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Mar 2019

キックオフ

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by 卓 坂牛

昨日研究室のキックオフミーティングをした。少々遅刻して部屋に入ると未だ学生が集まっていない。と思ったらこれで全部だった。留学組は偶然か意図的か分からないが完成間際の現場作業でいない。加えて二部生が減ったので全部で20人弱だった。研究室にはいりきるこのくらいの人数は理想的。毎年留学やインターンシップから帰って来る学生がいるので行く人もいないとバランスしない。4年になった時から準備してほしい。

竣工式

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by 卓 坂牛

子供の家の竣工式にお呼び頂いた。いつも施工者に同じお花を手配していただくのだがランが来たのは初めてだ?華やかなだなあ。

黄色い部屋

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by 卓 坂牛

理科大理工の吉澤先生は附属の同窓で照明の世界では既に第一人者である。そんな彼に昨年ウィグリーの『白い壁』を翻訳しているのですかと聞かれた。意匠系の人だって滅多に知っている人がいないのに環境の先生が知っているのはなぜかと聞くと彼は今「白」の研究をしているという。なるほど、、そんな訳で学会の光環境の委員会のシンポジウムの協力を依頼された。しかし彼と話していると「白」だけを話すのは如何なものか?白は色と合わせて語りたいところ。それで僕の色へのこだわりの一つ黄色い部屋(茶室)を見せた。この黄色い部屋では実は数種類の黄色を使っている。光が強く当たるところは薄い黄色当たらないところは濃い黄色。つまり光の効果を先に色で先どりしている。すると今度実測しに行きたいと言われた。では測ってみましょうという話になった。

IADDB

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by 卓 坂牛

IADDB(international advertising & design database)というサイトをご存知だろうか。著作権が切れた世界中の雑誌、本、ポスターなどの全ページを無料で見ることができる。例えば『デ・スティル』、『G』、『エスプリ・ヌーボー』などなど。驚き。

3月3日

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by 卓 坂牛

今日の翻訳読み合わせの部屋が3号館333室。3月3日に333とは縁起がいい筈だか、この晦渋な文章にはいつもながらてこずる。先日東大の加藤さんに一昨日理工の吉澤さんにいつ出版されるか聞かれたが早くて来年である。
ところで雑誌のタイトルは訳さないで発音カタカナ表記+言語表記か多いがルールはあるのだろうか?

拡張

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by 卓 坂牛

坂牛研のEさんが田根剛さんのところでお世話になっていたのでJIAマガジンの取材はスムーズだった。続くRCRの取材も坂牛研を出てインターンシップでRCRに1年間いたH君のおかげで話が聞けた(通訳もしてもらった)。そしてこの秋来日してギャラ間で展覧会をするアーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユーのところには僕の助手のO君がかつて働いていたのでこれもうまく取材できるだろう。使えるものは親でも使えというが世界に広がる研究室コネクションは実に貴重。みんなに感謝。これからも皆自分の生きる世界を地理的にも職能の領域的にも拡張して行って欲しい。世界は様々なスピードで変容している。

JIAマガジン4月号

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by 卓 坂牛

4月号の表紙は3月23日までギャラリー間で展覧会を行なっているRCRアーキテクツの橋のプロジェクト(La Lira Theatre Public Space)が生まれる時である。RCRは設計の最初に必ずこうした水彩画でコンセプトを描きだし3人のメンバーの意思を感覚的に統合していく。展覧会をご覧になった方はここには水彩画ばかりだと当惑したかもしれないがこれこそが彼らの建築のスタート地点なのである。本号ではさらにRCRでのインターンシップ体験記を兵郷喬哉さんに書いていただいた。RCRの設計姿勢がとてもよくわかる興味深いレポートである。
巻頭インタビューでは昨年3つの賞を受賞して話題になった『時が作る建築』の著者である建築史家の加藤耕一教授にお話を伺った。再利用、保存、再開発という視点から建築史を読み直すという壮大な歴史観に圧倒される。また最近10+1のウエッブサイトの連載「アーキテクトニックな建築論を目指して」では建築の素材性、構築性から建築史を再読している。いずれも現在の建築論を刺激するホットな視点である。
JIA勉強会報告では電機大学講師の小笠原正豊さんによる「BIMとこれからの設計/ 施工について」を紹介した。BIMの概念、その海外日本での普及の状況、そして日本での普及を阻む諸条件がとてもわかりやすく語られている。BIMが普及するためには設計と施工の現状のあり方が変化するかもしれない。しかし重要なのは発注者のニーズであるという小笠原さんの言葉に賛同する。
賞のシーズンの先陣を切ってJIA25年賞5作品、25年建築選11作品が発表された。葉さんの小国ドームも受賞。できたのが昨日のように思い返されるが学生時代だったのだから30年経っていても不思議ではない。
JIA活動紹介では関東甲信越支部の建築セミナーで行われている9つのプロジェクトの一つ、「まもなく半世紀、建築家はいま。1970年代から現在と未来を考える」という座談会を報告していただいた。坂本一成、布野修司を迎えた白熱した議論は傾聴に値する。

