色の衝動とは?
昨年OFDAで木島と共同設計した「するが幼稚園」が公共の色彩賞という賞を受賞した。事務所にもどるとその審査評のようなものがまとまった冊子が届いていた。その中で審査委員長の言葉がとても嬉しい。曰く「幼稚園と言いますと、とかく、原色を使って、コミックあるいはアニメ風のものが多いんですが、ここでは、非常に洗練された幼稚園のあるべき姿を創造された点が高く評価されました。・・・大人が『幼稚園というのはこんなものだろう』ということで作った幼稚園とはまったく違ったアイデアに大変敬服しております」
一見原色に見えるのだが、ベースの色は全て少しずつトーンを少し落とした微妙な色をかなり根気よく作ったのである。現場でも柱一本一本に数種類の色見本を貼り付けて最終の色決定をした。そんな色選定が報われた。
色といえば、東京に戻る新幹線の中で論文の色の節を打っていた。その中で頭をよぎる疑問。ゼンパーは何で多色にこだわったのだろうか????人が色を使う根源的な動機はどこにあるのか?ポンペイの色はとても美しかったがあれは壁画である。ベルサイユのように金色を塗るのは財力の証であろう。単純に建築を色で埋める衝動とは???
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