千葉雅也が世の中のノリから一歩引いて、専門分野にディープに引きこもるのが勉強だと『勉強の哲学』に書いていた。つまり勉強するとノリが悪くなる。しかしディープに引きこもるのもひとつのノリに過ぎないから専門分野と世の中の二つのノリの間に身を置き双方に違和感を感じながら新たな言葉を紡ぐのが勉強でありクリエィティブであるという。
もうすぐでる拙著『建築の条件』も建築の世の中のノリを9個詳述した。そして多くの建築家がこの条件に縛られている。(自分も含めて)。しかしそれではダメなのである。自らのディープな探求と世の中のノリの真ん中で新たな言葉を紡ぐのがクリエイティブな建築なのである。ということで建築の条件の副題は-「建築」なき後の建築とする予定である。
学生の卒計に何を求めるかという話で西牧さんは若手建築家のアイデンティティの欠如を嘆いていた。中川さんを始めみなさん同様なことを言っていた。なにか今年のレモンは皆小ぶりで、リノベで、ソーシャルで、身の丈でと判を押したように皆「右に倣え」だったというのが、初日の審査員の皆さんを含めた感想のようである。つまり「建築の条件」に上手に模範解答を出しているのである。社会のノリにそのまんまノっているのである。ノリを悪くしないと!!来年からは。
レモン展の学生企画で卒計を考えるシンポジウムを行なった。五十嵐さん、西牧さん、古澤さん、中川エリカさん、私、司会は門脇さん。80年代から、2000年代まで時代を反映する話が満載でした。
建築の設計を頼まれる時に自分の過去の作品を見てそれがいいからお願いしたいと言われることは実は少ない。どちらかといえば、作品の質がどうのというよりかは人づてに私の人となりを聞きそれを信頼してという方が理由としては多いと思う。しかし今回は私が甲府で設計したテラⅣ、Ⅴが気に入りその設計者にお願いしたいということである。これは実に嬉しいことであるし、その設計ポリシーを踏襲できるという意味で最初の設計要望の聞き出しにあまり時間がかからないだろうから有難い。敷地も定まっているし予算も明確であり、ターゲットが絞られているので不要な時間がかからないだろう。さあ全力で取り組もう。
昨日第二陣の引っ越し荷物が100箱以上届いた。昨夜はついに玄関脇の硬い廊下の上に寝た。適度に寄っていたので熟睡できたが地震がきたらほんの下敷きとなってあの世に行っていたかもしれない。今日は朝からそのダンボールを開け続けた。カバンの箱からカバンが次から次へと出てきてもうしまう場所はないのでS時フックで本棚間にかけ渡したエレクタの柱にぶら下げた。まるでアメ横のカバン屋みたいである。カバン好きなのだろう。こんなにあるのだから。これでも引っ越し前に黒いカバン10個くらいを義兄に引き取ってもらたのであるが、、、
4年生のプレディプロマ課題。茶室解体。茶室という伝統的な論理構造を換骨奪胎せよというトピックである。論理展開の勉強と、フリーハンドをそうつかいこなせるかがじゅうようである。鳥海のこの作品は、屋根の下の暗い場所に路地をつくり、屋根の上に茶室を作るというはんてんをしたしゅうさくである。
ドイツに行った井黒が一時帰国して研究室にふらりとやってきて、このワインをお土産に置いていってくれた。今日持って帰って飲んでみた。甘い!想像していたよりもっと甘い。このワインはなんていうのだろうか。あまりに甘いので氷を入れてジュースのようにして飲んでみた。とても美味しい。ダンケ井黒!!
中村安希『N女の研究』フィルムアート社2016のN女とはNPOで働く女性のことである。昨今ハイスペックの女性がNPOに就職したり転職したりするケースが増えているという。その理由は未だに日本企業が男社会であり女性が住みにくいということと本当に自分のやりたいことが営利団体ではできないという認識が高まっているからだという。しかし、、、、こういうハイスペック女性が給料が低いNPOで働ける理由は旦那の給料がいいからだという事実もあるようだ。だからN男の研究はないのである。妻の給料が高くそれに依存してハイスペック男性がNPOに流れるケースはあるかもしれないが量は多くない。著者がN女を2年間しらべて感じた共通点は「行政をあてにしない」「きれいごとを言わない」だそうである。これ一般企業にいようが、どこにいようが、男だろうが、女だろうが重要なことである。