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Feb 2018

上智大学

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by 卓 坂牛

過去から現在にわたり(半世紀)上智の建物が一度に見えるこのカット。高層の7号館(写真中央):アントニー・レイモンド1968年。丸い聖イグナチオ教会(写真手前):坂倉建築研究所1999年。新しくなった6号館(写真左端):日建設計2017年。四谷駅前の都市空間に広がりを与える。来年度少しお邪魔します。

質料性

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by 卓 坂牛

日本建築家協会はJIA マガジンという月間のブックレットを作っている。その表紙がこの2年間「建築家が撮った一枚」というシリーズだった。その最後の号に依頼を受けた。それ以前の皆様が選んだものを見てみると比較的メタレベルの絵が多い。つまり建築写真というよりは創ることを啓発するような風景などである。僕にそういうものが少なくベタに建築の写真を選ぶこととなった。僕は比較的写真を撮らない人なので建築の写真も少ない。なのでどうしても写真じゃないと残せないという場面のみ写真に撮る。そういう写真の多くは空気感、色、肌理のような建築の質料性を活写したものが多い。ゲーリーのこの写真もそんな空気をよく捉えていると思う。この図書館には10回以上は来た。何度来ても飽きないし好きである。

エゴタハウスA B

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by 卓 坂牛

坂本先生の4つ目の集合住宅エゴタハウスA棟(2004)ができた時見学させていただいた。全ての部屋は道路から直接アクセスできるように外部階段が幾つかついている。法的には長家であり共用部はもたない。このダイレクトアクセスが都市居住者の独立性を表すというのが坂本の考えである。それから9年後2013年にB棟ができた。考え方はA棟同様。半地下のある3階建てで全てダイレクトアクセスである。2棟並んだ姿は初めて見るが隣棟間隔も狭からず遠からずいい場所ができている。

 

大江宏論

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by 卓 坂牛

法政大学で石井翔大さんの博士論文「大江宏の建築観の変遷に関する研究」の公聴会を聞く。膨大な資料に向きあい、混在併存と言う大江の建築観の揺れ動きを把捉した。その内容の深度もさることながら、まるでテレビ放送を見ているかのようなわかりやすいプレゼンに感心した。指導教員の安藤直美さんは大学の同級生。師弟で築いた優れた仕事に敬意を表したい。

 

法政大学旧62年館

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by 卓 坂牛

外装をすっかり化粧し直したが市ヶ谷田町の建築学科のある法政大学の校舎は貴重な大江宏設計の建物である。1962年竣工。大江はその4年前に学会賞を法政大学の他の校舎で受賞したがそれらは残念なことに建て替えられた。

ウィグリー

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by 卓 坂牛

ウィグリー翻訳今日の発見。この本は定説を微妙に覆してみせる。例えば被覆の原理を記したアドルフ•ロースは服好きだと考えそうだが、彼は紳士服は合理的で機能性があり確かなもので良いが、女性服は官能的、芸術的であやふやで良くないと主張し、女性服的デザインをする同時代の建築家を罵倒する。このジェンダー観はフォーティーも指摘していない。新鮮な話題である。

La Torretta

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by 卓 坂牛

新青梅街道沿いにLa Torrettaという名前の集住がある。なんで櫓と言う名前が付いているのだろうと思ってよく見ていると、外壁が一層毎に数センチ後退しているのに気づいた。これは意匠ではなく、構造を必要最小限にしているからのようだ。内部はいれこ構造(ウェブサイトから内部写真をお借りしました)で奥行きをだしている。設計は谷尻誠,2012年完成。

 

定着の方法

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by 卓 坂牛

ペルーのルイスと「建築の制作」について応答している。彼は建築制作の最初に現れると思われるドローイング発生の前に建築の萌芽があり、それは意味のよくわからない絵のようなものだったり、ストラクチャーのダイアグラムのようなものだったりするのではないか?そしてそれは表意文字のようなもの、あるいはその表意文字が崩れた日本語の仮名のようなものかもしれないと想像をたくましくする。

大澤真幸が『考えるということー知的創造の方法』河出文庫2017で言っている。何か新しいアイデアが生まれそうな時は額の前10センチくらいにそれが浮いているのだが、それを放っておくとどこかに行くが、すぐさま言葉にすると捕まえ損ね思っていたものとは違うものを手にしてしまうことがあるので上手に捕まえなければいけないという。

上でルイスが言っているのはまさにこの現れたアイデアを定着化する技術の話であるが、そもそも建築の制作は何時始まるのか?クライアントからこういうものが欲しいと言われて始まるわけではない。常日頃考えている抽象的な「理想とする建築」にクライアントの具体的なリクエストが与えられる。そこで理想が具体の条件に沿って形象化する。そのプロセスは複雑でインプットすればすぐさまアウトプットされるわけではない。大澤の人文的アイデア同様それはあるとき額の前10センチに浮いてくるのでそれを上手に捕獲しなければならない。それを放っておけば逃げていくし、焦って捕まえると違うものを手にしてしまう。それゆえその定着の技術が議論となるわけである。

キッズガーデン城山

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by 卓 坂牛

ひまわり福祉会という名の社会福祉法人は都内に8つ保育園を運営している。その一つがこのひまわりキッズガーデン城山。上階は集住。飯塚拓生設計2011年竣工。

理科大二部全学合同講評会

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by 卓 坂牛

理科大二部全学合同講評会。2年生の課題から4年の卒制までの優秀作品を一度に見ます。今年もたくさんの先生が来てくれました。(敬称略 )鉢屋、帽田、浅見、高橋、渡瀬、白子、広谷、横山、山本、塩田、今年一年ありがとうございました。
最優秀作品は 3年の斉藤君、優秀作品は2年の小川君、3年の仙福君おめでとう。

2年 金町マチビル 小川

山本

 

3年 今発信するための建築 斉藤

3年 Rethink elements 仙福

4年 卒制 中村

横山

吉田