社会性

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by 卓 坂牛

来週の今日3月9日土曜日に法政大学でシンポジウムを行います。テーマは「社会性」です。
私たちは数年かけて建築論キーワード集(フォーティーの言葉と建築のようなもの)の出版を考えております。
そこで昨年100名の建築家、歴史家に建築論に欠かせないキーワードを伺いました。半分の方から回答をいただき予想に違わず極めて広範な概念の広がりを確認いたしました。そこでこの広がりを「建築の自律性他律性」という枠組みで整理していくことにし、昨年理科大にて自律性の観点から「形態言語」「アルゴリズム」などを議論しました。そこで今回は他律性の観点から「社会性」を議論するわけです。
この問題は6月に京大において「自然」をテーマにし、さらに夏の学会PDでは北山恒さん香山壽夫さん加藤耕一さんらを交えて自律性、他律性双方の立場より議論していきます。
場所は法政大学に数少なく残された大江先生設計の市谷田町校舎です。ぜひご来場ご発言いただければ幸甚です。何卒よろしくお願いいたします。

仕事は待ってくれない

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by 卓 坂牛

仕事は待ってはくれない。来週末の学会の建築論シンポジウムの配布資料をまとめることとなり、一方で学会の照明委員会のシンポジウムの登壇を依頼される。対談を提案したら相手と話しをつけることとなり仕事が増えた。あっという間に一か月たちJIAマガジンの編集後記の締め切りが来週半ば。そこには研究室のキックオフミーティングがあり輪読本を選ばなければならない。マドリード工科大学のベレン、チリカトリカ大学のディエゴ招聘の書類を作って大学に出し、夏のカトリカ大でのWSの日程を決めたらモンテビデオ共和国大学のベルナルド教授にメールしてWSの提案をしなければ。3月20日入稿の新建築原稿写真はまだ何も無い。掻き集めてブラッシュアップしたいところだがそこに載せたい建物は未だ工事中。そして、神楽坂の運動と風景は佳境を迎え家電が入る入らないで大騒ぎ。甲府では寺のお堂が着工。こんな調子で『建築の制作』の推敲は遅々として進まない。やれやれ、

建築および建築外的思考

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by 卓 坂牛

『人新世の哲学ー思弁的実在論以後の「人間の条件」』人文書院2018を読む。タイトルが示す通り「物」の哲学をさらに現代的な問題群につなげる著書である。これを建築的に読むと人間世界をその中で閉塞させるのではなくその外側にどのように繋ぎとめるのかと読める。しかしそれは端に開放的な自然建築を作りましょうということではない。むしろ重要なことは建築および建築を利用する人間がそれ以外の何かと関係性を持ってそこに存在していることをどう意識化するかということである。我々が日々感じる自然とジャーナリスティックに騒がれる自然がどう結びつくのかを認識することである。われわれは小学生のころ身近に感じる自然が犯され破壊されていたのを目の当たりにした。例えば光化学スモッグに苦しみ、公害と戦うラルフネーダーはヒーローだった。しかるに現代日本社会では自然破壊は眼前の恐怖ではないところが難しい。でもそれは意識の中になければならない。