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Oct 2007

英文とにらめっこ

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by 卓 坂牛

明日の勉強会のためにジョフリースコットの本を読んでいた。結構面倒臭い本である。昼に中華を食べに出て、夜はうどんを食べに行く。後はひたすら読んでいた。こんな日もある。

ヴィダル・サスーン

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by 卓 坂牛

午前中の講義と午後の製図。今年の2年生は去年より元気がありそうな気がして嬉しい。あくまで最初の印象だけど。これが半年続くと豊作なのである。そしてそうした印象があると講義も製図も力がはいるのだが、相変わらず講義では寝ている輩が2割くらいる。そういうやつは来なければいい。別に選択なんだから取らないで欲しいのだ。いちいち寝ているやつに起きろという気も起こらないし。
帰宅の車中で『ヘアー・カルチャー』を読む。読みはじめは余り惹かれない本だったのだが、途中からがぜん面白くなってきた。ヘアデザインにもモダニズムがあったというあたりが興味をそそる。50年代まで、欧米のヘアデザインは彫刻の如くパーマをかけて逆毛を立てて形を作ってスプレーで固めると言うものだったという。60年代になってもビッグヘアーと呼ばれるそうした彫刻のようなヘアーデザインは全盛で一晩寝るともう崩壊とうい代物だった。それを革命的に変えたのがヴィダル・サスーンだった。英国生まれの彼のヘアーデザインポリシーは「ただ正しく切ればいい」というものでその人の髪質と頭の形にあった切り方を目指したものだったそうである。そして彼のカットは一日で崩れる彫刻ではなく、固定的な定型を保つのではなく髪に合った自然の形に戻るような切り方だったそうだ。『ヴォーグ』の編集者グレース・コディントンはモダニズムの理念をヘアデザインに導入したのはサスーンであると主張した。更に『ヴィダル・サスーンとバウハウス』なる本まで出ているとのこと。
確かにカタチ優先から機能的な髪型へのデザインとはいかにもモダニズム。しかしサスーンがアメリカに最初の店を出したのは1965年でコルビュジエが死んだ年である。なんともその時代差は不思議と言えば不思議である。

レートショー

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by 卓 坂牛

10月18日
午後一杯使ってやっと科研の資料作りが終わった。強がりではなく、補助金を取るためにやっているわけではなく研究の頭の整理として資料を作っている。意匠の研究は金がかかることはあまりない。地道な肉体労働と頭脳労働で器具や設備がいるわけではない。むしろ金がかかるという意味ではコンペにお金を出して欲しいのだが、コンペに補助金は出ない。8時に資料ができたので少し迷ったがシネコンにレートショーを見に行く。9時からやっているのは「キングダム」というテロの映画だけ。最近のアメリカ映画も少しは考えているのか、アメリカの勧善懲悪で終止すしない、しばしば映るアラブの普通の平和な生活がそのムードを和らげる。ラストシーンは双方の憎悪が解決しないまま終わる。
しかしここのレートショー前回は6人、今日は5人しかいなかった。このまま行くとなくなってしまうのでは?やっと見付けた長野での楽しみなのだが。

優秀建築選

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by 卓 坂牛

昨日の焼酎がちょっと残る。朝事務所により、昼のアサマに乗る。車中成実弘至編『モードと身体』を読み終え、グラント・マクラッケン 成実弘至訳『ヘア・カルチャー』PARCO出版1998を読む。最近は成実さんが関わった本を片っ端から読んでいるが、面白いなあ。夕方の会議に出席。たいした内容ではなかった。これなら誰かに代理出席してもらって、大阪でやっている日建会に行くべきだった。夕食後、木島さんからメール。角窓の家とするが幼稚園 両方とも日本建築家協会優秀建築選 2007 に選出されたようである。応募資料を作った労力が報われた。200も選ばれるのだから狂喜乱舞ではないのだがまあ何もないよりはましである。大学などというところでは、こう言う賞が唯一実績の質を保証するものということになるのである。

分からない設計

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by 卓 坂牛

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10月16日
ビルの中の茶室の設計を頼まれた。伝統的なそれではなく現代的な茶室が欲しいようである。とりあえず大きさなどは決まったのだが材料が問題である。エコロジーの会社なのだからなるべく少ない材料であまり何もしないで作りたい、例えば布とか、、、シースルー茶室、、、、それじゃあ蚊帳か?
午後日本工業大学の小川先生を訪ねる。来年ワークショップをやろうかという相談。打ち合わせ後に小川先生の設計した日本工業大学の百周年記念図書館を見せてもらう。この建物は設計が終わったころにその設計プロセスを事務所でも信大でもレクチャーしてもらっており内容はよく知るところ。テトラポットの枝が一つ取れたような形をし、断面的な斜め線が様々なところに現れる。単に壁が斜めというだけではなく床や天井も斜めのところが多い。機能的には図書館であるが、一般的な図書館のイメージに比較すればもう少し学生の溜まり場としてのスペースが多く取られている。
この建物は不思議がところがいろいろある、ダブルスキンのようでダブルスキンではないところがある。図書館としての静寂さを作るための材料は殆ど使われてない(床、モルタル、或いは木、壁モルタル、天井ボードリシン)のだが、そんなに煩くない。構造を晒そうとするように見せかけ見えないところもある。などなど、いろいろなことが中途半端なのである。何故だかよく分からないのである。という話を小川さんにするとそういう風に設計したという。すなわち何故そうなっているのかその理由が分からないように設計しようとしたそうである。
こういうのをすごく大雑把に言うと演繹的でない設計というのだろうがどうも昨今この言葉は誉め言葉の常套句のようなので演繹的でなく何なのかを言わなければなるまい。あるいはだから何故いいのか悪いのか?なんて話を、実施設計と現場をまとめた繁昌さんを入れて北千住で延々と語り合った。

