雑誌の撮影立会いしたのはいつ以来だろうか?山森さんは「高低の家」を撮ってくれた人だと話をしていたら分かった。そうか「高低の家」以来かもしれない。ということは5年ぶりくらいである。「高低の家」は諸事情で掲載できなかったので山森さんの写真で掲載するのは初めてである。山森さんの写真の撮り方は独特で撮影中ずっと話をしている。話をしている間にシャッター切っているという神業である。9時からスタートして午後2時に昼間の写真は撮り終わる。その後第一建設に最近竣工した現場を見せてもらったりして6時半から撮影再開。夜景を撮り始める。いつものことだがなかなか暗くならず、19時半終了。デジタルになると露光を変えて10枚くらい連写して継ぎ接ぎする。もはや一発勝負の緊張感はあまりない。写真も変わった。
バルセロナのエンリックの論文A4,17ページの社会学の雑誌に投稿した論文を読んだ。彼が理科大のワークショップに来る前に僕と話したこと、理科大に来て学生とおこなった祭りワークショプのことそして建築家の職能の拡張のことが書かれていた。タイトルは「東京:新しい公共性へ向けて」であり要約すれば次のようなことである。戦後東京の環境は爆破されても残る江戸のスモールスケールの上にメガスケールが共存する形で整備された。この矛盾とでもいうべき2重性が東京の特徴であったが、その後メガスケールがミクロスケールを破壊しつつ開発されてきた、しかし近頃はミクロスケールへの理解が高まっている。そしてこの2重の都市空間における公共性を重視することが新しい東京をさらに発展させると指摘する。その理由は世界都市の多くがそうした良質の公共空間を持っておりそれから遅れてはならない、また都市は単なる移動のインフラストラクチャーで構成されてはならず人々が共生する意味を分かち合うところだからだと主張する。
彼はその上で都市のミクロスケールを強調する。理科大でも特にそのことを学生に主張していた。僕も当時はその意見にほぼ100%賛成していたが、最近四谷から赤坂に引っ越してみて少し考えが変わった。四谷は比較的マイクロスケールがドミナントな町であるが、赤坂は超高層が多く建つ町であり、マイクロスケールも多く残り、まさにそれらの共存の町なのである。そしてどちらが心地よいかというと私には双方のスケールの共存の方が多様性があって楽しい。遠くへの眺望があるかと思えば人もすれ違えないような路地があるこの落差が心地よい。あるところで経済原理を止めて、この平衡関係を保つことが都市作りではないかと思える。つまりエンリックが指摘する東京の2重性こそが世界都市東京の東京性だと思う。
Happy Marine Day とメールをくれた オーストリアのアナはさっさとバカンスに行ったけれどゼミでの存在感は日本人の比ではない。彼女は日本の大学は天国だという。いや本音は超甘と言いたいのかも。自分の机があって、週一でゼミがあって教員と話す機会がある。
ウィーンでも、ブエノス・アイレスでも卒業率は50%以下である。主張の無い学生に付き合う教授はいない。教員が手取り足取り物の考え方から卒論のテーマまで教えるのは日本の悪しき習慣である。責任放棄しているのではない。そんな過保護に育てられた学生に世界でやりあえる力は身につかないと言いたいだけである。自立せよと言いたいのである。
今日は祝日なのだがゼミをやると言ってしまったので大学へ向かう。そうしたら携帯に留学生からメールがきた。Happy Marine Day と楽しそうなメールである。昨日ウィーンから友人が来てこれから京都、広島、沖縄の旅に出るという。ヨーロッパ人にとってはもうヴァカンスなのだろうなあ。祝日にゼミやるのも野暮だなあと思う。そういえば私立大学って平気で祝日授業日があるのだがこれは文科省が半期15回授業をしろという指導の結果である。その結果国で決めた祝日に授業しないとカリキュラムを全うできないってどういうこと?と疑問に思わざるを得ない。いいじゃないか別に14回で、と思う。ゼミを予定してしまったのは僕のカレンダーが自家製で祝日をマークしていないからである。これじゃあ文科省と同じだなあいかんいかん。焦って今年の残りの祝日入れよう。
フィリピン北部ルソン島の山岳地域バギオで生まれたバギオ•アーツ•ギルドは地域性を重視したオルタナティブを提案し続けている。作者のカワヤン•デ•ギアはバギオ•アーツ•ギルドに囲まれて育った。紙で作った石群は年長者を、囲んで物語を聞く場所である。(国立新美術館 東南アジアの現代美術展にて)
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構造計算書偽造事件以来建築に関わる法律が厳しくなった。その一つが3年ごとにまる一日の講習会を受けないといけないというものである。その講習会は今年受ければいいと思っていたら今年の3月末までに受けねばならないことが分かりあわてて今日受けた。法律の改正を3年に一度聞くのは悪いことではないので勉強と思って一日頑張る。聞きながら進行中プロジェクトを思い出し確認する。
来月5日から12日までアルゼンチンブエノスアイレスの国立サンマルチン大学にてコロンビア、ボリビアの学生とともに理科大生5人も参加してワークショップを行う。そのスケジュール表が送られてきた。さすが国際ワークショップなのでこういうところはきちっとしている。しかしよく見ると朝10時から夜8時までとなかなかハード。そしてこの時間割実にアルゼンチンらしい。昼食almerzoが2時から3時になっている。そして夕食がない。intervaloは休憩なのでコーヒー飲んでお菓子食べたりということである。夕食は普通10時というのがアルゼンチン時間である。
CGで確認していたトップライトの光の入れ方を模型で確認してみた。模型だとやはり違う。
昨日の模型が戻ってきたら模型の山の麓が拡張された。奥の段ボールは海外の展覧会を転戦してきた勇者(模型箱)たちでトリプル段ボール特注品である。木のように硬いが段ボールの軽さである。これをフェデックスなどで送るのではなく手荷物でチェエクインする。カナダエアだとエクストラチャージは一箱100ドルなのである。
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