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Dec 2006

ゼミ憂鬱の季節到来

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by 卓 坂牛

今年もやってきたゼミ佳境の季節。憂鬱といったら学生に悪いが、沢山書いた論文を梗概にできないでいる。要約することは適当に論文の要点を抜書きすることではない。短い字数に直すのだから書き換えなければいけない。冗長な表現は避けたうえで更に切り詰めなければならない。それがだれもできない。制作と並行に行うのだから大変なのはわかるけれど、書いた文章を読み返してみろよと言いたくなる。まあ友人の新聞記者が部下の原稿を真っ赤にすると言っていた。プロでさえそうなら、アマチュアなら仕方ないとも感ずるのだが、そもそもレベルが違う。
夕刻日建から電話、金箱事務所からファックス、事務所からメール、大量の即応事項が押し寄せ、研究室の忘年会には出席できなくなってしまった。申し訳ない。せいぜい皆今日の先生の罵声を酒で洗い流し、明日から気を入れなおし頑張って欲しい。このまま行くと来年の研究室はとても学生が収容できなくなってしまう。

電話会議

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by 卓 坂牛

初めて国際電話会議なるものを行った。国際プロジェクトではこう言うことは普通なのだろうか。大きな丸テーブルの真ん中に電話回線に繋がったスピーカーがあり2つのマイクがテーブルの2箇所に置かれる。これはarupとの会議。目の前には設備と外装のエンジニアがいる。設備は日本人と、イギリス人、外装エンジニアは日本人。それをしきるpmはイギリス人。スピーカーの向こうには香港にいる中国系の英語を話す防災エンジニアと、オーストラリアにいるエレベーターのエンジニアである。イギリス英語と中国英語とオーストラリア英語と日本英語が飛び交う。これはかなり分からない。ノイズがはいると殆ど分からない。日本側は多分私が分かるほうなのでイギリス人のpmがスピーカーの向こうの話が終わる度に私の方に目くばせして分かる?と言う表情をする。分からないという顔をすると、彼が再度解説する。しかしこのイギリス英語が私としては苦手である。こんな会議がこの先半年も続くのかと思うとストレスがたまる。

打合せ

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by 卓 坂牛

朝リーテム中国工場の打合せ。年明けに上手くスタートが切れるだろうか?とにかく日本の建築とは異なり未知数が多すぎる。午後anaホテルでニューヨーク・ジャパン・ソサイエティのダンス部門のディレクターの塩谷に会う。3月に行う横浜でのシンポジウムの打合せ、2時間お互いしゃべりまくり、おおよそのラインができた。街とアーティストを物、現象、制度の側面から追おうということにする。二人でやるのもなんだからアーティストを呼ぼうということになる。小沢さんとかいいねえという私の希望で、彼女が即電話即okを頂く。嬉しい。夕刻事務所でt邸の打合せ、延延と。おおよその方向性は2つに絞られる。

木造三階建て

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by 卓 坂牛

t邸の検討。住宅なのにこんなにキュウキュウの設計をするのは始めてである。基本設計なのに数センチの検討が続く。それというのも貸室が二つあるからなのだが。今までおおらかな計画ばかりだったからこのギャップにはやや閉口。三階建てなので構造の制約も大きい。お金も無いからタダの箱にしたいのだが、それだと要求が納まらないということもあり変則的な構造を考える。考えたそばから金箱さんに電話。うーんとうなる。できなくは無いが、コストアップになるという。タダの箱だから簡単なので。とお願いしたのだが、設計が進むと案の定面倒になる。そんなことを予測していたかもしれないのだが、「全然簡単じゃないね」とイヤミを言われる。いや好きで複雑にしているのではないのである。タダの箱に勝るものはない。そんなことは分かっているのだが、要求が厳しいのである。

年の瀬

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by 卓 坂牛

今日は年賀状とアルバム作り。朝一で近くの55ショップに自転車を飛ばす。アルバム用の写真を150枚注文し、四谷駅のpaulというパン屋でバゲットを買う。(この店はこれ以外は異様に高いので美味しそうだがこれしか買わない)。そして近くのスーパーでセロリとみかんを買って帰る。年賀状をイラレで作って印刷。宛名書きするために名簿整理。今年は名簿を放っておいたのでひどいものだ。名刺をかき集め、必要な人は名簿に入力。宛名の印刷をして、名前は手書き。
55ショップからプリントを取ってくる。毎年恒例でこの写真をアルバムに貼るのは娘のバイト。結構手間。毎年20冊程度作るのだが、今年は同じアルバムが9冊しかなかったのでまあ9冊でいいことにした。やっとさっき作業は終わった。クラブワールドカップもスケートも見ずにひたすらこの作業に没頭。これをすると年末という感じである。

