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May 2014

自転車事情

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by 卓 坂牛

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John Pucher, Ralph Buehler 著 City Cycling MIT Press 2012を通読。自転車関係の洋書ってどれも結構簡単に読める。知らない単語殆ど無いのは不思議。この本は紹介分を見ると学術的な基礎データーを整理した本でこの手の研究をする人の必読書と書かれている。
二つほど目から鱗な考え方とデーターに出会う。
一つはEffective Speedという概念。これは自転車と車のスピードを比べると自転車の方が遅いけれど、車を買って維持するのと、自転車を買って維持するのにかかるお金を比較してその差を稼ぐのにかかる時間を加味して出したスピードである。もちろんこれは物価や給与が違うので都市ごとに平均値で産出される。
例えば東京だと自転車のEffective Speedは時速12.8キロ、車は11.7キロ。ニューヨークで自転車は9.2キロ、車は8.6キロ。ロンドンでは自転車7.2、車6.6.コペンハーゲン自転車13.3、車12.2となる。つまりEffective Speedという概念で考えれば車も自転車も同じような速度となるということだ。であれば他のメリットを考えれば自転車を使う方がいいことが多いということになる
二つ目はニューヨーク、ロンドン、パリ、東京の建築環境事情を比較したデーター。
先ずちょっと驚くのは移動における自転車利用率(2009)がニューヨーク0.6%、ロンドン2.2%、パリ2.5%、東京16.5%と圧倒的に東京が多いのである。これは駅まで自転車で行く人の数が多いのが原因らしい。
次に自転車レーンの整備状況。人口10万人当たりの自転車レーンは、ニューヨーク9キロ、ロンドン19キロ、パリ20キロ、東京1キロである。乗る人が多いのに専用レーンが無いから人とぶつかるわけである。
更に駐輪場の台数だが、人口10万人当たりニューヨーク153台、ロンドン1669台、パリ1493台、東京6398台である。
駅に自転車でやって来るから駅には駐輪場が整備されていると言うのが日本なのである。
日本は自転車後進国だと言われるのはこのレーン整備の側面で会って乗る人の割合はデンマーク並みのようである。しかし駅に自転車置いてまた電車に乗っておりてまた歩くと言うのは実に煩雑。都心部の車を減らし自転車レーンを整備し家から職場、学校まで自転車で安全に行けるようにしたいものである。

空いた時間に教室でメール

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by 卓 坂牛

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午後主任会議。新しい理事長が大鉈をふるうそばからいろいろな仕事が降り注ぐ。半分そうだなと思いつつ、半分不満。書類のための書類作りにならんかな?と思うことも多々ある。会議が終わり授業まで教員室に行くのも面倒で空いている教室でメールチェックしたら事務所からがっかりメール。対応にあちゃこちゃに電話。
神楽の校舎は古くて梁が下に出っぱっているのだが、真新し金町の校舎には無い味も感じたり、いっそのこと天井引っ剥がしてもいいんじゃないか?

プロジェクトゼミ第三回

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by 卓 坂牛

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プロジェクトゼ第三回。少しずつ無駄がそぎ落とされ、面積もあってきて、構造のリアリティも少しずつ上がる。ここで1回案をまとめてもらう。しかしここからデヴェロップするのが設計である。何を根拠に案を良くするのか。これが設計の一番難しいところである。理由を見つけられればそれは簡単だが3回も案をソリッドにしてくるともう理由が見つからない。でも自分の案の何が良くて何が面白くないかを自分で見つけ出すのが設計者の力量である。学生の課題ではなかなかそんなものを見つけさせる時間はないのだが、このプロジェクトゼミではそれやらす。これこそが設計であり、この苦しみが設計力を付ける作業である。次回が楽しみである。

モンスタードリンク

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by 卓 坂牛

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午前中ジムで500キロカロリーぶん走った。滅多にこんなに走らないのだが、昨日一昨日と歓迎会、懇親会で大学食堂の高カロリーものをしこたま食べたので少し吐き出したくなった。午後は翻訳読み合わせ。こういう作業はとにかく粛々とやるしかない。死なない限りいつかは終わる。ただ午前中の走りで眠くなってきた。モンスタードリンクで頑張る。最近ちょっと癖になっているようでよくない。とはおもいつつついつい飲んで神経を張りつめる。

八潮の鉄塔

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by 卓 坂牛

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朝10時に金町行って積まれている郵便を開けて中身見て捨てたりファイルしたりしてから明後日の主任会議の資料を1時間で書いて大学を出て駅からバスで八潮へ。学生たちと駅前の工事中の公園見てから20分会議にでてから中座して神楽坂へ。すでに理事長の講演が始まっていた。1時間の話は何度か聞いたようなものだが面白かった。その後築理会の懇親会に出たが1時間でこれも中座して方南町へ。そこからタクシーで青木さんが設計したソノリウムへ。工藤さんやヒロのセッションを聴く。尺八、ピアノ、チェロ、琴そしてパーカッション。結構ポピュラーな曲は予想外。でも面白かった。