建築とファッションと

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by 卓 坂牛

「建築の条件」を朝から考えていた。そして成実弘至の「ファッションシステム」という論考を読み、こんな文章に出会う「ファッションを流行の意味とすると、それは衣服やイメージの消費だけに限られるものではない。・・・・・芸術・文化、長期間にわたって使われる建築や都市計画まで、流行とは遠い場所にあるはずのジャンルであっても、よく観察すると一過性の様式に支配されていることが分かる・・・・」そう、建築もファッションの一つ。そしてこんな文章にも出会う。「ファッションは実際にそれを着る消費者と流行を仕掛ける作り手や売り手との相互作用から生まれてくる」。この文章をちょっと変えるとこうなる「建築は実際にそれに住む住み手と流行を仕掛ける建築家やジャーナリズムとの相互作用から生まれてくる」。ちょっと前までならここまで建築とファッションは似たものではなかったのかもしれないが、現在では普通に理解できる文章である。ファッションに見られる流行の構造は現代の「建築の条件」となっているということである。

建築の条件

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by 卓 坂牛

10月14日
朝晩東京も少し冷え込むようになってきた。掛け布団が2枚になった。せっかくの日曜日だが、かみさんはお茶へ、娘は図書館へ。そこでこれ幸いと新しいゼミ構想を練る。結構思いつきはいいと思っているのだが、切り口をうまく作らないと凡庸に終わるものである。先ずはタイトルが重要なので「建築の規則2」なんていうのはやめることにする。そこでいろいろ考えたのだがたいした案も浮かばないので、先輩の力を借りて「建築の条件」というのはどうか?これは小田部先生の『芸術の条件』を拝借したわけである。
まあタイトルはさておき内容である。いろいろ考えると8つくらいは何かありそうである。1)形式的であること、2)消費的であること、3) 写真的であること、4)階級的であること、5)地域的であること、6)美的であること、7)道徳的であること、8)アート的であること。先ずは手始めに地域的であることあたりから考えてみるか?それは世界的に見れば建築のオリエンタリズムであり、国内的に見れば地域主義的な問題である。ファッションとの類比で問題が深まればと思っているのだが。

書類作り

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by 卓 坂牛

10月13日
大学の書類をせっせと作る。やってもやっても終わらない。こういう仕事は民間なら事務の人がいてやってくれるようなことなのかもしれないが、、、雑用メールを打ちたいのだが我が家の無線ランは時として送信できない。まったく馬鹿みたいな話だがメールしに事務所まで行く。富山のコンペの再修成果品がプリントアウトされていた。きれいに仕上がっている。いい線いかないだろうか?事務所を出て森美術館へ。六本木クロッシングが今日から始まった。なかなか面白かった。感想はコラムを。http://ofda.jp/column/

金曜日

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by 卓 坂牛

金曜日は午前中デザイン論、午後製図で後期の忙しい曜日である。朝健康診断を受け損ねたので3コマ目と4コマ目の間に受診。尿、血液、レントゲン、身長、体重、視力、そして問診。庶務から絶対受けろと言われたので理由を問うと、受けないと労働基準監督局からお咎めを受けるのだそうだ。製図は住宅の設計。55名のうち分担して一先生10名強を見る。今年から設備の先生を一人入れて意匠のエスキス後設備の講義を受けるような方式をとっている。基本的な断熱、換気、採光を学ばせようとの配慮である。このクラスには中国からの留学生が二人いる。今年の留学生の実力はいかに?頑張って欲しい。夕刻アサマで帰宅。昨夜の寝不足のせいかうとうとしながら東京。

新しい活動

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by 卓 坂牛

10月11日
電車の中で成実弘至の『問いかけるファッション』せりか書房2001を読みながら建築の社会構築性をどうしたら記述できるか考えていた。メモ帳が無かったのであるページの上にメモしていたらそのページが三色ボールペンで三色に染まった。しかしなんとなくおぼろげにできそうな気がしてきてこれをゼミでやろうと考えた。輪読は学生の自主研究会として、こちらの話をm1のメイン活動として毎回発表させることにした。夕刻ゼミ後研究室皆で食事。久しぶりに楽しく飲んだ。