持続性
午前中先日竣工した住宅の引渡し。午後勉強会。今日は井上君と二人で静かに行なう。二人でやるのは実に静かで快適であることが分かった。集中できるから進捗も良いし、気が散らないから疲れもたまらない。夕刻帰宅。かみさんが姉の引越しの手伝いに行ったので夜は娘と二人で夕食をとる。食後、以前読んでいた『視覚と近代』の中の尾崎信一郎の「視覚性の政治学ーモダニズム美術の視覚をめぐって」を読んだ。モダニズムの特質である視覚性は触覚性との対比において対象との距離を保つことで一望性があり、それゆえに瞬間的な知覚であることが特徴であるという。そしてマイケル・フリードはポロックを視覚的であるという言うが尾崎はそれに反論し、ポロックの特色は一望性よりも細部へ視線を引き込み、そして瞬間的な把握を拒む物だと言う。この時間性がクラウスによってビートとかパルスという概念に発展されているのだが、この見るのに時間がかかる=持続性という考え方は改めて面白いと感じた。引き込んで離さないというものの魅力は確かにあると思われる。それは建築で言えば単に表面の複雑性ではなく奥行きなのだと思う。
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