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Jan 2018

広瀬鎌二

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by 卓 坂牛

広瀬鎌二の1959年の作品上小沢邸は白金台と五反田の間の比較的広い道路に面したゆったりとした土地に建っている。なぜだかこの辺りだけ都心とは思えない広がりがある。ゆったりとした庭が道路からよく見えるのは樹木が少なく塀が低いからだろう。その塀がH鋼とコンクリートブロックでシャープにデザインされている。建物はコンクリートブロックの壁の上にRCスラブが逆梁で載っている。林昌二邸の1期の(1955)作りを思い出す。しかし庭は豊かな自然を見るようには作られていない。言えば枯山水である。ミニマルな広瀬の真骨頂である。
この上小沢邸は現在レストランとして使用されていている。一度食べに来てみたいものである。

project of autonomy

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by 卓 坂牛

Pier Vittorio Aureli のTHE PROJECT OF AUTONOMY Politics and Architecture within and against Capitalism(Princeton University Press 2003)に目を通した。比較的わかりやすい英語で表層だけさらりと読んでみると、これは建築の自律性を書いた本ではなくて60年代の資本主義への労働者の抵抗運動(どうもこれがprojeto of autonomyと呼ばれるもの)にロッシやロジャースという当時のヴェニスの建築家、理論家が同調したという話である。しかしこの同調は労働者の自律をサポートして資本主義に反旗をひるがえすだけではなくそれを利用もしている。タイトルに現れているようにそれはagainst であり withinである。
しかしロジャース(BBPRのリーダーでありカサベラの編集長)とロッシでは作るものが真逆である。ロジャースは都市との対話(他律)に重きを置き、ロッシは建築のザッハリッヒ(自律)に重きを置いている。建築の理論と社会の理論の間にどのような論理的な整合性が作られていたのだろうか?

岡見健彦

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by 卓 坂牛

高輪は配偶者家族の寺がある。寺のそばに日本キリスト教会高輪教会がある。設計者は岡見健彦。遠藤新事務所からライトのところで3年学んだとウィキペディアに記されている。街角のバス停の脇にあって街行く人を見守っている。

2018年の抱負

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by 卓 坂牛

毎年今年はどうやって学生を教えようかなと考える。教えるコンテンツの問題もあるがどのようにそれを染みこませるか教育学的なメソッドを考える。きっとこれは高校大学と運動部の主将をやりながら練習メニューを考えていたころの名残である。どうしたら部員のモーチベーションが上がるかが最大のポイントであり、これは運動も勉強も変わらないのである。去年からやっているフリップクラスをもっと徹底することを考えよう。なんとか教室を改良してディスカッションを定着させたいと思う。
方法ととともに新しいコンテンツ作りも考えている。今年は前期に上智大学、後期に東京芸術大学で講義をする。どうせやるのだからひとつ新しい講義シリーズを作ろうと去年から試行錯誤。先日そのさわりを千葉工大で話してみた。タイトルは『建築の制作』。論理から構築へと向かう建築の最もスリリングな話になるはずだが未完。春休みは幾つかの大学で卒業設計のクリティークをし、夏にはアルゼンチンのサンマルチン大学、グアテマラのイツモ大学に行ってレクチャー、ワークショップなどを行う予定である。
冬休みはそんなイベントのための勉強をと思っているうちに年が明けてしまった。スケジュールというモノは放って置くとさっさと埋まっていくので恐ろしい。去年と違って今年はやることが多い年末であり時間がうまくとれなくて困った。でも年末が忙しいと次年は収穫があるものでこれはこれでいいことなのだろう。研究室共同研究設計やOFDAのデザインが幾つか並行して進む予定である。SD賞をいただいた「運動と風景」も着工にむけて前進中。いろいろなことが少しずつじわじわと進む2018年である。

明けましておめでとうございます

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by 卓 坂牛

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。みなさまにとって素敵な一年となりますように願っております(賀状をいただいた皆様にご返事送ろうと思っておりましたがプリンターが壊れ諦めました。来年はお送りしたく思います)。

三角

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by 卓 坂牛

三角形プランの建物を3回設計したことがある。二つは別荘。一つはパビリオン。自由がきく場所や用途。都会て三角形となる時は敷地が三角形の場合。新関さんのCase Gallery 2016も都心の三角な土地にパズルのようにはまっている。

坂牛哲郎92才

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by 卓 坂牛

坂牛哲郎92才。顔色がいい。坂牛卓、祐子57才。親父35の時の子である。娘も僕が35の時の子である。

墓参り

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by 卓 坂牛

正月は親父、兄家族と母の墓参り。恒例である。子供たちはライン参加。インド、デンマーク、オーストラリアが一瞬で繋がるのだから驚きというか、便利というか。グランパは大満足。

ファーブル昆虫館

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by 卓 坂牛

文京区が『官能都市』では住みたい土地ナンバー1。その理由の一つは選択肢という話をしたが今日もその選択肢。千駄木あたりにボンネルフがありそれ沿いに「ファーブル昆虫館」 という名の昆虫博物館がある。日本ファーブル会というNPOが運営している。設計は原宿教会の設計者でもあるシィエル・ルージュ・クレアシオン(アンリ・ゲイダンと金子文子の建築ユニット)である。昨日の森鴎外、東洋文庫、そしてファーブル。どれもとても教育的な響きである。