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Feb 2017

公共の宿泊所

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by 卓 坂牛

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まだ行ったことのないカトマンズ市の南に位置するPATANに行ってみた。カトマンズの王宮より迫力の建物が結構あり、内部にも入れてよく整備されている。そこのミュージアムショップにカトマンズバレーの伝統建築という本があり買って飛行場で読んでみた。カトマンズバレーの伝統建築がビルディングタイプごとにスケッチ、図面、説明がある。
1年の集落、2防御、3ネワール人の家、4仏教の修道院、5ヒンヅー司祭の家、6王宮、7寺院、8公共の宿泊所、という分類である。さてこの公共の宿泊所とは何か?説明文を見ると旅行者が無料で泊まれる場所と説明がありこの図面が付いている。つまりただ雨風凌げるベランダである。実は前回来た時サクの街でこういうベランダをみてこれは一体何なのだろうかと思っていたのである。飛行場に山のようにいるバックパッカーもこういう場所に泊まるのだろう。

カトマンズの明日

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by 卓 坂牛

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ネパール震災復興の協力として環境省とリーテムがネパール政府にプレゼンをした。僕はその復興のまちづくりの部分をお手伝いした。駐ネパール日本大使、ネパール工業大臣他関係各省の次官も出席した中でのプレゼンを行い珍しく朝からプレゼンの練習をして臨みみなさん真剣に聞いていただけて満足いく結果だった。これがこの後どのようにつながるのか分からないが、世界の最貧国で何ができるのかひとつのチャレンジだと感じた1日だった。

公園は別世界

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by 卓 坂牛

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今回のホテルはラディソン。前回のシャングリラよりはグレード高い。110usdである。ホテルについて夕食まで時間があるので西田さんと街の中心部の方に10分ほど言ったところの有料のヨーロピアンガーデンに行ってみた。明日相手国の大臣、次官級を前に避難公園を作りましょうという話をして、既存の有名な公園をみておくべきだろうとちょっと思った。一人200ルピー(200円くらい)だから新宿御苑の入場料である。日本人からみたって安くないけれど地元のカップルがけっこういた。残りは観光客。英語を話す若い元気な女の子の集団がいて写真を撮って欲しいと言われて聞いてみたらアメリカ人。西田さんと僕がアメリカに住んでいたと言ったら喜んでいた。道路は誇りと喧騒だがガーデン内にはリスがいて水が流れ別世界である

官能性

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by 卓 坂牛

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島原万丈+HOME`S 総研『本当に住んで幸せな街—全国「官能都市」ランキング』光文社2016を積んどいた。ちょっとよくある俗な本だと思って放っておいたが読んでみたらなかなか客観的データーに基づく貴重な本である。都市は利便性や機能性だけで評価されるべきではなく「官能性」が重要だと著者は言うそして官能性は関係性と身体性からうまれる。さらに関係性には4つの指標がある。
① 共同性
② 匿名性
③ ロマンス可能性
④ 機会取得可能性
一方身体性はというと
① 豊かな食文化
② 街の風景
③ 自然
④ 歩ける
この5つの指標で日本中の街を評価するとベスト1は文京区だそうだ。まあそれはおいておいてこの官能性と居住満足度、幸福実感度には相関関係があるそうだ。これはサスティナビリティを超えてに通ずる指標と見た。最終的には幸福実感が最重要であり、それを実現するためのフィジカルな側面としてサスティナブルがありメンタルな側面として官能性があるのだろう。

頭も手も動く

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by 卓 坂牛

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午前中の博士入試を終えて、千葉工大に向かう。遠いと思っていたが、京成高砂に出ると京成船橋までそう遠くなく、そこから津田沼は目と鼻の先。しかも千葉工大は駅前大学である。こんなに駅に近い大学電気大くらいしか知らない。
学部と修士の優秀作を一気に同じ時間で見るというのも新鮮だし、専任と非常勤ゲストがいっぺんにみるというもあまりないかも。専任の、遠藤さん、多田さん、石原さん、田島さん、今村さんとそうそうたる顔ぶれに混じって上田実さん、木下庸子さん、古澤大輔さん、と私である。2時間ほど発表質疑したあと投票してそれを見ながらディスカッション1時間半。そして最後はゲストクリティークだけで議論。だいぶ意外な最終順位となったがそれもまた一興である。
しかしはっきり言ってかなりレベルは高いし幅が広い。一等に選ばれた案はobject oriented ontology をベースに街の中に1次機能を失ったオブジェクトをかき集めてきて公園のペリフェリーを作るという提案だった。これほど難解なプロジェクトが圧倒的多数で一等になれたのは抜群の説明能力とそして、設計能力にあったと思う。理科大生も見習わないと頭も手も動くというのはこういうことである。

The sooner is the better

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by 卓 坂牛

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卒業生や修了生が年末に時間切れになって死にそうになるのなら分かった、こちらもそれなりの努力をしようじゃないか。さまざまな準備を3週間はやめることにした。ゼミのことを2月から考え今日決めた。ゼミ、輪読の方法を変え、研究室内に8つの学習サークルを作ってそれを選択してついに自主登録制にした。理科大の中にもう一つの学校を作った。坂牛スクールである。そして履修登録して4回欠席したら単位を出さないし次回から出席させない。いくつ履修しても本人の自由。あくまで自らのモーチベーションで参加するというものにしたい。そういう方法を研究室内に本日告知した。そして来季はすでに今年より研究室が膨れ上がることが分かっており、ついに40人を超える。来週は研究室内大改造である。そうしないとはいらない。研究室総出で3日かけてレイアウトを大変更。そして週末はキックオフミーティングである。いつもより3週間以上早いと思う(去年は25日)。3月から頑張ってください、卒論、修論。だからいつもより2週間早く終わるはずです。いいですね!!

