古来、言い継がれた価値として「真善美」があるが、一体誰が言ったのだろうか?どうもカントもそれに加担しているようである。配偶者の本棚にある『子供のためのカント』に書いてある。しかしそれが価値なのか????
それに対して、三田宗介は次のような価値の考え方を提案した。人は今何を欲し(今の価値)、そして将来何かを欲するだろう(未来の価値)さらに人は自分のために何かを欲し(自分のための価値)社会のために何かを欲する(社会のための価値)。この二つの軸でマトリックスを作ると4つの価値が生まれるという。
- 現在、自分のための価値
- 将来、自分のための価値
- 現在、社会のための価値
- 将来、社会のための価値
自分を基準に言われると、つまり実存的に価値を考えると価値がにわかに身近になる。そして自分のためだけではないというのもそれはそれでその通りである。さらにそこに時間軸が入るというのも説得力がある。こんなことを修士の学生の頃に考えていたというのが信じられない。
There is a value that has been handed down from time immemorial, “true goodness and beauty,” but who said it? Kant is complicit in this as well. It’s in Kant for Children, which is on my spouse’s bookshelf. But is it worth it?
In response, Sosuke Mita proposed the following concept of value. People want what they want now (present value) and want something in the future (future value). You want something for (value for yourself), and you want something for society (value for society). If you create a matrix with these two axes, he says, four values are created.
Value for yourself Today.
Value for yourself in the future
Value for society Today
Value for society in the future
When we have to think in terms of ourselves, in terms of our existential value, the value becomes instantly familiar. And that’s true that it’s not just for me. Furthermore, the fact that the timeline enters there is also compelling. I can’t believe Mr. Mita was thinking about this as a master’s student.
アルゼンチンの親友ロベルトがブエノスアレス大学で招待講演するポスターが数年前に理科大でやったワークショップ(スラムにセルフビルドで作る住宅の提案)の学生作品の写真。ちゃんとクレジット入れてくれてありがとう。山本、三田チームと寺田、ラトゥールチームの素敵な作品。
午前中zoomでマウントフジアーキテクツの二人にインタビュー。原田さんはなんと僕のUCLAの先生エリアス・トレスの事務所で働いていたのでした。急に親近感が湧いた。彼らは建(上屋)と築(基盤)を作るのだと言っていた。ゼンパーは基礎と炉と骨と被覆と建築の要素は4つと言いていたが彼らはなんと2つで作る。このミニマリズムがあの建築を作っている。午後のゼミ後ポストを見たら、だいぶ前に頼んでいたThomas Daniell著のAn anatomy of influenceが届いていた。著者は京大の教授でこの本を読めと言ったのはバルセロナのエンリックである。なんでだろうと思って表紙をくくるといきなり代々木上原の住宅の工事中写真である。日本の建築家12人の分析は篠原一男から始まっていた。
理科大建築学科の社会人コースが4月から神楽坂で開講した。最初の学生20名の最初の課題は2部でやっていた課題を踏襲して「光の部屋」で、7.2×4×9メートルの箱に光の空間を作れという課題である。その課題を学生だけではなく、近しい建築家や教えている先生にもやってもらおうと校長先生の建築家広谷純弘さんが呼びかけた。そしてネット上で展覧会をしてシンポジウムもやろうということになった。題して「光の部屋ーコロナの時に」である。
僕も一案考えた。コロナは人を引き離しているが、人が会うことの意義を再考する場所を、まだ見ぬ大学に思いを馳せる新入生にプレゼントすることにした。
ウィグリー翻訳は3回目の読みこみが皆残すところ30ページくらいである。毎回訳語の統一1時間半くらい議論する。例えばロースの被服の法則(Law of dressing)に対してゼンパーのそれは被覆の原理(Principle of dressing)とするとか、dress clothing garment outfit apparel をどう訳し分けるか、などなど、最後に4回目の読みをしてなんとか夏にあげたい。翻訳終わって今日は栗原はるみ流オムライス(オムレツは別に作る、トマトソースに拘る)。美味い。
大澤真幸による柄谷行人と見田宗介の分析インタビューを読んだ。僕がJIAマガジンで多くの建築家相手に行なっている聞き方と同じで彼らの足跡を最初から最後まで等価に追いかけることで彼らの思想的根拠とその書き方を明らかにしている。僕にとって柄谷と見田はとてつもなく重要である。その理由のひとつは2人がマルクスの乗り越えをベースに思想を作っているということ。マルクスは僕の原風景でもあり少なからずシンパシーを感じている思想家だからである。もう一つは見田は実存の問題(愛とか幸福とか死やエゴ)を社会学の目的にすえていること。僕は建築でも実存を問題化したいと常々思っている。また柄谷は学問を越えてその生き方に自分の理想を見る。特に彼の世界を相手にする態度は見本である。さらに衰えぬ知力である。彼は名著『世界史の構造』を70で書いている。目標にしたい。
学部1年生に製図の基礎を教える授業がある。RCは住吉の長屋をコピーし、木造は白の家をコピーする。教科書は篠原一男の空色の図面集である。空間の基礎を知るのにあの本は適当ではあるが、残念なことにあの大きさの本にするために縮尺の操作がなされ図面は大体1/100で描かれている。そうなると木造でも柱や土台や基礎のない平断面図とならざるを得ない。原図の平面は1/50、断面図はなく、あの有名んが矩計図1/20のみある。篠原一男の住宅原図に断面図があるのは少ないだろう(地の家にはあるが)矩計があれば断面図は確認申請以外にはいらないだろうから。白の家の図面リストを見ると木造住宅の図面とはこんなものだと理解できる。特徴的なのは平面図以外に床伏図があるのと平面詳細図が5/1という縮尺で描かれていること。
神楽坂にオー•メルベイユー•デ•フレッドなるお菓子屋さんをフランス人夫婦がやるとの噂だった。4月オープン予定だったが2か月遅れ。今朝雨の中サイクリング🚴♀️していたらやっていたので思わずレクラミックなるちょっと甘いパンを買って朝から食す。この店のシャンデリアは大きいなあ。
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