10月23日
10月23日
サーバーを変えたらとんでもない量のspamメールが入るようになった。内容は全部同じ英語の宣伝。コンピューターがゴミ箱と化している。辺見からジョフリースコット『ヒューマニズムの建築』英語版の序文が届く(我々が翻訳している原本はアメリカ版であるし初版ではない)。この序文はディビッド・ワトキンが書いている。ワトキンは有名な『モラリティと建築』(SD選書)の著者だが彼がこの本で言いたかったことは次のようなことである。モダニズムが純粋性と自律性を標榜したがために、その正当化のために建築は建築の外から様々な論理を借用してきた。その主要な一つがモラリティであったということだ。もちろんこうした論理の端緒はスコットによって切られていたのである。そのスコットの本をワトキンはどう分析しているのだろうか?興味深いところである。
昨日読み始めた有吉さんのフェルメール。とても面白い。彼女はフェルメールの存在感をこう言う。フェルメールの絵はどれもが少しおかしい、パースが狂っていたり、影が整合してなかったり。でもその狂いが狂いとは見えない。そのときそうとしか見えないだろうというその迫力だと言う。うーん分かるような気がする。もう一つ。彼女はある時東武トラベルの「フェルメールとゴッホに会う旅」というツアーに出かけた。そのツアーのパンフレットに「たった一枚の絵のために出かける旅があってもいい」というコピーが記されていたそうだ。なかなか素敵である。たった一つの建築のために出かける旅というのもたまにはある。
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