ランチミーティング

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by 卓 坂牛

ランチを食べながら中国からやって来た張さんから中国人の通訳候補の話を聞く。張さんは中国の竹を日本で炭にしてその粉を使いながら+イオンを吸収するエコ塗料を開発している。北京の会社の総経理だが、上海にもブランチを作ろうとしている。その会社に応募してきた日本語の上手な中国人を推薦してくれた。日本の企業と一年付き合えばその後自分の会社で雇う時にもいい経験を重ねプラスに働くだろうとのことだ。
午後ナカジとアロップのテクニカルドキュメントを読む。40ページに及ぶ英語を斜め読み。しかしさすがアロップ。しっかりした資料を作るものである。しかし完全には理解できないところもある。次回のミーティングで聞かないといけない。
夕食後、年賀状、アルバム作りをスタート。明日の日曜日に作ってしまいたい。

long day

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by 卓 坂牛

今日は久しぶりのlong dayである。疲れた。午前中講義、午後製図、夜ゼミ、終わったら12時過ぎ。しかしかなり4年生の進捗の遅さは心配である。この調子で終わるとは思えない。かといって何でもいいから作れとも言えない。修士も遅い。卒業ゼミの後輪読。『生きられた家』が終わった。今年の輪読は終了。その後設計ゼミ。現在某住宅の仕事の設計をm1が加わってやっている。彼には絶好の勉強である。監理は事務所でやるが、できる限り図面を書いてみる。これに勝る設計の勉強は無い。明日の朝一のバスで東京に行き。昼渋谷で人に会う。早く帰って寝たいところである。

やっと終わったのだが

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by 卓 坂牛

やっと博士論文の下見審査発表会が終わった。大げさに言えばこの日の為に約1年のろのろとやってきたのである。それだからこそ終わればもっとすっきりすると思っていたのだが、全然である。ちっとも嬉しくない。本審査やら、なにやら、最終発表会は2月だということもある。更に終わったそばから書き足したいことや、もっと深く考えたいことばかりが頭をもたげる。結局論文も設計も同じなんだな。その上贅沢にもなんとか出版したいなどと考え始めると営業活動をせっせとやらなければならない。加えて事務所の仕事のマネージメントやら、設計やら、錯綜する多くのことは一向に減る気配がない。押し寄せる怒涛の波を掻き分けちょっとづつ進まなければならないのである。もちろん押し寄せる波が無くなるとそれはもはや人生の終わりなのかもしれないのだが。

楕円

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by 卓 坂牛

12月13日
朝一で打ち合わせ。某海外プロジェクトの総合会議。なんとも出席者が多く冗長な会議。久々にこの手の会議に付き合ったが眠くなる。午後事務所に戻り様々な打ち合わせ。目が回る。その間鹿島出版会から新しい翻訳の企画が通った知らせが来る。ほっとする。夕刻事務所を飛び出し最終のバスに飛び乗り長野へ。車中横山正の『透視画法の眼』を読む。ルネッサンスあるいはバロックイタリアと現代を比較しながら記した多くのエッセイが集められた書。17世紀バロックの楕円とやはり17世紀ケプラーの楕円軌道の類比は面白い。更に楕円を多用したボッロミーニとベルニーニの比較は楽しい。ボッロミーニは楕円を軸線に対して長手に置き、ベルニーニは短手に置く。前者は運動性が現われ、後者は優雅さが現われると指摘している。そう言われてみればそういう気にもなる。

松本経由新宿

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by 卓 坂牛

午前中大学キャンパス計画のための協力者の面接。いい人が見つかった。そのキャンパス計画のために午後松本へ。初めて快速電車に乗ってみた。これが快速とは名ばかりでのんびりゆっくり進んでいく。会議は2時間ほど。皆で夕食をとり、私は一足先においとまし8時のあずさで新宿へ。ミケランジェロを読み終える。彼はルネサンスの建築家とは言えども晩年のカンピドリオなどは既にバロックの様相を呈している。面白いものだ。