Sanaaの透明な住空間は行くと大体ブラインドが降りている(石神井アパートメント2010)これはSanaaに限ったことではないのだが。閉じて住みたいならこんなところに住まなければいいのにと思う一方日本人で居間をパブリック空間と意識出来る人は少ないのだから設計に無理があるとも感ずる。街並みに風穴が空いたようで小気味好いのだが。
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ジェレミー・リフキン『限界費用0社会』の原著は2014年に世に出て翌年訳本が出
たがそれに岐路に立つ日本という章が加えられた。ドイツがスマート社会に変貌し限界費用0社会を迎え入れようとしているのに日本は過去と決別できないでいる。その原因は電力業界だとも付け加えられている。限界費用0社会はエネルギーだけではない。教育然りである。世界の一流教授の講義がほぼ無料化してきている。エネルギーも教育もサービスも社会的インフラ化してきているしあっと言う間に限界費用0になるはずである。国がその気なら。安倍もメルケルを見習ってもう少し頭を働かせて欲しいものだ。
ゼミで質料性に関することを話している学生がそれを物質志向存在論に結び付けているのを聞いてそれはどうも違うと思ったが実はこの接続は自らが『メディアとしてのコンクリート』の序文で記していたのである。そこで自戒の念も込めて少し整理しておく。
哲学的object問題は人間中心主義からの脱却である。質料性の問題は半形式主義である。あえてここに共通点をみるなら反カント反モダニズムである。さらにややこしいのはゼンパーからの流れである昨今の被覆性の復活である。ヘルツォーグ、ピアノ、そして隈研吾と被覆性の系譜はETHに端を発している(というのは川向先生の解説である)。隈さんはこの被覆を反空間として説明している。つまりこれも反モダニズムとして相同的である。
これら3つのモノ建築は相同的だがその現われはそれぞれちょっとずつ違う。オブジェクトとしてのモノ、質料性としてのモノ、被覆性としてのモノ。分けて考えておいたほうがよいだろう。
早川邦彦の集住をだいぶ昔に二つ見た。アトリウムとステップス。どちらもその色使いが印象的だった。同じ頃作られたラビリンスは(1989)は色使いもさることながら3次元的な迷路性が増す(名前の通り)。中央のヴォイドは当初通り抜け空間だったようだが今は住人以外通行禁止になっている。こういう場所はどうしたら上手に使われるのだろうか?
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松尾豊『人工知能は人間を超えるかーディープラーニングの先にあるもの』角川2015を読みながら人工知能は建築家を超えるかと問うてみた。きっと10年後に建築家はだいぶ違う職能になるのだろうなと感じた。創造という行為が過去と違う何かを紡ぎだすことなら過去をディープラーニングしたコンピューターにそう簡単に勝てるわけがないからである。建築家でも芸術家でも歴史を調べ上げそこにやられていないことを考える人はいる。でもその過去を調べ上げる時間が不要になるだろう。自分のデザインをアップロードすれば過去との類似性を判断し、プログラムとバジットをいれれば最適なプランを示し、クライアントの好みを入れればクライアント好みの立面を割り出すウエッブサイトなんてすぐに生まれそうである。豊田啓介は建築家は人工知能を操る調教師になるだろうと言っている。同感である。さて調教師の腕は何で決まるのか?ラーニングでは生まれない何かを誘導する力だろう。本能か、感情か、機械にできない何かじゃないかと思うのだが。
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下吹越武人による代官山にある小さなオフィスビルFLEG代官山(2004)にばったり出会った。3層のすべての階に前面の階段でアクセス可。建ぺい率60%でできた空地を前面広場としているのでゆとりが感じられる。前面の空中梁のようなものの上部は緑化されているらしい。
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一昨年坂牛研で開発し銀の稽古場て初施工した天井アルミホイール仕上げを今年は富士吉田コワーキングスペースて使うことにした。研究室で石膏ボードに貼り付け現場に運ぶ。糊とアルミホイールで平米
五百円しない。先日塩崎さんがこの手法を使われていました。べつに意匠登録してませんので皆さんご活用ください。
赤坂はホテルラッシュ。外国からの観光客のメッカになりつつある。通勤路にある工事中だったホテルに看板がついた。変なホテル。外国の方には理解困難な、いや日本人にも。
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2年前(2016)竣工した時見せていただいた。その時は1階のテナントが入っていなかったような気がするが今はしっかり入っている。石田敏明設計のコルネという名の目黒川沿いの集合住宅。桜の季節は最高のお花見部屋となる。
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