●親父オフクロ建築のイントロ写真Robert Frank Hotel Lobby
●マツコが受けるのは社会がファリックマザーを要請しているから?
10年くらい前から建築の規則の8回目の講義は「親父(排他的)建築VSオフクロ(包容)建築」と称して篠原一男的建築と坂本一成的建築を説明する。そんな言い方をするとお二人からは叱られそうだが、篠原的父性と坂本的母性を語るのである。そして21世紀は単なる母性ではなく強い母性が求められると結論する。
一体強い母性って何だ???昨晩、藤井誠二の『「オネエ」がメディアにモテる理由』春秋社2013を読んでいたらなんとなくうなずいた。最初の鼎談で中村うさぎが自分の夫がゲイでそれを精神科医に相談した話が書かれている。するとその医師は最近の女子はお母さんが欲しいので旦那に父性より母性を求めるのだと言う。つまり旦那がゲイと言うのは十分「アリ」だというわけだ。昔は京塚昌子のような肝っ玉母さんがいてなんでも引き受けてくれたのだが現代にはそんな母性がどこにもない、、、そこに登場したのがマツコデラックスである。マツコが受けるのは京塚昌子の代わりにファリックマザー(男根のあるお母さん)として社会要請があるからだと著者は言う。
建築もアナロジカルに考えたらいい。強い母性というのは言い換えれば毒のある母性である。マツコ建築(Phallic mother architecture)が求められているのである。と言っても外観の話ではない。世界の引き受け度の問題である。