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Apr 2018

CASA ANDINA

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by 卓 坂牛

近所の高級ホテルCASA ANDINAはEnrique Seoaneが1974年に設計したもの。Enrique Seoaneは先日ブログでお見せした三角形のモダニズムのビルの設計者である。モダニストがこんな暴れたデザインもするのか。やはりポストモダニズムの風だったのか?それともプレヒスパニックの何かだろうか?昨日のクーパー達との話で少し驚いたがペルービアンも自分たちのアイデンティティの不確かさを常に感じているのだそうだ(以前グアテマラの国際会議に招かれたときのテーマはアイデンティティだった)。

http://introalaarqui.blogspot.pe/2010/06/enrique-seoane.html
http://introalaarqui.blogspot.pe/2010/06/enrique-seoane.html

よくできている

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by 卓 坂牛

カトリカ大学は国から一切の予算補助がない。かと言って授業料が高いわけではなく、収入の多い家庭の子は月1000ドル少ない家庭の子は月300ドル。授業料が大学予算に占める割合は20%くらい。残りは寄付と不動産運用などで賄っている。レクター(理事長)は学生も含めた選挙で選ばれ母校出身者である必要もない。そして大学施設は日本の平均よりかは豊かに見える。勉強になります。

何故その模型を作るのか?

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by 卓 坂牛

リマカトリカ大でのワークショップは折り返し点。午後に中間レビュー。何故その模型を作るのか、その模型て何がわかったのかを問い続ける。基本のディレクションは僕が出しアウグスト、セサ、マリアンヌがフォローしてくれる。

Fredrick Cooper House

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by 卓 坂牛

リマで見なければいけない建築は二つあるとディエゴ・グラスに言われたその一つがカトリカ大学建築学部の創始者のひとりであるフレドリック・クーパーの家である。さてどうやって見せてもらうおうかと思っていたら思いがけず彼からディナーの招待を受けるという幸運に恵まれた。彼は78歳で未だに大学で教鞭をとる建築家である。コンクリートフレームとレンガの作りはヴァナキュラーナ構法である細長い敷地に庭と建物が平行に奥に長い素敵な建物である。自邸が一冊の本になっているというのもそうないことかもしれない。明日の僕のレクチャーを楽しみにしているよと言われてちょっと焦る。うまくしゃべれるだろうか?
(ディナーを共にしたFelipe Ferrerは木内君の友人だと言っていた。世の中狭い)。

RESIDENCIAL SAN FELIPE

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by 卓 坂牛

1954年にリマに大型ソーシャルハウジングが誕生した(RESIDENCIAL SAN FELIPE)。データーは様々あってどれが本当かわからないがリマ大学の作ったデーターだと容積率が大きくなりすぎておかしい。体験してみて正しいそうなのは敷地面積26,000 M2、延床面積34,549M2これで容積率は約132%。因みに理科大の葛飾キャンパスは58,000 M2の敷地に約90,000 M2(これは日建設計の数字で理科大データーだと44,000の83,000である、しかしあの敷地本当に4〜5万もあるのだろうか???)なので容積率は155%で結構近い。つまりあのくらいの密度感である。しかし半世紀の歳月で緑も育ち、豊かである。設計はBERNUY MARIO CIRIANI ENRIQUEである。シリアーニはその後渡仏してフランスで成功をおさめる。建物はソーシャルハウジングにしてはメンテナンスが良いのとデザインが反復を旨としながらも高層、中層板状、低層を上手に使い分けていることえてして単調になりがちな中層板状の片廊下をメゾネットにして回避していること、2層のテラスで豊かさを生み出していること、高層棟は高層とは言いながら高さを見せるデザインではなくむしろサイコロのようにつぶしたデザインだがスリットを入れて綺麗なモダンデザインに仕上げていること、などなどこんなモダニズムのソーシャルハウジングとしてはカールマルクスホッフに通ずる質の高さだと感じた。

 

 

理学・工学・建築学図書館

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by 卓 坂牛

カトリカ大学の建築学科棟の脇にPUCP Science, Engineering and Architecture Libraryがあるこの施設名が示すようにこれはペルーカトリカ大学の理学、工学、建築学図書館である。建築学は工学の一部ではない。この建物も学内コンペでロサ・コルテガ教授が勝ち2014年に完成している。キャンパスの軸性をかわしているというような批判もあるが僕は大好きな建物である。エントランスのゆるいスロープや館内の緩やかな階段、そして赤いコンクリートはレンガの他の建物にフィットする(ペルーでは3つの生コンやがいてそれぞれ青、赤、グレーの色味なのだそうだ。内観はJuan Solano Ojasiさんの写真を転載いたします。

言葉のない国

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by 卓 坂牛

カトリカ大学のレクチャーシリーズでスタン・アレンが超高度な論理展開をした次にビジェ・チエン(中国系アメリカン女性建築家)が政治から建築を説明し次に日本の世界的に有名な建築家が素朴にディスクリプティブに「ここにドアがあります、ここに窓があります、、、、、」と建築を説明しているのが子供っぽかったとカトリカの教授たちが笑っていた。「日本は以心伝心の国ですから言葉がないんですよ」と説明するのにやっと。言葉のない国では建築論は育ちにくいのか?

国が牛耳る日本の大学

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by 卓 坂牛

カトリカ大のキャンパスに次に作られる施設のコンペ結果の展示を見に行った。建築学科で教える(非常勤も含めて)20人余りの建築家によるコンペで審査はやはり建築学科の教員4人と他学科の教員4人計8人で行われた。建物は上部に教授室、下部にカフェテリアなどの学生スペースを持つコンプレックスで要求はA1,8枚と模型である。その中から5名くらいがファイナリストに選ばれそこから最優秀と佳作2点が選ばれた。なんと最優秀は僕らのワークショップを一緒に教える若いセサーで佳作にはワークショップを主宰するルイス・ロドリゲスである。教員の層も厚いし、クソ忙しいのにA1,8枚を密度高く仕上げるパワーに脱帽である。文科省の出先機関みたいな大学施設部のいいなりになって夢も希望もない(失礼)施設ばかり出来上がる日本の教育施設に比べると本当に素晴らしい。羨ましい。

都市的集住

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by 卓 坂牛

Javier Sánchez, Irvine Torresによる2013年に完成した集合住宅。リマの新しい街であるミラ・フローレスの裏側が公園に面した豊かな敷地550平米に350平米程度のユニット6つと550平米のペントハウスのが乗っている。ペルーの平均ワンユニットサイズは150平米程度らしいのでかなり大きいほうなのだろう。内観はArch Dailyの写真をお借りします(Sandra Perezneito)。

新しい社会科学棟

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by 卓 坂牛

リマカトリカ大学でのワークショップ初日キャンパスにやってきて初めてみる建物があることに気づく。聞くと去年(といっても僕が帰った後だから4月以降)に建設開始された社会科学棟だそうだ。それにしても一年で建設できる建物には見えないが。去年基礎くらい作っていたのだろうか?コンペだったそうだ。中間層にピロティがあるが遠目でも多くの学生が使用しているのが見える。常春で雨の降らないリマならではの計画である。