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Nov 2017

日比谷ダイビルのエントランスホールと前庭

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by 卓 坂牛

bikearch33 1986年に日建に入社したわたしの最初の仕事は渡辺節事務所で村野藤吾が担当した日比谷ダイビルを解体して新しいビルを建てる計画の前庭と前庭に出っ張るエントランスホールの設計だった。本体のビルはすでにN主管が担当し設計は進んでおり総合設計制度で容積割増をもらうための公開空地の設計が残っていたのである。村野の古いビルはセンターコアのスクラッチタイル外壁に動物面、鬼面がついており、それらを保存してビルの様々な場所に配置するよう上司(小倉善明さん)に言われていた。そのころは小倉さん以外に加藤隆久さんもアドバイザーで二人がわたしの怖い上司だった。スケッチの書き方を叩き込まれた。平立断パース4つセットでやっと打ち合わせをしてもらえた。それもトレペにちょろなんていうスケッチはだめで全てA1で青焼きしたものでなければだめ。その上が真っ黒になるくらい書き込まれそれを常に二つ折りにして背ばり糊付けしてそれが設計終わるころに4センチくらいになっていた。エントランスホールのガラスブロックは加藤さんのちょろっとしたスケッチ(2センチ角くらいの)をわたしが図面化した。林さんが割れるからダメだと言っていたのを、外装の横田さんが大丈夫ですよと言ってくれて実現した。大変だった。

 

運慶

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by 卓 坂牛

日本美術史のお勉強程度の気持ちで残り2日の土曜7時に滑り込む。なぜか2室から入ってしまい運慶より運慶ね子の作が多くまあまあだなと思い1室に。その終わりのあたりが、クライマックス。普通の顔した菩薩はやはりいい。そこで気持ちが高まり、最後の四天王の勢いに感情移入させられた。

寺の集会場

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by 卓 坂牛

庇の位置を低めにしてみると急に鉢巻みたいで愉快な、ちょっととぼけた表情になる。

JIA MAGAZINE

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by 卓 坂牛

JIA会員であり、学会会員なのでJIA マガジンと建築雑誌が毎月届く。残念ながらほとんど目を通すことはなく、助手が本棚に納めてくれる。どうも選挙の話とか不要な会の情報がたくさん載っているように思い目を通すことがないのだが、面白そうな記事が載っているので本当は少し目を通すべきだと反省する。先日千葉工大に行った時に次のJIAマガジンでの鈴木了二との対談を読んでみてと編集長の今村創平さんに言われたので今日研究室で読んでみた。うん面白い。買って積ん読していた鈴木了二の『ヨートピアへのシークエンス』2017リクシル出版の出版経緯が記されており読んでみる気になった。思わず開いてシーザのところを読んでみて驚いた。シーザは瓦礫に最初に注目した建築家だと書いてある。なんかわかる気がするが想定外である。そしてシーザはこの文章を英訳でよんで深い論考だと褒め称えたそうである。残りの10の建築について書かれた文章が楽しみである。この本11の鈴木好みの建築について解説されるのだが元々は早稲田での授業だったそうである。今村君もこんな授業(名建築徹底解説)しているというがそしておそらく多くの建築の先生がこの手の授業をしていると思うのだが、僕は全くこういう授業をしたことがないことに気がついた。果たしてどうしてなのだろうか?話したい建築を10選べと言われたら何を選ぶのだろうか?

高田さんの書評

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by 卓 坂牛

実践女子大教授で建築家の高田典夫さんが拙著『建築の条件』の書評を書いてくださいました(建築技術12月号)。ありがとうございます。「建築の可能性とはハビトゥスの刷新であり規範性と固有性を獲得することである」という言葉を取り上げてくれる方が多く高田先生も最後にこの言葉を引用されています。これは美学者小田部胤久の言葉を私が建築に応用したものです。建築を美学的に考えたいというのはこんな時代でも私の中心的課題です。

冗長率

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by 卓 坂牛

平田オリザ『わかりあえないことから—コミュニケーション能力とは何か』講談社現代新書2011では意思を伝える伝わるの可能性が、描かれている。その中に冗長率という概念が登場する。簡単に言えば、余計なことを言う割合である。そしてコミュニケーションが上手な人は必ずしも冗長率が低いわけではなくこの率を時と場合で変えられる人であると言う。NHKのニュースでも夜7時と9時ではだいぶ違うらしい。この概念は表現すべてにあり得るもので。もちろん建築にもあてはめてみたら面白い。

表参道の両裏

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by 卓 坂牛

bikearch32 表参道の両裏側の住宅地にブティック、カフェ、ギャラリーがじわじわと広がる。住宅規模のものから、もう少し大きいものまでいろいろある。オーナーが上部に居住している場合も多い。アルスギャラリー(北川原温2002), QUiCO神宮前(2005坂本一成), は住居が載っている。物質試行41(鈴木了二,2000)はすべてテナント。作家の手触りみたいなものがよく出ている建物である。

寺の屋根

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by 卓 坂牛

とある敷地の土地利用計画と人の集まる場所の計画をしているが、そこにある寺の模型を見ながら寺の屋根は立派だなと感ずる。寺というものはこの屋根によって威厳を表していたのだとつくづく思う。屋根を見れば寺とわかるのだからこの象徴力はたいしたものである。

二つの教会

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by 卓 坂牛

bikearch31 飯倉の交差点ノアビルの、対角線上はす向かいに二軒の小さな教会が建っている。木造の山小屋風はアントニー•レーモンド設計1955年竣工、日本聖公会聖オルバン教会。左隣のRC造は新しく香山壽夫設計1996年竣工、日本聖公会聖アンドレ教会。東京タワーの下にこういうヒューマンスケールの建物があってほっとする。

結婚記念日

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by 卓 坂牛

午後天気が良くなり、今月始まったレアンドロ•エルリッヒを森美術館に見にいく。森美術館で20分待ちとは、しかも現代アーティストで。作品は予想通り愉快である。こういう楽しさは人を呼ぶ。夜焼き鳥を食べに銀行シックス裏の鳥や幸へ。昨日11月22日30年目の結婚記念日に行きたかったが満席で今日に変更。いや美味しかった。