ペルーカトリカ大学でのWS

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by 卓 坂牛

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ペルーカトリカ大学でのワークショップのシラバスのようなものが来た。いつもはポスター一枚が送られてくるのだが、今回はデザインカリキュラムの一部として7ページの説明の1ページがワークショップ。きちんと学部のカリキュラムの中に織り込まれているのが驚く。よくオーガナイズされている。ちなみにペルーの大学ランキングでカトリか大学はナンバー1。どんな学生と会えるか今からとても楽しみである。

面白さに対する嗅覚

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by 卓 坂牛

今年の(だけでもないのだけれど)修士論文の不出来は僕らの研究室が多様性保護地域で魚から哺乳類までいて、教育のレベルの設定が難しいからだと思っていた。あるいは彼らが単に怠惰なのだと思っていた。しかし昨日修論の最終形のチェックをしながら、一番大きな理由はそこにはないだろうと思うに至った。
彼らに11月に入ったら設計に移行するようにと4月から言ってもそうならないのは怠惰に加えて、設計に移行するには論文があまりに心もとない、自信がないという状態なのだろうと推測した。というのも彼らの修論を読んでもどれも面白くないし、発見がないのである。「へええそうなんだ」と思うことが本当にないのである。僕が読んでこんなにつまらないのだから本人もさぞかしつまらないだろう。修士を2年間やってこんなものしか書けないとするなら自信も持てないだろうと思う。
そこで思うのだがなぜ彼らは面白いところにたどり着かないのか??それは面白いものを読んだ経験がないからなのではないかと思うに至るのである。面白いという理屈はどこに潜むのかがわかっていないのであろう。
読む経験を多く積んでいれば、面白くない本を買ったり借りたりして無駄に時間と金を費やしたことに腹が立ち、その分なんとか面白いものを読んで取り返そうとする。そして面白いものの面白さを貴重に思うものである。本を読むとはその嗅覚を養うことであり、その嗅覚無くして面白いものやことを考えることはできないのである。卒論とか修論とかはその嗅覚が勝負なのである。その嗅覚を大学生のしかも4年生になってからやるのではすでに遅いのだが、一生懸命やればそれも成せるとまだ信じている。しかしその一生懸命さもなければどうしたらいいのだろうか??
この嗅覚をものの本にはセンスと書いてあった。センスと書いてしまうと元も子もないのだが、確かにそういう気もする。もしかしたら生まれ持ったものかもしれない。しかしそう思うとゼミなんてやるだけ無駄ということになってしまう。養うことはできると信じて来季を頑張ろう。

国際会議れんちゃん

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by 卓 坂牛

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午前中EU japan 建築会議の打ち合わせでセルバンテスインスティチュートに出向く。およそ1時間の会議ではあったがとんとん拍子にテーマが前進。
「Blue Architecture サスティナビリティを超えて」のサブテーマとしてヒューマニティとテクノロジーが浮上しその下に移民問題、災害問題、そしてそれを支える社会と技術へと発展した。一見サスティナビリティと関係なさそうだが、建築という技術的に語られすぎた領域に社会という視点を組み込むことで本当のサスティナビリティが語られるはずである。これは例えばエコシティを作るにはまずコミュニティを作らなければいけないという最先端の知見を知れば納得のいくことであろう。
夕方山名先生のお誘いでリスボン工科大学教授、DOCOMOMO 議長のアナ・エストエスの「アフリカ建築における近代性」の話を駒場に聞きに行った。実に面白い。やはり大航海時代に世界を制覇した二つの国そしてその後の帝国主義の国々は世界に彼らの建築を流出しているのである)。松村先生はそうした流出物をクレオールと称して新しいものとして生まれてきていることを指摘していた。この辺りのローマ時代から起こる建築のグローバリズムは実に興味深い。執筆中の本に書いていることが壮大に話されていて迫力のあるものだった第一回から聞けばよかった。そしてもうすぐいく研究室の学生の語学力の低さをお詫びした。

OFDA+2Aの時期はずれの坂町新年会

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by 卓 坂牛

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やっと2月の終わりになって新年会ができました。そもそも去年の忘年会の時に1月の日時を決めたのだがその後誰かが駄目になり何度か日時を変更してやっと今日である。新年会というにはあまりに日が適当ではないのだがまあとにかく。宮さんがクライアントから頂いた90年代のヴィンテージワインと肉を焼いて野菜を持ってあけましておめでとうございます。