都心の人口増加
九段下に住む友人夫妻が言っていた。「最近人がすごく増えた気がする」と、「桜テラスができたからかな?」と言うと、「それは大きいと思う」と。それでこの本の統計を見ると2010年から2015年の人口増加率の23区の順位を見ると上から千代田区(24%)、港区(18.6%)、中央区(15%)、渋谷区(9.8%)、一方下位を見るとビリが足立区(−1.9%)、葛飾区(0.1%)絵江戸川区(0.3%)なのである。またこれとは次元の異なる数値として転入率、転出率というものがあるこれはどの区でもほぼ入る数と出る数は同じなのだが、その率(2010年〜2015年)が多い順に千代田区(約30%)、新宿区(26%)、港区(約25%)、下位は足立区(約12%)、葛飾区(13%)である。つまり人口増加が大きいところは人口流動も大きいということである。そして子供はどうかというとこれは高い順に港区(1.44)、中央区(1.43)低い順に豊島区(1.00)、新宿区(1.02)となる。
つまり東京は今でも人口増加しているというがどうもその傾向を作り出しているのは都心4区あたりなのである。さらに言うとそれはタワーマンション開発に負うているようである。人口減少に悩んだ都心はその反省でタワーマンションを法を上手く緩和しながらたくさん作り人を呼び込んでいるのだろう。さてこの勢いはどこまで続くのだろうか?
理科系の作文技術
木下是雄『理科系の作文技術』1981は2017年に82版が出て100万部以上売れている驚異的ベストセラーである。この本を知ったのは先日読んだ橋爪大三郎の『正しい本の読み方』に著者の文章術はここからきていると記されていたからである。そして手にしてみると本書の肝心の部分は私がアメリカ留学の最初に教わった作文技術そのままであることが分かり嬉しく思った。著者の作文のポイントは僕なりにまとめると以下の7点になる。
①文は短く(50字目標)
②英語の関係代名詞的な修飾文を極力挿入しない。
③横道にそれる文章をなるべく入れない。入れる場合は入れることを明示する。
③一段落には一つのことを書く
④段落の最初にトピックセンテンスを置く(それはその段落で言うことを一言で書いた文)
⑤事実は言い切り参照元がある場合は明示する
⑥事実の記述は具体的な程よい
⑦意見は「私は⚪︎⚪︎と思う」と記し意見であることを明示する。
この掟は理科系のレポートや論文を前提にしたものだが、既述のとおり社会学の大家、橋爪大三郎が自ら教本とし、かつ今我々に勧める本である。つまり理科系レポート用の特別な文章の書き方だと橋爪氏は考えていない。また私がアメリカで教わったことはまさにこれであり英語の一般的作文術でもある。そして加えて言うと私の友人の新聞記者は文系の学生より理科系の学生を採用したいと言っていた。その理由は理科系の作文技術が新聞にも有効だということなのかもしれない。しかし理科系の学生が理科系の作文技術を習得しているとは限らない。むしろ学生の文章を読んでいていつも頭が痛いのはこの掟を全く守らないことによる。特に事実と意見を混同する点である。そういう不快感に苛まれているので自分の著書でも人の意見はすべて引用の形でインデントさせるくせがついている。そのせいでわたしの本は読みにくいという批判をいただくのだが本文中に紛れ込ませているうちに自分の意見にしてしまうことを危惧するのである。これから卒論、修論のシーズン。是非みなさんご一読を。
アーバン ベジタブル
不思議な架構が組みあがり、ビニールハウスみたいだなと思って見ていたら、そのものズバリ。5種類の野菜をここで育てるのでご覧くださいという展示である。できたら食べられるのだろうか?
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