27ヘクタールの設計
午後からレイアウト編集会議。それを終えて皆でスパイラルにスイス建築展を見に行った。スイスに建つ(建った)日本建築の展覧会。SANNA、隈、山本理顕、坂茂のプロジェクトが展示されていた。それにしても驚いたのは山本理顕のチューリッヒ空港脇の施設、27万㎡。そんじょそこらの超高層よりはるかに大規模。この規模を設計できちゃうって中国の経験があるから???設計方法もそれに近い。
午後からレイアウト編集会議。それを終えて皆でスパイラルにスイス建築展を見に行った。スイスに建つ(建った)日本建築の展覧会。SANNA、隈、山本理顕、坂茂のプロジェクトが展示されていた。それにしても驚いたのは山本理顕のチューリッヒ空港脇の施設、27万㎡。そんじょそこらの超高層よりはるかに大規模。この規模を設計できちゃうって中国の経験があるから???設計方法もそれに近い。
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先日落札した山梨の児童養護施設の地鎮祭。初めての仏式である。宗派は日蓮宗。南無妙法蓮華経までは想定内だったが祈祷が始まった時は驚いた。なかなかの迫力である。石と金属で火花を散らし、木でできたカスタネットのような楽器がスピード上げる。とても早い読経が続く。
一言ご挨拶の場がありこう申し上げた。この敷地を最初に訪れたのはおそらく6~7年前。設計はスムーズには進まず、補助金が降りないことも手伝い、やっと今日スタートがきれることとなった。その間児童養護施設のど素人は二つの児童養護施設を完成させる機会に恵まれた。「建築で愛を作って欲しい」と理事長には言われ続けそれは無理と思っていたけれど、完成させた施設の方からこんな話を聞いた。「施設きっての問題児が『生きてて良かった』と言ってました」と。ああ建築で愛は作れるかも知れないと思い直すと同時に自分自身「生きていて良かった」と感じた。今回の建物でもできあがってそう思う子供が現れ、じぶんもそう思えるといいなあと願っている。
昼から大学で会議二つ。その後研究室でひたすら原稿を打つ。コンピューター乱れ打ち。しかしグローバリゼーションのところで書きたい内容が書けない。証拠が見つけられず困っている。スターアーキテクトに建築を頼むクライアントの動機を知りたいのだがどうやったら調べがつくだろうか?スーターアーキテクトのスタンプが世界中に押されていくことと、ブランドバックが世界中で売れる(特に日本だけれど)ことのメカニズムは基本的には同じだと思っているのだが、どうやったらそれを語れるのかな?結論を言えば、「有名なものが欲しいのだよな人間は」ということなのだ。ネオリベラリズムの時代である限り世界を流動する資本は安定収入を得られる堅実な建物か、世界をあっと言わせるモンスターのどちらかに流れ着くのである。
研究室には信大時代に買ったボーズのラジカセがある。これがなかなかいい音がする。原稿の友である。
朝から配偶者と不動産屋さんに行って、交渉事。久しぶりに京王線の沿線に来たので懐かしい。下高井戸で昼食をとって新宿でワイシャツを買って帰宅して仕事。電話したり、メールしたり、資料読んだり。夜買ってきたワイシャツを並べてその形やら素材を見ながらちょっとびっくり。古着屋で買っているのだが殆ど新品。そして半分以上は女性もの。値段は5千円弱。うーん新宿にはいい店があるものだ。でもこれが時代なのかもしれない。そして男性ものより明らかに女性モノの方が素敵なデザインが多い。最近の若い人の服の半分は異性のものと聞くがその気持ちがよくわかる。ワイシャツに時代が現れる。
今日の大学院講義のテーマは「コンテクスト」である。フォーティーはBBPRの一員だったエルネスト・ロジャースの批判的概念である「その場所に先在するもの」をコンテクストが生まれる始まりだったと説明する。しかしもう少し歴史を長―く見ると重要なのは有史以来世界はグローバルとローカルのあくなき戦いの歴史だったのである。ローマ帝国に始まる帝国の建築は小さなグローバリズムであり、帝国が崩壊した後に近代の帝国主義の時代が次のグローバリズムであり、そして現代は第三のグローバリズムである。コンテクストとはこの第二のグローバリズムに対する批判概念に過ぎない。そして第三のグローバリズムは国家的帝国主義ではないものの資本主義に内在する帝国によって動かされている。流動する資本の偏在が世界中に判を押したような建築を生み出すというのが現代なのである。その建築は世界中で投資の対象として機能している。
ツォーニス&ルフェーヴルによって生み出された批判的地域主義はネオリベラリズムが猛威を振るう前は効力があると感じていたが、もはや建築的批判力では現代の状況を変えられるとは思えない。もっと地球規模での経済原理の問題なのである。
久しぶりに北村明子さんのダンスを見に行った。インドネシアの伝統的なダンサーとの合作である。プログラムには「どこかに属するために、あるいは、空を求めて彷徨うように。インドネシアと日本、互いの身体表現を模索しながら激しく、愛おしく続けられていく対話」と書いてある。作品はその言葉通り、北村さんらしい緩急の差の激しい踊りとインドネシアの伝統的(と僕が思っている)踊りが登場し融合する。若い男女のダンサー数名登場したが皆さん上手であった。映像も音楽も毎度のことだがよくできてていて創造力をかきたてられる舞台だった。森永泰弘 YASUHIRO MORINAGA (Japan)サウンドデザイナー、 兼古昭彦 Akihiko Kaneko (Japan) 映像監督・映像制作、 山田咲 Saki Yamada (Japan)映像ドラマトゥルグ・制作 でした。
12時半につくばエクスプレスの研究学園駅に到着。学生たちは既に来ていてベンチで昼食。僕もコンビニでサンドイッチ買って腹を満たす。1時に茨城町の方が迎えに来てくれて。9名乗車し茨城町の消防署へ。会議室をお借りして、町の部長さん課長さん以下7名にプレゼン。7月から始まった茨城町の廃校小学校活用計画WS、今日はその2回目。7月に見た5つの小学校から2つを選びそれぞれに二つずつの提案をおこなった。農漁業、スポーツ、ペット、アートに着目したアイデアを見て頂いた。事業としてどうなるかという質問もあったが先ずは多様な可能性を検討しましょうと説明。
今年の春から在外大使館経由で外務省の推薦を受けたグアテマラの学生ルイス君を研究室で受け入れた。彼はすでにグアテマラのITSMO大学の大学院を終了した優秀な学生である。夏まで東京外国語大学で日本語の勉強をして今夏からいよいよ本格的に研究室の活動に参加し始めた。その学生のお父さんからお手紙をいただいた。
息子を受け入れてくれたお礼に加え、いつでもグアテマラに遊びに来てください。自宅はあなたのお家、ご自由にお使いくださいとの内容であった。最大限の敬意と心遣いに恐縮した。