VACANTギャラリー

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by 卓 坂牛

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先日見た「拡張するファッション」展に展示されていたファッションを変えた(拡張した)と言われる伝説の雑誌『purple』の創始者エレン・フライスのHPイベントが本になった。その出版を記念して東京のvacantギャラリー http://www.vacant.vc/ で「Les Chroniques Purple」展が今日まで行われている。というのを娘から今朝聴き急いで見に行った。倉庫のような素敵なギャラリーが原宿明治通りの裏側にあるのに新鮮な驚き。一階は写真集や文具が売られコーヒーも飲める。2階が多目的スペースで展示、パフォーマンスなど多様に使われているようである。原宿行ったついでに覗いてみたら?

会議が中止になって1時間することがなくなった

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by 卓 坂牛

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朝から夕方まで3社来られて図説。不足図面もあるがなんとか終了。終って5時の予定の会議が6時に変更になり大学(神楽)に行って見たらだれもいない。慌ててメールをチェックしたら大半の人が出ている前の会議が長引いているので今日の会議は中止とのメール。あれあれ7時には再度神楽で歓迎会があるので1時間ぽっかりと時間が空いてしまった。中止となった会議室には鍵がかかっていて入れず、仕方なく別棟の製図準備室に転がり込む。昨晩書いたスケッチを広げて少々思案。ワインレッドの壁のエントランスホールを通り抜けるとワインレッドの織り上げ天井の各個室につながるというコンセプト。

海外からの寄稿依頼なんとか送る

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by 卓 坂牛

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アルゼンチンパレルモ大学建築学部では1年に2回かなりしっかりした建築雑誌を作っている。次号はディテール特集ということで全体108頁の半分を30人のアーキテクツの寄稿で構成するのでその一人として6000字(語ではない)の原稿と写真2枚と図面2つを送って欲しいと長文のお手紙が届いた。30人の中にはアレハンドロ・ザエラ・ポロやアレハンドロ・アラベナやアンジェロ・ブッキなんかもいる。手紙は8ページもあるが学部長サイン入りで要を得た内容で分かりやすい。こういうところが向こうの大学はしっかりしているし、さっさとやる。しかも事務方とデザイナーがしっかりしている。雑誌は向こうで本物を見たがかっこいい。こういう雑誌制作が大学のプレステージ向上に貢献することを分かっている。うーん中国の東南大學でも痛感したが、広報が確立している。日本の大学はそこが弱い。予算があればできるというものでもない。強力な人脈も必要である。
やっとのことで英文原稿を仕上げ、スタッフと打ち合わせて送る写真と図面を英語に仕上げてもらって今日とにかくメール。ほっ。

すでにあるものを変えられるか?

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by 卓 坂牛

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林央子がキュレーとする「拡張するファッション」展を見に行った。数年前に彼女が著した同名の著書に登場したデザイナーの様々な作品が展示されている。しかし洋服と呼べるようなものは殆どない。唯一洋服らしい姿で展示されているのはワークショップで古着を繋ぎ合わせて作られた一般の人のイマジナリーな11の服と、これもワークショップで作られた服を職員の方自ら来ているその服くらいである。林のコンセプトは洋服と洋服じゃないものを繋ぐアーティストを紹介することである。もちろん彼らも(スーザン・チャンチオロ、コスミックワンダー、ブレス)服は作るのだろうがその服は展示されていない。
林は言う「すでにそこにあるものを繋ぎ合わせて服をつくることが気になっている」と。「すでにそこにあるもの」と言うコンセプトは建築におけるコンテクチュアリズムの発端となったエルネスト・ロジャースが使ったプレシテンツェアンビアンタリle preesistenze ambientali=環境に先在するものという概念と同じである。あるいは青木淳が言う「僕が興味あるのは僕たちの周りにすでに存在して生存している世界」という言葉にも近い。ファッションを拡張するのは新しい何かではなく既にあるものなら建築も少々それを見習ってもいい。それって別に古いものだったり貴重と思われているものの必要はない。逆につい最近のものだったり貴重と思われていないものの方がやりがいがある。要はその意味(価値)を変容できるかどうかである。

神楽坂の並木なんて気に留めたことも無かった

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by 卓 坂牛

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今日は神楽坂でゼミなのだが少々早く来たので後期の課題の敷地でも探そうとぶらぶらした。建物の立ち方を見たり、ファサードの窓を見たり、じっと止まって空を見たりしていた。そうしたら今日はとても風が強く並木が大きく揺らぐのに気が付いた。神楽坂は授業でも飲みに行くのでも夜ばかり。昼間の光景をじっとみることなど殆どなかった。もう4年目にもなろうとしているのだが、金町に移動したことも手伝ってこんな状態である。
さてそんな並木が結構立派だということに気付かされた。知らなかった。