丸山
朝の日課の『判断力批判』は下巻になると突如よく分からない。そもそも目的論的な判断力という言葉の定義自体が矛盾をはらんでいるように僕には感じられる。とは言っても少しずつ読み進む。不思議なもので、この手の哲学書(言葉の定義に繊細な正確さを期す文章)をじっくり読んでいると、普通の文章がなんだかすべてあいまいでいい加減に見えてくる。まあ世の中というものはそれほど厳密ではないし、良い、加減に動いているからそれでいいのだけれど。
ポートフォリオチェック。時間をかけると良くなっていくもの。でも結構時間がかかる。川崎のエスキス。むずかしいなあ。2時間くらい打合せしてから、また一人で終電まで考えていたが、そう簡単に名案が浮かぶわけでもなく。久しぶりに終電で長野へ。終電というのは混むもので、立っている人多数。ただ高崎で8割は降りてしまうのだが。車中で『丸山真男の時代』を読み終えた。著者竹内洋のブルデューの社会場を使った分析はとても分かりやすい。僕も10+1で塚本氏をブルデュー理論で分析したので、竹内洋の分析は手に取るように分かる。つまりブルデューの指標は文化資本と経済資本はベクトルが逆向きであり経済資本が高いところは文化資本が低く、つまり、お金持ちの社長は文化度が低く、あるいは政治経済に強い人は文化に弱い。文化に造詣の深い人はお金が無いということなのである。そしてその指標を竹内は日本の大学に当てはめる。そうすると丸山のような法学部教授は前者であり(経済、工学もそちら)、文学部は後者(理学なども)となるのである。
どうも僕等建築設計やってる人間はもとは工学だから前者の分類にはいりそうだがさにあらず、所詮お金と無縁な職種でありどちらかというと、文化の一角を担うものであり、後者なのである。そうすると勢い政治的にも後者を応援したくなる割と短絡的な思考回路があり、どうもこういう丸山のような人間は好かん。理屈は理解できてもやはり選ぶのなら吉本となってしまう。
まああまり深く考えたわけではないが。
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