塔
マグダ・レヴェツ・アレクサンダーの『塔の思想』を読むと人間には高所衝動なるものがあると書いてある 。そう言わないと人間がこれだけ塔を作ってきたことを説明できない。ニューヨークの戦前の摩天楼ももはや経済性で作られてはおらずここには「塔性」なるものが潜んでいるというのが僕の修論の結論の一つだった。塔を作りたくて日建に入ってアクアラインの「風の塔」を作れたのは収穫だった。そして今二つ目の塔を宮晶子さんと共同設計している。さてここにある塔は何に駆り立てられてつくっているのだろうか?というわけで塔を見るとその下に言ってなんでこんなものを作ったのか問いかけたくなる。東京タワー(日本電波塔、日建設計、内藤多仲指導、1958)は僕より1歳兄貴、60歳である。
パトスを掬う
とあるカメラマンに今設計している建物の模型写真を撮ってもらうことにした。彼は僕らが言葉では説明しきれない何かを撮れたら嬉しいと言ってくれた。僕は建築をロゴスで語ろうと躍起になっているが創る瞬間はパトス漬けだしそのほとばしるパトスを活写してもらえるのなら見てみたいと思うのである。
そんな模型写真をみたことはあまりない。いや僕の経験では一回もない。だからだろうか建築の展覧会に興味が湧かない。展覧会に並ぶ建築は建築じゃ無い。そこにあるのは建築のロゴスの残骸のようなものだからである。同じ時間をかけるのならパトスを感じることができる美術の展覧会に行く。その方が自分を充実させることができる。では本物の建築ならパトスに出会えるのか?じっくり端から端まで内も外も舐めるように見ればそれに出会えるかもしれないが外観をちらっと見たからっと言ってそんなパトスに出会えるのは10回に1回くらいである。ではなぜ毎朝見ているのかというとそれでもパトスに出会えるかもしれないと期待しているからである。
バウハウス イマジニスタ
8月5日にゲーテインスティチュートでバウハウスのシンポジウムが行われる。関連してkyokaのアートインスタレーションにコラボしてハウスを制作中。外装黒ペンキ塗り終わり。
NIKKEN SEKKEI
去年NIKKEN SEKKEIのロゴがとてもきれいになった。聴くと大谷の監修だそうでさもありなん。評判がいいのは分かるが、ここまでやる?
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