ファイナル・レビュー
3時からファイナルレビュー。4人のゲストクリティークを迎え総勢8名のクリティークは実に豪華。1チーム説明10分、クリティーク20分。終わったのは7時である。全てのチームがほぼ完璧なグラフィックのボード(4枚のA1ボード)を作り上げていた。おそらく今までやった海外ワークショップなの中では最高のクオリティだろう。それは実質的には3週間をかけているからかもしれないが彼らが南米1を誇る学生だからでもある。僕のスケッチブックには彼らの変化の過程が殴り描きされている鉛筆がファーストコンタクト、緑、赤と成長していく過程がわかる。レビューの後はキャンパス内でアサドパーティーという企画も嬉しい。
カトリカ大学の図書館
カトリカ大学の図書館は地下にある。上部を広場にするためである。地下の図書館の片側は大きな階段で地上とつながる。片側にコリドーがあり図書館はガラス張りで開放的。広場にはもう一つ地下におりていく階段がある。このキャンパスで一番好きなこの建物は実はこの大学の卒業性であるシシリア・プーガとスミルハン・ラディッチらの共作である。
MUSEUM OF MEMORY AND HUMAN RIGHTS
ラテンアメリカでは1975年前後に一斉に軍事政権が現れる。社会主義化を恐れたアメリカの支援による。チリでは73年にピノチェットがクーデーターを起こし徹底した左派狩りを行い処刑した(89年まで続く)。ノーベル賞受賞者のネルーダも拘束された。そうした負の遺産を記録する場所が最初にできたのはアルゼンチンでロベルトたちがコンペで設計をした。素晴らしい建物だった。ここサンチアゴではコンペでブラジルのチームESTUDIO AMERICAが設計し2009年に完成した。名前はMUSEUM OF MEMORY AND HUMAN RIGHTS(人権と記憶の博物館)である。処刑者の顔写真が壁面に所狭しと貼られているのはアルゼンチンと同じちなみに昨年行ったグアテマラでは街路の壁に貼られていた。当時の日本政府は反共を理由にピノチェットを支持していたのだから悲しいものである。僕らが行った時地元の高校生の一団が見学に来ていた。僕らが広場で休憩をしていると彼らは僕らのところに来て何故ここに来たか、軍事政権を知っているか、など質問して帰って行った。インタビューの課題が課せられているのだろう。
グラフィカルなプレゼンテーション
カトリカ大学の建築学部キャンパス内には至る所に学生の課題の作品が展示されいている。その一部にはこんなコラージュを多用したグラフィカルなエレベーションやセクションが模型とともに貼られていた。こういうテクニックはdラテンアメリカではどこの国でも(ペルーでもアルゼンチンでも)とてもうまい。日本でも教えてもいいかも。教えられるかどうかわかないけれど、、
CEPAL
ラテンアメリカのベストアーキテクチャーと言えば必ず登場するのがEmilio Duhart設計のThe United Nations Economic Commission for Latin America and the Caribbean である(スペイン語でCEPALと省略される)。これはラテンアメリカとカリブ海に接する国々の経済問題を議論する国連の1組織で日本も加盟している。1966年にできたこの建物を設計したEmilio Duhartはコルビュジエのもとでチャンディガールを担当していたという。その類似は一目瞭然だが中庭の緑や1階を完全にピロティにしている(現在はそこにオフィスが作り込まれてしまっているが)あたりはチャンディガールとは異なる。ラテンアメリカではブラジルをはじめこうしたピロティ(パブリックルーフ)の日陰が実に有効に働く。1辺100メートルの正方形プランは街区の大きさと同じ。ピロティを作るための巨大な柱と本体は免震構造でつながっているのには驚いた。
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