近代とモダニズム
二人の時代認識
先日読んでいたオギュスタン・ベルクの『日本の風景・西欧の景観』では、近代の始まりをルネサンスにみて、そこで発明された透視図法に対して、20世紀モダニズム絵画におけるキュビズムは多視点的な見方を作り透視図を否定したものとされている。近代の主体と同時的に発生したこの透視図の否定をベルクはポストモダニズムの先取りと表現していた。呼び方はどうであろうと、近代とモダニズムとを明らかに違うものとして見る視点がここにある。一方今読み始めた稲葉振一郎『モダニズムのクールダウン』でも近代に対してモダニズムは一種の異議申し立てであり大きな物語の普及であり、ポストモダニズムも異議申し立てであり大きな物語の腐朽だというのである。ここにも近代とモダニズムを一枚岩として見ない見方が提示されているのである。
近代とモダニズムのずれというのはなんとなく頭の中ではちょっと違う何かだけどとりあえず同じグループだったのだが、こうして違うグループとして言葉にされると。少し驚きなのだが、果たしてその差はどの程度のことなのだろうか?
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