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Feb 2018

ジェンダーはスペクトラムを超える

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by 卓 坂牛

アシュリー•マーデル『13歳から知っておきたいLGBT』ダイヤモンド社2017は世の中にFとMしかいないと思っているひとはもとより、加えてLとGとBとTがいるくらいの認識の人(私)などが是非読むといい。ジェンダーはFとMを極とするスペクトラムの上に星の数ほどある。いやもっと言えば、FとMが両極という認識がすでに違うという人さえいる。目から鱗。

Hotel Koe

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by 卓 坂牛

最近様様なコンセプトの宿泊施設が登場しているが、本日オープンするHotel Koeもその一つ。ベーカリーやアパレルの上に和テイストのラグジャリーホテルが乗っている。設計は谷尻誠。場所は渋谷公園通り。

入札不調

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by 卓 坂牛

建築人生2回めの入札不調。

先日別件を見積る工務店社長が「急に上がってきた」と言うから「オリンピック工事が始まった頃から?」と聞いたら「先週から」とのたまう。上がるからには理由があるだろうと聞くが理由はわからない。寒くなったからか?、、、「野菜か?!?!」

この色も見事

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by 卓 坂牛

フッ素焼き付けアルミ2.5mmをケイカル板35mmで裏打ちしたバネルを作り3m近いキャンチを狭いところで40cnくらいの間隔でセットする一連の仕事ができるのはキクカワ工業くらいだろう。端部が少し甘くなっているがこれは経年劣化?
設計者エマニュエル•ムホーのコンセプト、虹のミルフィーユ(1000枚の葉っぱ)は巣鴨信用金庫志村支店の顔となり袖看板は不要だそうだ。これも素晴らしい。

ひとり空間論

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by 卓 坂牛

南後由和さんの『ひとり空間の都市論』は「みんな」「つながり」「コミュニティ」に負けず劣らず都市の「ひとり」の重要さを喚起しているが僕もずっとそう考えてきたし槇さんや、吉本隆明もそう言っている。吉本曰く「人は外で人とコミュニケートして『意味』を作り、ひとり内省して『価値』を作る」(吉本隆明『ひきこもれーひとりの時間をもつということ』大和書房2006)。何か新しいアイデアを生み出すときはひとりで考えるときである。朝起きたとき、風呂に入っているとき、散歩をしているとき、そしてひとり考えるときである。人と話しても、ラジオを聞いても、本を読んでも、それはインプットであってアウトプットはできないものである。

須賀神社詣で

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by 卓 坂牛

昭和34年生まれは今年前厄で来年赤坂から真北の神楽坂に向かって引っ越すのは最悪らしく、よって即刻厄払いをせよと配偶者に言われた。そういうことにまったく頓着しない私ではあるが仕方なく牛に引かれて善光寺ならぬ須賀神社にやってきた。須賀神社には江戸時代に描かれた三十六歌仙が戦争で焼けずに残っていると聞いていて、どこにあるのだろうと思っていたら本殿の壁にかけられていた。

巣鴨信用金庫江古田支店

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by 卓 坂牛

だいぶ前のことだが、とあるクライアントが我々の前に頼んでいた建築家のデザインを見せてくれた。なかなか素敵なものだった。建築家の名はエマニュエル・ムホー。当時まだあまり知られていなかったが巣鴨信用金庫のビビッドな色使いをホームページで知り驚いた。こんな大胆なデザインをしかも金融機関が取り入れるとは、、、金融機関はだいたいコンサバで自身の経験からもトップは石橋を叩いても渡らぬ人が多い。フランス人のポジションを最大限に使っていると思ったが、それにも増してそのセンスの良さに敬服した。この江古田支店(2012)は巣鴨信用金庫の3店舗め(くらい)だと思う。パリにありそうなデザインである。
ちなみにそのプロジェクトはだいぶやったのだが断られた上にフィーも0だった。ひどい話である。ムホーさんもそうだったのかもしれない。

動的非平衡

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by 卓 坂牛
僕は自分が作ろうとしている建築を「建築のフレームとリフレーム」と呼んでいる。それはどんなことか?
 
先ず僕は建築にエーテルが流動する孔をたくさんあけてその流動経路を作ろうとする。言ってみれば人間の体の中に血液だ体液だというようなものが流動するために無数の孔が空いているのと同じようなものである。ここに福岡伸一用語を使えば「動的平衡」が生まれる。ここまでがフレームという言葉の内容である。
 
しかしその次に僕はこの流動経路を一部肥大化させるようになった。言ってみれば血管の一部に血流の溜りができて肥大化するような状態である。人間ならばこういうことは好ましくなくないのだが、建築ではエーテルの流動の変化は表情を豊かにするように感ずる。そしてここでは「動的非平衡」状態が生まれている。
 
でも非平衡がいつも必ずいいとは言えない。それはきっとケースバイケースで平衡と非平衡を両端とするスペクトラムのどこかに答えがあってそれを見つけ出すことが設計なんだとこの頃思う。

 

輪読本

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by 卓 坂牛

4月から新学期がスタートすると忙しさにかまけて輪読本を読んでこない怠け者が発生するので春休みに目を通すように今年は一足早く輪読本を決めた。この中から8冊読むのがノルマ。

2018年度前期輪読本
建築外
1 福岡伸一/生物と無生物のあいだ  2池田善昭・福岡伸一/福岡伸一西田哲学を読むー生命をめぐる思索の旅  3 博報堂のすごい打ち合わせ  4水島治郎/ポピュリズムとは何かー民主主義の敵か、改革の希望か  5中沢新一/雪片曲線論  6山口周/世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるか  7内田樹/脱グローバル論ー日本の未来のつくりかた  8ロラン・バルト/明るい部屋  9ノエル・キャロル 森功次訳/批評についてー芸術批評の哲学  10アーサー・C・ダントー 山田忠彰 監訳/芸術の終焉のあと—現代芸術と歴史の境界  11 アーサー・C・ダントー 松尾大訳/ありふれたものの変容—芸術の哲学  12小林剛/アメリカンリアリズムの系譜—トマス・エイキンズからハイパーリアリズムまで

建築 

1大月敏雄/町を住みこなす−超高齢社会の場所づくり  2アンソニー・ヴィドラー/20世紀建築の発明 3東京大学建築学専攻編/もがく建築家、理論を考える  4コリン・ディビス 朽木順綱訳/建築を考えるときに大切な8つのこと  5長谷川豪/考えること、建築すること、生きること  6長坂常/B面がA面に変わる時増補版  7佐々木睦朗/構造・構築・建築佐々木睦朗の構造ヴィジョン  8多木浩二/生きられた家  9川向正人/近現代建築史論  10加藤耕一/時が作る建築ーリノベーションの西洋建築史  11磯崎新、藤森照信/磯崎新と藤森照信のモダニズム建築談義  12八束はじめ/メタボリズム・ネクサス

iPhone が建築空間を変える

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by 卓 坂牛

ビアトリス•コロミーナはニューヨークのビジネスマンの8割はモバイル持ってベッドで仕事すると言う。モバイルが建築空間を解体するといいたげである。最近僕は走って帰った後風呂に一時間いて、ニュース見て、メールして、原稿の草稿を録音する。リラックスして一人になれる最上のワークプレースである。