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Jun 2017

知性と冒険心と隙

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by 卓 坂牛

オネエカメラマン下村一喜があげる美女の条件のうち「知性と冒険心」と「隙」はその通りだと思う。知性のある女性は多い、でも冒険心のある女性は少ない。知性のある女性は往々にして完璧主義で隙がない。この3つを共存させられる人は男でも女でもとても魅力的だと思う。

ミュージアムコミュニケーション

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by 卓 坂牛

もうだいぶお会いしていないのだが、FBを通してしょっちゅう会っている気になっている人がいるものである。そんな人の一人である光岡寿郎君から近著をいただいた。彼は僕が東大の文学部で建築を教えていた時の教え子の一人であり、その後一緒に勉強会やったり翻訳をやったりしたメンバーである。本はいつもあとがきから読むのだが、偶然あとがきの謝辞の中に自分の名前を発見して気恥ずかしくもなるが嬉しくもある。『言葉と建築』を一緒に翻訳したメンバーは皆とても優秀で様々な分野で活躍しているが彼もその一人である。

さてこの本の内容はどうもミュージアムという近代的な施設の持つ役割の拡張をミュージアムコミュニケーションという新たな概念で捉え直し、その役割の持つ可能性に言及するもののようである。

その昔イタリア旅行に当時小学3年生の娘を連れて行き、ルネッサンス絵画が並ぶ美術館群に辟易していた娘がヴェネチアビエンナーレに来て生き返ったことを思い出した。来館者は展示物とコミュニケーションしている。さらに著者の事例を読むとコミュニケーションは遥か館外にまで拡張されている。ミュージアムは一つのメディアであろう。そうなると一体ミュージアムは今後社会の中でどのような役割を持ち得るのだろうか?図書館がもはや本を借りるところではないのと同様、ミュージアムももはや何かを見て聞いて知識を得る場所ではないのだろう。先日2121でスポーツの展示をやっていていくと体力測定のようなアプリが山のようにあって配偶者と私は大いに楽しんで帰ってきた。これもまたミュージアムなのだなと感じた次第である。

中庸のラディカリズム

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by 卓 坂牛

京橋のリクシルに行き刷り上がった『建築の条件』を前にして契約書にサインして献本用の本にお名前を書いた。リクシルの隈千夏さんと飯尾次郎さんにお礼をした。お二人からは久しぶりの300ページ超えの単著になったと喜んでいただけた。本にする企画があがったころは200ページくらいの話だったのだが、徐々に書くべきことが増え、章まで増えこの厚みになった。存在感もあり、持ち運びもしやすそうな大きさにまとまりこれで2300円なら安いではないかという、自画自賛とあいなった。まだ配本用の本は届いてないらしく、理科大の生協に並ぶのも来週末。アマゾンで買えるのもその頃のようである。

飯尾さんに「中庸」というのがこの本の肝ですねと言われた。それは國分功一郎の『中動態の世界』で主張される受動態と能動態の中間の態である中動態に通ずるし、東浩紀の言う主体と他者の間の状態にも類似し、坂本先生の言うハビトゥスの半否定、僕の言う「振り切らない」にも関連する。なぜ皆がこのあたりを注目しているのかというと左に振り切ったモダニズムにも右に振り切ったポストモダニズムにも皆が満足していないからである。望むものはこうなればその間のどこかにしかない。しかし間というのは決して間であるからその表現や主張が脆弱になっているというわけではない。赤と黄色を混ぜたオレンジが中間の色だからという理由でそれだけ無個性で表現の弱い色であるとは限らない。中庸は中庸という言葉の響きからは程遠い表現の可能性を保持しているのである。この本でこの中庸の可能性に到達していただければ著者としては幸甚である。

 

私の職業は

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by 卓 坂牛

感性文化論の著者渡辺裕は以前自分の専門を「音楽学」としていたのだが考えていことの範囲が広がりある時から「聴覚文化論•音楽社会史」と書くように変えたと言う。それを聞いて自分も似たようなものと感じた。自分はアカデミックセクターでは「建築設計、建築意匠」だろうけれど、「建築視覚文化論、建築社会学史」という分類の方が(しっくりくるかも(あれば)。

あった

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by 卓 坂牛

大村

無くしたと思っていたスケッチブックが見つかった。

今日大学行ったら「ありました」と佐河君に言われた。これは嬉しい。どこにあったと思いますと聞かれたがまるでわからない。「学生の机の上です」と言われ、そう言えばその学生のイスに座った。思い出した。

何かを何処かに置き忘れるのは典型的な老化である。

坂牛研の人たち

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by 卓 坂牛

今年も飯田橋の地下のこのお店で研究室のOB OG会を行いました。信大の最初の卒業生はすでに働き始めて10年以上たち管理職だそうで驚きました。その頃僕は最初の職場を辞めたわけでそんなくらいにまでなっているのです。

Though rainy season has started

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by 卓 坂牛

Although it has been announced that rainy season started it has been fine several days.  Today it’s marvelous day.  Moreover the weather forecast says it

 

『建築の条件』来週にはアマゾンで買えます

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by 卓 坂牛

新著『建築の条件』は今週は予約中ですが来週からアマゾンで買えます。書店にも並ぶと思います。少し時間がかかりましたがいい本になったと思います。是非お買い求めいただきご意見ご批判いただければ幸いです。アマゾンに載っている解説文を載せておきます。

 

建築はいつの時代も「建築家」と「クライアント」と「社会」の関係のうえに成り立ちますが、21世紀の建築は特に「社会」の比重が大きいと言われます。建築は社会がつくる。
建築は、応答せざるをえない他者からの直接的な要求だけではなく、間接的あるいは無意識的なレベルの条件に規定されていると坂牛は考え、現在に至る歴史を、人間に内在する問題系──「男女性」「視覚性」「主体性」「倫理性」──と、人間に外在する問題系──「消費性」「階級性」「グローバリゼーション」「アート」「ソーシャル」──から成る9つのテーマについて分析的に思考します。
また、社会的枠組み(ハビトゥス)をどのように「違反」して次の建築を生み出すか、建築家・坂本一成氏との対談も収録しています。

英語の敬語

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by 卓 坂牛

昔スチュアート先生に送ったメールにwannaと書いたらメールで口語を使うべからずと注意された。その後そういうメールで気をつけるべき言葉遣いを書いた本を探していたら見つかった。動詞のランクや丁寧な構文が示されており実用的である。

Jeffrey Brock 冬にきます

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by 卓 坂牛

やっと招聘がアクセプトされました。ジェフ・ブロックが冬にきます。初めての北米の人です。ベレン・モネオ(ラファエルの娘)の旦那。夫婦でコロンビア出てかっこいいもの作り続けている。マドリードとニューヨークにオフィス構えてクールだけど控えめな雰囲気が大好きです。写真は彼らの最新作でメキシコの教会。