日建が年に一度著名人を招いて行う講演会、日建フォーラムに招いていただいた。講演者は福岡伸一。だいぶ前から院生と動的平衡論の建築への応用妥当性を検討し、また後期芸大で行う講義のテーマは「流れと淀み」であり、今日はワクワクで聞かせていただいた。今日の話しは残念ながらあまり建築との接点がなかったので懇親会で今度ゆっくりお話しを聞かせてもらうお願いをしたら先生も私が建築への応用を模索していることを御存知て快諾頂いた。
後期の授業の原稿をとりあえず書き終わった。7万字くらいで7回分。残り3回は学生のプレゼン、2回分はすでにある。さてその7回分をパワポにする作業をしていると文章の非論理性やダブりがわかるのと必要な図や写真も見えてくる。ところでこの集中力の本から学生を寝せない工夫を3つ得た。
1)集中力とは興味に支えられ興味とは疑問によって生まれる。→そこでパワポ全ページに疑問を赤で入れた。
2)勝負になると集中する→授業の一部をクイズ化し高得点者は記録しておく。
3)相手がいると集中する→前回授業の批判を最初に学生にさせるそれに答える。
母校東京教育大付属はその昔は東京高等師範付属で現在は筑波大付属と名が変わり100年以上の歴史がある。その中には様々な同窓会があり建築の同窓会を桐建会と呼びJIAのように設計の専業の人だけ来るようになっている。最高裁(1974)を設計した岡田新一さんにはその会で何度かお会いしたことがある。高等師範付属中学出身で一つ上に桐敷真次郎、同級に鈴木成分、一つ下に林昌二がいた黄金世代の方である。凛とした品格のある方で人格は設計に現れるものだと妙に納得したことを覚えている。
理科大は各都道府県に父兄会があって毎年そこに出向き学生の両とお話しする。今年は先週金沢、今日は静岡。たまさかお話した方は皆僕の研究室の学生の親。皆とても沢山子供のこと思っていて素晴らしい。これでもかっていうくらい子供のことを思って欲しい。でも子供のやることは信じて放任。これが最良の子育て。と言うのが私自身の学生時代の経験であり、私の子育ての経験から言えること。
東洋英和女学校は1933年ヴォーリーズによって設計された。そのスパニッシュミッションスタイルを踏襲して一粒社ヴォーリズ建築事務所が改築設計を行った(中学部・高等部は1984年。本部、大学院は2003年)。留学していたUCLAの校舎は古いモノはロマネスクだったがこのスパニッシュミッションスタイルも多かった。僕がシェアしていたシェナンドアの家もこのスタイルでロサンゼルスにはこのスタイルが多くこの建物を見ると懐かしくなる。
昨晩は暴風雨だったのだろうか?新橋駅前にヤクルト本社ビルがある。1970竣工なのでもう半世紀 近く経っているがガラスカーテンウォールは痛まない。設計は京王百貨店、コカコーラ本社、広尾ガーデンヒルズイースト、ウエストなどをやった圓堂政嘉(現在はエンドウ・アソシエイツ)。本社ビルに貸しホール(ヤクルトホールが入っている)がついている。1階の階段がダブルになっていて迫力だがこれはホールの避難階段なのだろうか?
ファッション批評誌 Vanitasは忘れたころに店頭に並ぶ。いつも秀逸な論考が掲載されている。この号では井上一世紀の「アンリアレイジとモダニズムへの1度目の遡行」が面白かった。まずモダニズムを「ある領域の内在的な批判による限界づけ」と定義しているのがスマートである。そしてアンリアレイジの光が点滅する服によるファッションショーでモデルの動きからリズムが剥奪されそのリズムが服の光の点滅のリズムの中に移動していると見る。リズム=時間という非モダニズム的要素が身体から服へ充填されることを看破することでこのファッションを構成する二つの要素のモダニズム的自律性が鮮やかに浮かび上がる。
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