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Feb 2018

ミドビル

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by 卓 坂牛

四谷駅前の大再開発現場のすぐ脇に前川國男建築設計事務所が入る建物が在る。構造の横山事務所なども同居。建物名は前川が主宰したミド同人に由来してミドビルと言う。できたのは1954年。翌年できた国際文化界会館(坂倉、吉村と共同)を彷彿とさせるプロポーションである。

建築を創る力

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by 卓 坂牛

物理学者は一級の哲学者である。ものの成り立ちを考えるという意味で両者の思考回路は同じである。そんな物理学者が考える「考える力」とは哲学的で普遍的だと思う。という理由で本書(上田正仁『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方ー想定外の時代を生き抜くためのヒント』PHP文庫2017)を覗いてみた。曰く「自ら考え、創造する力」は3つの要素からなる1)問題を見つける力、2)解く力、3)諦めない人間力、だそうだ。やはり普遍的である。これはそのまま[「建築を創る力」といってもよく建築版として次のように言い換えられる。1)プロジェクトにテーマを見つける力、2)それを構築する力、3)諦めず建築を続ける人間力である。そしてそれぞれのフェイズで重要なのは1)では情報を集め理解したら捨てる。人のやっていること人がテーマ化しているようなことは捨てる。2)テーマの類型化、要素化してそれぞれに答えを出していく。大きなテーマには建築的答えがだしにくい、細かいことの集積としてあるいはとある要素に着目することで建築はつくり得る。3)好奇心を絶やさない。つまり面白いと思えることをし続けるということだろう。面白いと思うことしか続かない。

さよならペアシティ四谷

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by 卓 坂牛

12年住んだ四谷のマンションが10カ月かかってやっと売れた。フー。本日銀行3行回り全て終了。いいマンションだった。住んでいる人の意識が高く組合理事長も気持ちよくやらせていただいた。娘もいなくなりダウンサイズするためいつかは出ようと思っていたけれど、たまたま見た土地を配偶者が気に入って買うことになるとは想定外。そう言えば、このマンション買う時も何と比較することもなく、配偶者の一言で買った。不動産売買は彼女に全権委任。

コワーキングカフェ

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by 卓 坂牛

谷尻誠が去年2017設計したFound Harajuku という低層オフィスの中にWカフェhttp://hlywd.co.jp/cafe/2017/06/wcafe.htmlという名のカフェがある。ここは会費月2000円払うとデスクが使えたり、会議室が安く使えたりするもので、コワークプレースとしての使用を推奨している新しいタイプのカフェである。今度開いている時に来てみよう。

一歩進んで二歩下がったら四歩進む。

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by 卓 坂牛

甲府で打ち合わせ。一歩進んで二歩下がる打ち合わせ。決まったことを反故にされムッとしたが、新たな課題を提示されるとむらむらするのは建築屋の悲しい嵯峨。二歩下がったら四歩進む案を考えよう。同じ考えに固執はしない。

我をなくす

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by 卓 坂牛

『発想法』が1967に刊行されその3年後に『続•発想法』が出版された。その最後の、章でKJ法は創造の技でありその最もさ重要なことは「我をなくすこと」と書かれている。つまり潜入観を捨てデータに語らせることで赤いリンゴ(先入観)が黒く見えてくるのである。よく仮説を立てろと言うが仮説を潜入観にまみれているケースが多々あるのである。

サービス業

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by 卓 坂牛

某銀行で僕の知識不足と担当者の説明不足でトラブル。

スーパマーケットに不満を言う人は少ないが、銀行に文句言う人は山といる。銀行もサービス業もっと相手の立場に立って仕事をして欲しい。基本的な行員教育をしているのだろうか?建築もそうなので気をつけないと。

UDSの商業施設

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by 卓 坂牛

去年の夏上越トークインにお招きしたUDSの中川敬文さんの話は刺激的だった。彼らは企画、設計、管理、運営までやるのだそうだ。そんな彼らが作った商業施設が裏原宿にある。名前はカスケード2016年にできた。二度と行けないような複雑な迷路のような道の奥に迷路のような空間が展開する。

発想法

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by 卓 坂牛

詳しいことは覚えていないが、おそらく川喜田二郎『発想法ー創造性開発のために』岩波新書(初版1967)を読んだのは高校生の時であり、大学に入って川喜田がそこ(東工大)で教えていた(当時彼は筑波に移っていた)のを知って残念に思った記憶がある。なので卒論を書くときにごく自然にノートではなくカードをとって分類していたのだが、その時思ったのは分類するのはだれでもできる。大事なのは分類してできた山と山の間にどういう補助線を引くかということだと感じた。その補助線こそが創造なのである。大澤真幸もAとBの関係を語ることが考えるということだと言っていた。そのとおりである。久しぶりに読み直してみてああ実はこの本は単なる技術書ではないなと痛感した。昨今の学生はただ漫然と本を読んでいれば何かを獲得できると思っているがそうではないということをこういう本を読んで学んで欲しい。