On December 8, 2017
by 卓 坂牛
ノエル・キャロル森功次訳『批評についてー芸術批評の哲学』2017(2009)は批評は解釈ではなく理由に基づいた価値づけであるという。そしてその価値とは記述、分類、文脈づけ、解明、解釈、分析を根拠として行われるという。さらにそれらの分析から批評者は作者の意図をくみとり、その意図がどれほど達成されたかその成功価値(sucess value)を評価するのだという。これはアーサーダントーなど価値づけを否定する批評家とは真逆の立場である。僕は少し前までダントー派だったが最近キャロル派に変わった。また価値づけを意図の読み込みとその達成度に求めることにも賛成である。逆に言うと自分の設計にも意図とその達成という言われれば普通のことだが最近その重要性を再認識している。だから今年の卒計、修士設計についてもそういう視点で価値づけを行おうと思っている 。
On December 8, 2017
by 卓 坂牛
西麻布の交差点のそばに板張りの被覆建築がある。設計は石原健也さん2014年にできている。港区の福祉施設のコンプレックスである。悪戦苦闘したらしい。そこから10分くらいのところに日建設計の設計したパークアクシス2015(三井の賃貸レジデンス)がある。こちらはアルミルーバー仕上げ。窓がないと建築はかっこよくなると香山先生が言っていたが、その通り。
On December 7, 2017
by 卓 坂牛
外苑西通りにはホープ軒という脂こってりのラーメン屋があり国立でサッカー見てからたまに食べに来た。国立から数百メートルはあり歩くと5分はかかったと思う。今朝ホープ軒の前を通って驚いた。新国立はホープ軒に迫っている。これはないだろう!これ仮設?
On December 7, 2017
by 卓 坂牛
埼玉県八潮市でマスターアーキテクトという仕事をしている。もう6〜7年やっている。大規模開発計画が申請されると、街並、音、匂い、緑などなど起こりうるいろいろなことを想定して助言する。今日はこれから行われる、工場、倉庫の増築に一こと言うのと、去年助言してできたスーパーの仕上がりを見に行った。助言したことがきちんとフォローされているのを見るのは嬉しいもの。
On December 7, 2017
by 卓 坂牛
山本理顕さんが、ふわっとした幕とも屋根ともつかぬものを空に向けて発射していた時期があった。このハムレット(1988)もそのひとつである。柔らかい皮膜が領域を作っていた。建築の初源的な姿である。ハムレットのとなりには日本の伝統的な屋根(大江宏、国立能楽堂1983)があるが 、形こそ違うが、こちらも皮膜が場所を作っているという建築の基本が美しく形になっているのだなと感じさせる。
On December 6, 2017
by 卓 坂牛
僕の写真の見方はとても建築的である。まず写真家の被写体への距離感を感じる。次に写真家が被写体たちにヒエラルキーを与えているかどうかを見る。そして最後に写真家が被写体をどの程度の解像度て捉えようとしているのかを見る。もちろんこれはテクニカルな指標で大事なのはこうしたテクニックを駆使して何を言わんとしているかだが、此の先は想像の域を出ない。金村修、タカザワケンジ『挑発する写真史』平凡社2017を読むと結構プロもそんな風に写真を見ているなと知った。
On December 6, 2017
by 卓 坂牛
SD賞ありがとうございます。案の内容に共感をいただけたことを嬉しく思います。コトを示すプレゼンが多いなかそれをモノに落とし込む案が少ないという審査員の指摘がありました。私もそう感じました。そのなかでこれはモノをよく練っている、あるいは妥協がないという意見がありました。確かに比較するとそうかもしれません。しかしそれはたまさか本案がそういうフェーズに来ていたという風に見ることもできます。偶然案を練って練って練ったころ、提出日が来たというだけのことです。しかしそのことが伝わっていたことに安堵の気持ちがあります。
今年上梓した『建築の条件』という本のなかで建築を条件づける様々な要素を列挙しました。ジェンダー、視覚、主体、倫理、消費、階級、グローバリゼーション、アート、ソーシャル。建築の成立基盤が大きく変化し新しい成立の契機が現れている現在、建築の条件の中にはそういう可能性の芽が転がっています。しかしそれでも建築はそうした条件を器用に利用するのではなく葛藤して乗り越えてこそ得られるものだとも書きました。そしてその気持ちを実行に移そうと努力しています。世界的に見ても建築はそんなもののようで、事件化するよりも愚直に思考して作ることの繰り返しの上に現れているように見えます。
On December 6, 2017
by 卓 坂牛
1964年オリンピックの年にできたマンションがある。秀和レジデンスの第1号。芦原 義信設計の秀和青山レジデンスである。この建物ができてから区分所有法、住宅ローン、管理組合がこの世に誕生したと物の本にはかいてある。少し年をとっているがメンテナンスはいい。そのそばに設計者がわからないがモシェサフディのアビタのようなマンションがある。常盤松ロイアルハイツと看板が出ている。竣工は1978年である。昔から気になっているのだが、、、設計者をご存知の方は教えて下さい。
On December 5, 2017
by 卓 坂牛
クライアントは10年前までは山梨大学の植物学の教授。今は寺の住職。だから境内には珍しいな植物がある。冬に咲く冬桜。天然記念物のハリモミ。ハリモミは新しく作る参道の並木にする。
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