哲学者野家啓一が昨今の金にならない学問への冷遇に抗い、カナダの政治哲学者チャールズ・テイラーを引きながら工学のように有用な学問とは学問の営みそれ自体が内在的価値を持つものではなく、外在的な目的に奉仕する手段として価値があると言う。だから工学は時々間違いを起こす。あるいは利用される。そして有用な学問が空洞化すると嘆いたのがフッサールであった。さらに野家は言う。有用な学問はさっさと結果を出すという言う意味でファストサイエンス。文学はゆっくりと効果が現れるのでスローサイエンスだという。世の中スローな時代にサイエンスもファストだけではだめだとぼくは思う。建築だってファストな分野とスローな分野がなければなるまい。だから人文的な建築の知は必要でありそういうスカラーには是非頑張って欲しいと思う。そして私はその狭間でいたい。
JIAマガジンの編集長になり毎月誰かにお話しを聞くという仕事が始まった。「聞く力」が試される。聞くにはその人を知り、図面も読みこみ、そして何より読者の興味にミートしなければならない。人の建築にあまり興味がなかった僕にとってそれはチャレンジである。毎朝人の建築を見て回るのも結果的には良いエクササイズである。しかし前回も今日もインタビューを終えると新たな発見が沢山あり世界が広がるのを感じている。
JIAの会議に自転車で行くと駐輪場が裏手にあってその正面に竹山聖の名作Terrazza(1991)が岩壁のように聳えている。この高さから見るとまた一味違う。
ベルギーの勝ち方は見事だった素晴らしい。
自転車で青山墓地を通り抜けると根津美術館(隈研吾2009)までちょうど10分。ここで皆さん知っているこの建築をお見せする必要もないと思ったが、薄い鉄板の軒に連続的な錆のパターンが現れているのでご報告。この原因は一体何でしょうか?
都心部の容積率の高い細長い敷地を再開発するとどうなるか?ヴォリュームは両側からの道路斜線で切り立った山のようになる。こういうふうに都心部に法的に可能なヴォリュームを作るとリーガル•トポグラフィーが現れる。これを都市の自然として受け止めるとちょっと面白い。
クライアントに現場小屋として借りた空き家は穴だらけ。所長は扇風機でこの夏を乗り切るつもり。その扇風機の決済もまだ降りない会社は酷だなあ。
8月にグアテマラで年一回行われるホルヘ・モンテス記念国際建築会議の招待建築家のリストを送ってもらった。ロベルトブスネリとベレン・モネオ以外は知らないけれどチラチラっとホームページ見ると皆さんプロの建築家、ランドスケープアーキテクト。素晴らしい方ばかりでとても嬉しい。15人のうち8人がワークショップをやる。やらない人たちは何するのだろうか??というわけでワークショップテーマを書いているところ。テーマは「流れと停滞」建築は建築自体よりその中の人、光、風、音、匂いペット、家具の流れと停滞をデザインすることと定義してその祖型をデザインしそれを使える建築プログラムを考えろという逆向きの提案を3日でやろうと思う。同行する常山さんは破壊をテーマにやるようでこちらも興味深々である。
INVITED ARCHITECTS
- ROBERTO BUSNELLI
- FRANCISCO MANGADO
- BELEN MONEO Y JEFF BOCK
- ROBERTO VIOLA
- CARLOS BETANCOURT
- CHRISTIAN SOTTILE
- DANIEL BONILLA
- SEKOU COOKE
- BORJA ARÓSTEGUI
- ROBERTO DE OLIBEIRA
- JUAN BERNARDO DOLORES
- CARLOS OTT
- SHANE WILLIANSON
- TAKU SAKAUSHI
- MIO TSUNEYAMA
WORKSHOPS
- TAKU SAKAUSHI
- MIO TSUNEYAMA
- ROBERTO BUSNELLI
- ROBERTO VIOLA
- ROBERTO DE OLIBEIRA
- SILVERIO SIERRA
- JUAN BERNARDO DOLORES
- CLAUDIA HARARI
夕方自転車でアンリアレイジのファミリーセールに行く。ジーンズを買おうとお店の人に尋ねるとさも昔からの知り合いであるかのように「昨日来られた丹青社のNさんが坂牛先生の授業でアンリアレイジの話を聞いたと言ってましたよ」とおっしゃる。慌てた。こちらは初めて会う方という認識だから。そのお店の方も、Nさんのことも思い出せない。昨日は大学のキャンパスで横を歩かれていた方から「坂牛先生暑いですね、、、」と言われをのまま100メートル話をしながら歩くのだが思い出せなかった。4日前は水戸の駅で役所の方から呼ばれたのだが人違いだと思ってさっさと無視して歩いていたら再度呼び止められてやはり自分のことを呼んでいるのことを理解した。というわけで今後は私から聞くか、もし私が怪訝な顔をしていたら名前をつぶやいていただけると助かります。
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