで役所と議論しないのかと、この法の精神は何なのかと?
さて話を教育の現場に移すと大学というものは文科省の法的な規制下にある、建築業界が国交省の下にあるのと同様である。そのこと自体はあまり問題ではない。問題はそうした大学の運営においてわれわれは大学設置法をはじめ大学をとりまく様々な法の精神を吟味して大学をより良い方向に前進させなければならないのだが、そうなっていないことが問題である。大学の事務というものは大学をよりよく前進させるべく判断する能力に著しく欠如しているのである。その理油はことなかれ主義である。何かをチャレンジングに行うよりかは前例に則って責められないようなことを行うように慣らされているのである。法をよりネガティブに解釈してできない理由を100考えるのは大得意で。できる理屈を法の精神に則って考える創造力はまったくないのである。
これは統括官庁の望む所ではないはずである。中央省庁の役人はそんなに無能だとは思わない。しかし彼らのしたで教育現場で働く人の中にはこういうことなかれ主義の有象無象がいて何の向上心もないことをよく知るべきである。
On
by 卓 坂牛
後期の輪読本をやっと決めた。今まではm2が4年生の時に読んだ本がダブらないように過去2年分の本を見てそれらを除外して考えていれば良かった。しかし昨今留学したり、インターンシップ行ったりで大学院3年というのがいるので過去3年分を振り返ってそれとダブらないようにしている。それを元に書斎をうろうろ、ネットをうろうろしながら、ファッション、建築、美学、社会学、哲学、音楽、をバランスよく選んだ。
坂牛研、2016年後期輪読本
1、 坂牛 卓 architecture as frame and reframe 三恵社 2016
(担当者は僕に代わって30全作品を説明する、全作品の特徴を一言で言い表す。レジメに写真図面は不要。和訳のない英文は全訳する。)
2、 岸政彦 断片的なものの社会学 朝日出版社2015
(紀伊国屋じんぶん大賞2016受賞作)
3、 武田砂鉄 紋切り型社会 朝日出版社 2015
(鹿島出版界の川尻さんご推薦本)
4、 柄谷行人 世界共和国へ 岩波新書 2006
(歴史を贈与の視点から切り分ける。とても便利)
5、 藤村龍至 批判的工学主義の建築 ntt出版 2014
(藤村さんの本の中では秀逸、藤村流歴史の理解)
6、 篠原一男 住宅論 SD選書
(巨匠の考えを理解する,関連する作品をレジメに載せる)
7、 磯崎新、日埜直彦 磯崎新インタビューズ lixil 出版2014
8、 磯崎新、日埜直彦 磯崎新インタビューズ lixil 出版2014
(巨匠の考えを理解する,関連する作品をレジメに載せる)
9、 松井みどり アート芸術が終わった後のアート 朝日出版社2002 (グリンバーグ以降のアート界をさらっとまとめた良書。なるべくネットで写真をコピってレジメを作る)
10、 藤田直哉 地域アート 堀内出版2016
(地域アート否定派による初めて出たまともな本)
11、村上真樹 美の中断 ベンヤミンによる仮象批判 晃洋書房 2014 (佐河推薦本、タイトルが魅力的)
12、成実弘至 問いかけるファッション せりか書房2001
(僕が「建築の条件」を考えるきっかけをくれた本)
13、循環するファション 文化出版局2014
(最近流行の循環系)