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Jun 2019

二つのサイズの共存

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by 卓 坂牛

19世紀アメリカでは住宅は家族を包む器だったが20世紀住宅は「建築」となり家族は消えた。このことが2015年の東南大学でのシンポジウムのテーマだった。日本でも多木浩二の『生きられた家』では建築家の作る「建築」としての住宅が人によって作られた家と比較された。この時多木の念頭にあったのは篠原一男の住宅である。非日常を標榜すれ篠原住宅には人は登場しない。故に空間のサイズも人と関係しない。住宅は広ければ広い方が高ければ高い方がいいのである。しかし篠原は高い天井ばかり作っていたわけではない。唐傘の家に篠原研の先輩たちと伺ったとき先輩たちは異口同音に入れこの低い天井の空間に注目していた。身体サイズの空間が丁寧に設計されているのを再認識したのである。篠原が家族を念頭に身体サイズを作っていたとは考えにくいが、このフォルマリスティックな大きなサイズ(から傘)と身体的な小さなサイズの共存に共感する。図らずも自邸にそうした二つのサイズの共存を意図したのはこんな篠原を横目で見ていたからかもしれない(写真は2015年に撮ったもの)

 

Missoni Adidas

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by 卓 坂牛

森美に行ったらアディダスが半額だった。つい綺麗な色とウルトラブースト(めちゃくちゃにクッション性の高いソール)に惹かれて衝動買。よく見るとミッソーニとのコラボ。色の出方が違う。

 

塩田千春

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by 卓 坂牛

塩田千春展を森美に見にきた。素晴らしいと思う。一方最近のアートはどんどん大きくなっている傾向を感じる。視覚的刺激を強めるのに大きいに越したことはないのである。まあ楽しいけれど。

ボードメンバー

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by 卓 坂牛

先日日建のNが取締役になりお祝いしたが彼は中高の同窓でそのあたりの飲み仲間には某銀行の副頭取がいる。Nは大学も同じでやはりそのあたりの仲間には組織設計の専務と土木会社の取締役がいる。学生時代には予想もしてなかったがめでたいことである。ボードメンバーになるような人物に何か共通してることがあるかといえば常識人でジェネラリスト。たまたまこの4人に共通しているだけのことだろうが。

外と内のグラデーション

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by 卓 坂牛

ベレンは飯田鯖のスタバに行くと必ず2階のテラスに行く。ヨーロッパ人は外が好きだ。しかし集住のテラスはマドリードでも(日本でも)まったく使われないと嘆く。理由は煩い、暑い、狭い、動線が上手くとれていない。つまり使う前提で設計されていない。集住以外にも建築が外と繋がる可能性は多い。山梨はオフィスにバルコニーをつけることを自らに課していると言っていた。避難のためだろうが外で働く可能性は大きい。日本女子大の図書館には沢山のテラスがあり外部読書の可能性を見せる。

建築の温湿度環境は多様化しているが音環境も加えて考えていくと外と内の間にはいくつかの環境設定が可能でそれらは使う人の選択肢にあっていいと思う。そうすると建築はもっと豊かになるはずである。

日本美術と西洋美術

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by 卓 坂牛

日本美術と西洋美術を比べた本はありそうでなかった。宮下規久朗の『その時西洋では』は時代ごとに何が作られたかを比較している。それらを見ると西洋美術がいかに建築主導で生まれているかが分かる。建築に彫刻が付き絵画が描かれる。一方日本では彫刻絵画は移動することも多い。それ故西洋では建築家がアートを取りまとめる指揮者のような位置にいられるのかもしれない。

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by 卓 坂牛

昨晩山梨がしみじみと「この家は気持ちいい。今まで僕はこんな空間を作ったことはない」と言う。また我が家は写真で見ていたらスタイリッシュな建物だと思っていたが違うとも言う。「何が?どこが?」と聞くと例えばソファ周りをアルコーブ的にスケール落とすところなどをあげる。加えてその作法が吉村順三的で芸大生として嫉妬すると冗談半分に言っていた。確かにこの家はフォルマリスティックな大きなサイズと身体的サイズを同居させている。

ベレン帰国

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by 卓 坂牛

11日間日本に滞在したベレンは昨日帰国した。スペイン人だけどアメリカ的なプラグマティズムを持ち合わせ日本文化をこよなく愛する人である。しかもかなり渋い。着物が大好きで我が家で着物を見せたら左下の絣が一番好きだった。来春に二人マドリードの学生をよこしたいと言う。ではその逆に二人マドリードに行きたい人いませんか?

山梨

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by 卓 坂牛

河口湖の家具職人Yさんと打ち合わせ。World Wood Dayという国際的な家具制作者が集まるワークショップ用の工房を作りたいという話しだったが来春には基礎があればいいということになった。

場所を甲府へ移動して新聞発表された地域総合子ども家庭支援センターの打ち合わせ。

続いて市内にあるお寺の現場に寄る。明日からの雨の前にルーフィングが終わり一安心。