中東
9月18日
先日サイードの自伝のごときインタビュー本を読んで改めて中東の話は難しいと思っていた。そんな訳でふと本屋に並ぶ山本七平、イザヤ・ベンダサンの昔の論考をまとめた単行本が目に付いて購入していた。『中学生でも分かるアラブ史教科書』なるもの。しかしこれは中学生でも分かるというほど簡単な本ではない。半年ほど前にイスラムに関する本をいろいろ読み基礎知識が増えているのだがやはり分からないことが多い。それはそうかもしれない。主として3つの宗教と数多の宗派が入り乱れるこの地域の話は戦争ひとつ、国際会議ひとつとっても余りに複雑。サイードの本には訳者大橋洋一郎氏の懇切丁寧な註が全てのページに亘って付加されておりそれを参考に理解は深まるのだが、註が多過ぎてこれはこれで読み進むと前の註を忘れる。文体はインタビューだから気軽な会話なので騙されるが、内容は複雑な前提が多々あるわけである。山本のこの本も同様である。
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