隈さんの文章
2月29日
大学の委員会の所用を済ませ急いで夕刻のアサマに、車中隈研吾の『負ける建築』を飛ばし読む。この人の文章を読むのは『10宅論』以来2回目だが、物事の抽象的な掴みは天才的にうまい。しかし余りに一掴みなので、掴んでないところが気になって仕方ない。こういう言説は小泉的でインパクトがあるし、分かりやすい。こういってはなんだが小泉同様、右も左も分からぬ輩はすぐに食いつく。隈さんもそこを狙っているのだから、それを分かってこの掴みの鋭さを読みとらねば。どうもこうした文章を学術的に真に受けるやつがいるのには困ってしまう。夜、事務所で打合せ。茶室は天井を剥がしたらいろいろ予期せぬ臓物が現れたようだ。デザイン案を修正。リノベーションブレスト、ヴォリュームスタディチェック。
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