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Mar 2018

Intihuatana

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by 卓 坂牛

ペルーを代表する芸術家フェルナンド•シスロ2002年の作品。タイトルはintihuatanaインカ帝国の宗教的な彫刻の名前である

階級社会

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by 卓 坂牛

早稲田大学の社会学の教授橋本健二が扱う階級問題は正確なデーター分析に基づき信頼性が高い。その橋本氏の新著『新・日本の階級社会』講談社現代新書2018を成田ヒューストン間で読了。この本にはいろいろと面白いところがあるが、最終的には階級社会を変えられるかという問いにある。調査によれば格差解消を考えるには二つの要因がある。一つは格差が拡大していることを認識すること。二つ目は自己責任論を否定することである。しかるに自民党を支持する層のほとんど(資本家、新中間階級、など)はまず格差拡大をあまり認識せず、かりに認識しても自己責任論を肯定する。よって格差解消がなされない。僕は正規労働者階級あるいは旧中間階級あるいは新中間階級に属しているのだろう。そして自己責任論にある程度加担するが格差解消に積極的である。税金をあげて大きな政府になって福祉を充実することに反対しない。その税金を正しく使う限りは。ミサイルを買うために税金を払う気はないが。

反省

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by 卓 坂牛

去年渋滞でタクシーが遅れリマからクスコに行く飛行機に乗り遅れた。その悪夢が蘇る。成田にギリギリ出発一時間前滑り込み間一髪チェックイン。ところがANAと思って買ったチケットはユナイテッドオペレーションという次なる悪夢。加えてレートチェックインなのでリザーブしていた席は誰かのものとなり真ん中の席でヒューストンまで耐えることになるという更なる悪夢。もう少し余裕を持って行動しないと事故るな。反省しきり。そして長い辛い空から降りてヒューストンのE7というこの端っこのゲートに来ると気分はもうラテンアメリカ。陽気です。

伊藤博之の長屋

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by 卓 坂牛

多くの画期的な集合住宅、長屋を作っている伊藤博之の2015年の長屋。東新宿テラス。中庭を囲む配置はサクラノキテラスに通ずる。こういう狭い敷地では通風採光とるのにこうせざるを得ないのかもしれないが出来上がりはいい間合いである。

今なぜオブジェクトか

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by 卓 坂牛

先日コンペの審査でお会いした隈研助教の平野利樹さんに博士論文読ませてくださいと言ったらすぐにPDF送ってくれたので昨日の甲府往復で精読した。とても読みやすくモダニズムから2000年までの歴史をオブジェクトというキーワードで紐解いてくれた。研究室の輪読本の一つにしようと思う。僕は拙著『建築の条件』のソーシャルの章で関係性の美学を引いてなぜ美術や建築がリレーショナルなものになったのかということを書いたが実にアイゼンマンのあたりからもリレーショナルな話は解読できるということに目からウロコだった。

コリン・ロウ、ピーター・アイゼンマンはオブジェクトに比較的肯定的だがすでに関係性が入り込み、ペーパーレススタジオのグレッグ・リンはアイゼンマンのフォールディングを前進させオブジェクトを批判的にとらえしなやかさへと昇華する。スタン・アレンはオブジェクトからフィールドへを著し完全に立ち位置を建築の外部へ移動する。その後世界を関係性のなかで捉えることへの反動がオブジェクト志向の哲学に後押しされて登場してきた。それを建築で明示したのはディヴィッド・ルイ。2012年のことである。そこで主張されているのは建築が環境内のパラメーターが与える一時的な計算結果となり・・・・建築が持っていた魔力は取り除かれたという点である。こうしたルイのような気持ちを持っている学生が昨今増えている。特に僕の研究室には少なくない。そしてそれは割と正常な感覚だろうなと思っている。

すみだ北斎美術館

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by 卓 坂牛

去年EUの建築家達とすみだ北斎美術館(2016)を訪れた時はインテリアばかり話題になった。というのもコンペ後にキュレーター側からかなりの変更を余儀なくされて設計意図がねじ曲げられたということを皆知っていたから。改めて外観を見ると。足元の亀裂が入り口になっているのもいいし、全体感も魅力的である。それにしてもこの前庭の公園はもう少しなんとかならないものか?

出張前に

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by 卓 坂牛

明後日ペルー行く前に、やっと落札したプロジェクトの敷地で工務店の社長以下現場監督含めてキックオフの顔合わせ。夜甲府に行き檀家の皆様に基本設計の説明をして承認頂く。最終で東京へ戻る。

金属プレス健保会館

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by 卓 坂牛

鈴木恂1987年のオフィスビル。金属プレス健保会館。SRC2000平米強、地上8階建て。低層部は石、上層部は金属を道路に面したファサードに皮一枚貼り付けアリバイ工作している。最上部だけサイドに回しこんでこの強烈なアイロニーをカムフラージュ。

 

あっち行ってこっち行って

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by 卓 坂牛

朝9時から3時間来年度の製図の課題の調整をした。助教の常山さんと非常勤の肩たちと、3年の課題はそれなりにやりやすいルートを作ってあげること、4年の課題は去年の反省を踏まえさらなるステップアップを可能とするようなものを目指し。いい課題となったと自画自賛。午後八潮市役所でいつものマスターアーキテクトの仕事で大規模開発への提言をしてきた。もうこの仕事6年やっているのだがあと任期が4年。全部で10年やる市長直轄の役割だが、市長の任期二期6年より長いのである。もう八潮も大規模開発する土地もないようだが建て替えはありそうである。夕方事務所でだいぶ変わった神楽坂プロジェクトの模型を見る。コストを合わせるために地下量を減らし、形態をやや簡略化している。出張前にやることをいろいろ終わらせる日々。

一番館、二番館

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by 卓 坂牛

あのチャールズ・ジェンクスの『 ポストモダニズムの建築言語』(1977)の表紙になった竹山実の二番館は歌舞伎町の端っこに1970に完成。外装のゼブラストライプは粟津潔によるもの。色が昔とだいぶ変わった。すぐそばにある一番館も同年に完成こちらもストライプは粟津デザイン。商業ビルとしてはよくもっている。