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Aug 2013

現代に必要なのはファリックマザー建築

On
by 卓 坂牛

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●親父オフクロ建築のイントロ写真Robert Frank Hotel Lobby
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●マツコが受けるのは社会がファリックマザーを要請しているから?
10年くらい前から建築の規則の8回目の講義は「親父(排他的)建築VSオフクロ(包容)建築」と称して篠原一男的建築と坂本一成的建築を説明する。そんな言い方をするとお二人からは叱られそうだが、篠原的父性と坂本的母性を語るのである。そして21世紀は単なる母性ではなく強い母性が求められると結論する。
一体強い母性って何だ???昨晩、藤井誠二の『「オネエ」がメディアにモテる理由』春秋社2013を読んでいたらなんとなくうなずいた。最初の鼎談で中村うさぎが自分の夫がゲイでそれを精神科医に相談した話が書かれている。するとその医師は最近の女子はお母さんが欲しいので旦那に父性より母性を求めるのだと言う。つまり旦那がゲイと言うのは十分「アリ」だというわけだ。昔は京塚昌子のような肝っ玉母さんがいてなんでも引き受けてくれたのだが現代にはそんな母性がどこにもない、、、そこに登場したのがマツコデラックスである。マツコが受けるのは京塚昌子の代わりにファリックマザー(男根のあるお母さん)として社会要請があるからだと著者は言う。
建築もアナロジカルに考えたらいい。強い母性というのは言い換えれば毒のある母性である。マツコ建築(Phallic mother architecture)が求められているのである。と言っても外観の話ではない。世界の引き受け度の問題である。

今日はメール漬け

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by 卓 坂牛

今日はメール漬
ブラジル情報をいろいろな方から頂きそれに質問したり、お礼したり。ありがとうございます。
サンパウロ大学のHUGO教授からレクチャー日程が届きそれに合わせてスケジュール調整。
東南大学のシー先生から去年のシンポジウムでの講演を本にするのでエッセイにまとめて欲しいとの依頼。8月は時間があるので快諾。
!!
グアテマラのルイス君から日本政府給費奨学金がおりたので理科大でアクセプトして欲しいとの依頼。テーマはサステイナブル・アーバン・デヴェロップメント。今まさに学科で取り組んでいることでもある。
昨日ブエノスアイレスの切符を手配したのでビエンナーレ事務局のエンリケに旅程を伝えホテルのリザーブを依頼。
一月にヘルナンの代理で来ることになったパレルモ大学建築学部長のシルベルファーデンのCVがメールで来た。すごい経歴だなこりゃ!!助手に国際交流基金に送るよう指示。
コペンハーゲンのレネに年末のワークショップのテーマの作り方で事前にノーティス。
グロービッシュ打ちまくり。

カッパの本は強烈だった

On
by 卓 坂牛

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栗本慎一郎『パンツをはいたサル』が世に出たのは僕が大学二年生の時で23万部売れた。上野千鶴子『セクシィ・ギャルの大研究』が大学三年生の時で11万部売れた。栗本は明治大学の教授となったが早くに他界し、上野はご存じのとおりこの本が大当たりしてフェミニストして有名になり東大教授となった。どちらの本も目を皿のようにして読み、特に上野の本から受けた影響は相当のものだった。
これらの本はユニークな表紙と企画で知られたカッパの本だった。今は光文社新書にとって代わってしまったがそれまでのカッパのいくつかのシリーズはとても有名でとんでもなく売れた。
『英語に強くなる本』132万部
『頭の体操第1集』185万部
『頭の体操第2集』118万部
『冠婚葬祭入門』263万部
『日本沈没(上)』202万部
『日本沈没(下)』180万部
売れたカッパの本のタイトルを聞くといずれも自分が読まなくても家にあったか見たことはあった。岩波新書に対抗して作られたカッパブックスは新書と体裁も表紙もタイトルもそして何と言っても企画がちょっと違っていた。一言で言えば「アンチペダンチズム」と著者は言う。カッパは「屁の河童」を連想させるし、ユーモラスにアンチ権力を漂わせるところが何とも言えぬ。時代と一言で言えばそうなのかもしれないが、普通の新書に代わってしまったのは残念でならない。(新海均『カッパブックスの時代』河出ブックス2013